インテル、32ナノプロセス世代“Westmere”CPUを“正式に”発表

» 2010年01月08日 11時00分 公開
[ITmedia]

Clarkdaleはi5とi3で、Arrandaleはi7、i5、i3で展開

 インテルは、1月8日にデスクトップPC向けのCore i5/Core i3シリーズと、ノートPC向けのCore i7/Core i5/Core i3シリーズを発表した。いずれも32ナノメートルプロセスルールの“Westmere”コアを採用した最初のモデルで、CPUパッケージに45ナノメートルプロセスルールのGPUコアを統合したのが特徴だ。デスクトップPC向けモデルは「Clarkdale」、ノートPC向けモデルは「Arrandale」という開発コート名でそれぞれ呼ばれてきた。CPUコアの構成トランジスタ数は3億8300万個、グラフィックスコアは1億7700万個になる。ダイサイズは、CPUコアが81平方ミリメートル、グラフィックスコアが114平方ミリメートルだ。

 ClarkdaleとArrandaleに実装されるグラフィックスコアは、パッケージの中でQPIで接続されるほか、画像出力のインタフェースを持つチップセットとはCPU側がDMI、グラフィックスコア側はIntel Flexibie Display Interfaceで接続する。なお、グラフィックスメモリはCPUと接続するDDR3メモリで共有することになる。

従来のプラットフォームと比較したClarkdaleの構成。グラフィックコアをCPUに統合したことで、チップセットの機能はサウスブリッジ部分しか残っていない

 インテルは同時に、“Clarkdale”CPUに対応した「Intel Q57 Express」「Intel H57 Express」「Intel H55 Express」チップセットと、“Arrandale”CPUに対応した「Intel QS57 Express」「Intel QM57 Express」「Intel HM57 Express」「Intel HM55 Express」チップセットも発表している。

 加えて、Arrandaleと対応チップセット(開発コード名でIbex Peak-Mと呼ばれていた)で構成される新しいノートPCプラットフォーム(開発コード名はCalpella)で利用できる無線LANモジュールとして「Intel Centrino Ultimate-N 6300」「Intel Centrino Advanced-N 6200」「Intel Centrino Advanced-N+WiMAX 6250」を発表した。

 デスクトップPC向けの“Clarkdale”は、「Core i5-670」「Core i5-661」「Core i5-660」「Core i5-650」「Core i3-540」「Core i3-530」のCore i5シリーズ4モデルとCore i3シリーズ2モデル、ノートPC向けの“Arrandale”は「Core i7-620M」「Core i7-640LM」「Core i7-620LM」「Core i7-640UM」「Core i7-620UM」「Core i5-540M」「Core i5-520M」「Core i5-520UM」「Core i5-430M」「Core i3-350M」「Core i3-330M」の、Core i7シリーズ5モデル、Core i5シリーズ4モデル、Core i3シリーズ2モデルだ。

 それぞれのスペックは以下のようになる。

CPU 動作クロック TurboBoost最高クロック コア数 2次キャッシュメモリ 対応メモリ TDP 実売価格
Core i5-670 3.46GHz 3.73GHz 2/4 4Mバイト DDR3-1333 73ワット 2万5800円
Core i5-661 3.33GHz 3.60GHz 2/4 4Mバイト DDR3-1333 87ワット 1万7800円
Core i5-660 3.33GHz 3.60GHz 2/4 4Mバイト DDR3-1333 73ワット 1万7800円
Core i5-650 3.20GHz 3.46GHz 2/4 4Mバイト DDR3-1333 73ワット 1万5990円
Core i3-540 3.05GHz 対応せず 2/4 4Mバイト DDR3-1333 73ワット 1万2080円
Core i3-530 2.93GHz 対応せず 2/4 4Mバイト DDR3-1333 73ワット 1万260円

(記事掲載当初、Core i3-530の動作クロックに間違いがありました。おわびして訂正いたします)

CPU 動作クロック TurboBoost最高クロック コア数 2次キャッシュメモリ 対応メモリ TDP 実売価格
Core i7-620M 2.66GHz 3.33GHz 2/4 4Mバイト DDR3-1066 35ワット 3万160円
Core i7-640LM 2.13GHz 2.93GHz 2/4 4Mバイト DDR3-1066 25ワット 3万160円
Core i7-620LM 2.0GHz 2.8GHz 2/4 4Mバイト DDR3-1066 25ワット 2万7250円
Core i7-640UM 1.20GHz 2.26GHz 2/4 4Mバイト DDR3-800 18ワット 2万7710円
Core i7-620UM 1.06GHz 2.13GHz 2/4 4Mバイト DDR3-800 18ワット 2万5250円
Core i5-540M 2.53GHz 3.06GHz 2/4 3Mバイト DDR3-1066 35ワット 2万2250円
Core i5-520M 2.40GHz 2.93GHz 2/4 3Mバイト DDR3-1066 35ワット 2万440円
Core i5-520UM 1.06GHz 1.86GHz 2/4 3Mバイト DDR3-800 18ワット 2万1890円
Core i5-430M 2.26GHz 2.53GHz 2/4 3Mバイト DDR3-1066 35ワット 非公開
Core i3-350M 2.26GHz 対応せず 2/4 3Mバイト DDR3-1066 35ワット 非公開
Core i3-330M 2.13GHz 対応せず 2/4 3Mバイト DDR3-1066 35ワット 非公開

CPUコアだけなく、グラフィックスコアもオーバークロック可能に

 “Clarkdale”“Arrandale”ともに、すべてのモデルがデュアルコアとなるが、インテル ハイパー・スレッディング・テクノロジーに対応するので同時に4本のスレッドを処理できる。また、Nehalem世代のCPUに導入されたインテル ターボ・ブースト・テクノロジーをCore i3シリーズ以外のモデルがサポートする。デュアルコアの1つが動作を止めたときにできる熱設計の余裕を利用して、残りのコアの動作クロックを上げる技術で、例えば、動作クロック3.46GHzのCore i5-670は最高3.73GHzまで動作クロックが上昇する。

 “Clarkdale”、“Arrandale”ともにグラフィックスコアを同じパッケージに実装するが、Arrandaleでは、グラフィックスコアもインテル ターボ・ブースト・テクノロジーと同様に動作クロックを上昇させる「Intel HD Graphics with Dynamic Frequency」を新たに導入した。CPUコアが動作クロックを抑えているときにできた熱設計限界のマージンを利用してグラフィックスコアの動作クロックを上げるのは、インテル ターボ・ブースト・テクノロジーと同じだ。

CPUコアとグラフィックスコアにおける発熱状況をサーモグラフィで示した

 インテルは、“Clarkdale”と“Arrandale”の性能について、従来のCPUと比較した相対値を示している。それによると、Core i5-650とCore 2 Duo E8400の比較では、PCMark Vantageの結果で61%、SYSmark2007の結果で16%ほどCore i5-650が有利であった。このほか、同様に、Core i5-650とCore 2 Quad Q9400との比較では、PCMark Vantageの結果で40%、SYSmark2007の結果で22%、Core i5-650が有利だった。

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