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» 2009年12月21日 18時15分 UPDATE

プリンタ09-10年モデル徹底検証:第2回 エプソン「カラリオ」の売れ筋プリンタ3台を見極める (2/5)

[榊信康(撮影:矢野渉),ITmedia]

「EP-802A」――新生カラリオの売れ筋モデルがネットワーク標準搭載に

 2008年末の大ヒットモデル「EP-801A」にさらなる付加価値を追加したのが、このEP-802Aだ。2009年末のエプソンが一番の売れ筋に位置付けている製品で、カタログでも「まよったらコレ!」と記載し、幅広いユーザー層にアピールしている。

tm_0912print2_11.jpgtm_0912print2_12.jpg 未使用時の状態(写真=左)と使用時の状態(写真=右)。高さを抑えたフラットなデザインが特徴だ。量販店での実売価格は2万5000円前後

tm_0912print2_13.jpg 天面には細かなドットのテクスチャーをあしらっている

 高さをぐっと抑えたフラットなボディデザインをはじめ、基本的な部分はEP-801Aから継承しているが、従来はオプションだった有線LAN/無線LAN機能を標準で装備し、EP-902Aとの機能差を縮めているのが目立つ。EP-902と同様、天面は光沢処理からドットパターンテクスチャーに変更され、傷や指紋が付きにくくなった。EP-902Aとの機能差は、タッチパネルとADF、動画プリントくらいだ。

 プリントエンジンは従来と変わらず、EP-902Aと同一の6色独立インクカートリッジと高速MACHヘッドを採用する。インクを5つのドットサイズで制御する「Advanced-MSDT」(アドバンスド・マルチ・サイズ・ドットテクノロジー)も健在で、インク滴の最小サイズは1.5ピコリットルだ。給紙と排紙の機構にも変更はなく、2段式前面カセットにより、2種類の用紙を手軽に使い分けることができる。

 操作パネルは、2.5型液晶モニタと多数のボタンを組み合わせたスタンダードな構成だ。EP-902Aに比べると、ボタンの機能や項目を把握しにくく感じるのは仕方ない。しかし、EP-801Aからメニューを改め、メニューのトップ画面に8つのアイコンを表示するようになったので、各機能にアクセスしやすくなっている。今後はメニュー構造をさらに工夫して、ボタンの数を絞ってもよいかもしれない。

 ネットワーク機能の追加により、EP-802AはEP-902Aの廉価版という立ち位置になった。タッチパネルとADFは利便性を高めてくれるが、すべてのユーザーにとって必須の機能ではない。2008年のベストセラーモデルに有線LANと無線LANが付いて、実売価格はほぼ変わらないので、導入コストを抑えつつ、省スペース&多機能が欲しいならば、よい選択肢だろう。

tm_0912print2_14.jpg インクはEP-902Aと同様、染料6色構成のPM-Gインク(つよインク200)を採用。全色独立カートリッジを前方に装てんする
tm_0912print2_15.jpg スキャナは光学2400dpiのCISセンサーを搭載したもの。解像度はEP-902Aより下がるが、反射原稿のみの対応なので十分だろう
tm_0912print2_16.jpg 操作パネルは2.5型液晶モニタとボタンを組み合わせたスタンダードな構成だ。新しいトップメニューにはアイコンが8つ並ぶ

tm_0912print2_17.jpg 右下に2スロット式のマルチカードリーダーと、PictBridge対応のUSBポート、赤外線ポートを配したレイアウトはEP-902Aと同様だ
tm_0912print2_18.jpg 前面下部に2段式の給紙カセットを配置。どちらも本体に完全に収納できる。オプションで自動両面印刷にも対応する
tm_0912print2_19.jpg CD/DVD/BDレーベル印刷用のトレイは内蔵され、ボタン1つで給紙カセットと切り替えられる。外付けトレイより取り回しやすい

「EP-702A」――EPシリーズならではのデザインを用いたミドルレンジ機

 EP-702Aは、2009年末モデルから登場したフラットボディのミドルレンジ機だ。2008年末モデル「PM-A840S」のプリントエンジンをEPシリーズのフラットなボディに載せ替えることで、デザイン面を強化した製品といえる。

tm_0912print2_20.jpgtm_0912print2_21.jpg 未使用時の状態(写真=左)と使用時の状態(写真=右)。上位2モデルと似たデザインだが、後部トレイを採用している。量販店での実売価格は2万2000円前後だ

 プリントエンジンは上位機と同じ染料インク6色構成だが、ヘッドのノズル数は各色90と半分だ。このため、プリントスピードは遅くなるが、ストレスを感じるほどの出力速度ではない。このことは後述のベンチマークテストの結果を見れば分かるだろう。スキャナは光学解像度1200×2400dpiのCISセンサーを採用しており、こちらもEP-802Aよりワンランク下になる。

 給紙機構は上位機が採用する前面カセットではなく、後部トレイから行う。当然ながら2段式トレイではない1系統給紙なので、印刷する用紙ごとに入れ替える必要がある。また、自動両面印刷ユニットには対応していない。ただし、上位機が対応しないカードサイズに印刷ができる点は、人によっては大きなメリットとなるかもしれない。

 操作パネルは2.5型の液晶モニタを搭載するが、メニュー画面の構成はEP-802Aとは異なる。作業の進行に応じて、操作パネルの左から右へと各種のボタンを順々に押していく昔ながらのマルチフォトカラリオの操作系を受け継いでいるのだ。個人的にはEP-802Aよりも、こちらのほうがなじみやすい。

 ネットワーク機能はオプションで対応する。ただし、ネットワークアダプタを別途購入するならば、素直にEP-802Aを購入したほうが買い得といえるだろう。プリンタはたまにしか使わないが、デザインと機能は上位機に近いものが欲しいというユーザーにマッチしている。

tm_0912print2_22.jpg 上位機と同じ染料6色のPM-Gインク(つよインク200)を採用するが、こちらはキャリッジ上に各色独立インクカートリッジを装着する
tm_0912print2_23.jpg フラットベッドスキャナ部は光学1200dpiのCISセンサーを採用する。もちろん、フィルムスキャンには対応しない
tm_0912print2_24.jpg 2.5型の液晶モニタとボタンの配置はEP-802Aに似ているが、昔ながらの操作メニューを採用している

tm_0912print2_25.jpg 上位機と異なり、操作パネルの下に、マルチカードリーダーと、PictBridge対応のUSBポート、赤外線ポートが1列で並ぶ
tm_0912print2_26.jpg 給紙機構はシンプルな後部トレイの1系統となっている。自動両面印刷ユニットには対応していない
tm_0912print2_27.jpg CD/DVD/BDレーベル印刷は備えているが、トレイは着脱式になっており、未使用時には別途収納する必要がある

 ここで紹介した3モデルの主な仕様を下表にまとめた。

カラリオ複合機新モデルの主な仕様
モデル名 EP-902A EP-802A EP-702A
Epson Direct Shop価格 3万9980円 2万9980円 2万2980円
量販店実売価格 3万5000円前後 2万5000円前後 2万2000円前後
液晶モニタ 3.5型(タッチパネル7.8型、チルト対応) 2.5型(チルト対応) 2.5型(チルト対応)
インク 染料6色(独立) 染料6色(独立) 染料6色(独立)
ノズル数 C/M/Y/Bk/LC/LM×各180ノズル C/M/Y/Bk/LC/LM×各180ノズル C/M/Y/Bk/LC/LM×各90ノズル
印刷最高解像度 5760×1440dpi 5760×1440dpi 5760×1440dpi
最小インク滴 1.5ピコリットル 1.5ピコリットル 1.5ピコリットル
スキャナ 4800×4800dpi(CIS) 2400×4800dpi(CIS) 1200×2400dpi(CIS)
フィルムスキャン
メモリカードリーダー CF、MS、SD、xD CF、MS、SD、xD CF、MS、SD、xD
PictBridge
赤外線
PC接続インタフェース 100BASE-TX有線LAN、802.11b/g無線LAN、USB 2.0、Bluetooth(オプション) 100BASE-TX有線LAN、802.11b/g無線LAN、USB 2.0、Bluetooth(オプション) USB 2.0、有線/無線LAN/Bluetooth(オプション)
給紙機構 2段式前面カセット、ADF 2段式前面カセット 後部トレイ
排紙機構 前面トレイ 前面トレイ 前面トレイ
給紙容量 前面カセット下段120枚(はがき50枚)、上段20枚、ADF30枚 前面カセット下段120枚(はがき50枚)、上段20枚 120枚(はがき50枚)
自動両面印刷 △(オプション) △(オプション)
CD/DVD/BDレーベル印刷 ○(トレイ内蔵) ○(トレイ内蔵) ○(トレイ外付け)
L判フチなし印刷速度(公称値) 約14秒 約14秒 約22秒
L判フチなし印刷コスト(公称値) 約20.8円 約20.8円 約19.9円
サイズ(幅×奥行き×高さ) 466×385×198ミリ 446×385×150ミリ 450×386×195ミリ
重量 約10.5キロ 約9.0キロ 約8.4キロ
※L判印刷速度/コストは「写真用紙<光沢>」使用時。コストはインク代+用紙代の合計

 次のページでは、3モデルの操作性や機能をより詳しく見ていく。

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