レビュー
» 2010年02月04日 12時00分 UPDATE

店頭/直販モデルをじっくり比較:“Real Pocket size PC”の実力はホンモノか?――新「LOOX U」を徹底検証する (1/4)

富士通の「LOOX U」がフルモデルチェンジを果たした。店頭モデルとハイスペックな直販モデルを用意し、パフォーマンス、ボディの発熱、騒音レベルなどをテストする。

[前橋豪, 撮影:矢野渉,ITmedia]

見どころ満載の新「LOOX U」、その魅力に迫る

デザインを一新した「FMV-BIBLO LOOX U」

 国内メーカー各社が続々と投入している2010年PC春モデルの中でも、とりわけ注目度の高いミニノートPCといえば、富士通の“Real Pocket size PC”こと、新型「FMV-BIBLO LOOX U」だろう。

 前モデルからAtom Zベースのアーキテクチャを継承しつつ、ジャケットの内ポケットにも入る約495グラムの小型軽量ボディに、マルチタッチ対応の5.6型WXGA(1280×800ドット)ディスプレイ、本体幅ギリギリまで敷き詰めたキーボード、両手持ちで使いやすい場所に配置したポインティングデバイスを備え、デザインも360度こだわるなど、見どころ満載の1台だ。

 PC USERでは既に試作機でその変更点をチェックしたが、今回は製品版同様の店頭モデルと直販モデルを入手できたので、試作機でテストできなかったパフォーマンスや静音性、放熱性といった部分も含め、総合的な実力に迫っていきたい。

店頭モデルとハイスペックな直販モデルを徹底比較

 テストに使用したのは、Atom Z 520(1.33GHz)と30GバイトSSDを搭載した店頭販売向けカタログモデル「U/G90」、Atom Z 550(2.0GHz)と62GバイトSSDを備えた直販専用カスタムメイドモデル「U/G90N」の2台だ。カスタムメイドモデルは富士通の直販サイト「WEB MART」から購入でき、CPUグレード、SSD容量、OSなどを選べるが、今回はカタログモデルとの差を見たいので、ハイエンドの構成とした。

 ボディカラーはU/G90がルビーレッド、U/G90NがBAPE CAMO BLACKだ。BAPE CAMO BLACKは、若年層を中心に人気があるブランド「A BATHING APE」とのコラボレーションモデル専用カラーとなっており、2010年2月28日までの期間限定で販売中だ。そのほかの仕様は2台とも変わらない。

カタログモデルの「U/G90」。カラーはルビーレッド
カスタムメイドモデルの「U/G90N」。カラーは限定のBAPE CAMO BLACK

Atom Z 520(1.33GHz)と30GバイトSSDを搭載したカタログモデル「U/G90」(ルビーレッド)のデバイスマネージャ画面。SSDはハーフスリムタイプモジュールの東芝製「THNSNB030GMSJ」を内蔵していた。SSDのインタフェースはSerial ATAだが、Intel SCH US15WチップセットがサポートするのはUltra ATA/100のインタフェースなので、変換アダプタ経由で接続されている。IEEE802.11a/b/g/n準拠の無線LANとWiMAXについては、ハーフサイズのMini PCI Expressカード「Intel WiMAX/WiFi Link 5150」でまかなわれている

Atom Z 550(2.0GHz)と62GバイトSSDを搭載したカスタムメイドモデル「U/G90N」(BAPE CAMO BLACK)のデバイスマネージャ画面。SSDは東芝製「THNSNB062GMSJ」だった。カタログモデルが内蔵するTHNSNB030GMSJの容量違いモデルだ。こちらもWiMAX/無線LANコンボカードの「Intel WiMAX/WiFi Link 5150」を装備する

今回テストした「FMV-BIBLO LOOX U」の仕様
製品名 U/G90 U/G90N
販路 カタログモデル カスタムメイドモデル
ボディカラー ルビーレッド BAPE CAMO BLACK
OS 32ビット版Windows 7 Home Premium
CPU Atom Z520(1.33GHz) Atom Z550(2.0GHz)
メインメモリ 2Gバイトオンボード(PC2-4200)
チップセット Intel System Controller Hub(SCH) US15W
液晶ディスプレイ 5.6型ワイド(1280×800ドット)
データストレージ 30Gバイト 62Gバイト
WiMAX IEEE802.16e-2005(最大受信13Mbps/送信3Mbps)
無線LAN IEEE802.11a/b/g/n(最大受信300Mbps/送信速度150Mbps)
Bluetooth Bluetooth 2.1+EDR準拠
バッテリー 内蔵バッテリパック(7.2ボルト 1800mAh)/約4時間駆動
保証サービス 1年間保証 3年間保証
本体サイズ 204(幅)×106.5(奥行き)×23.8(高さ)ミリ
重量(公称値) 約495グラム
重量(実測値) 約485グラム 約484グラム
販売価格 実売10万円前後 13万4800円

各種パフォーマンステストの結果は?

 まずは、パフォーマンステストの結果から見ていこう。Windows 7標準のシステム評価機能であるWindowsエクスペリエンスインデックスと、総合ベンチマークテストのPCMark05およびCrystalMark 2004R3(ひよひよ氏作)の各スコアを下に示した。なお、各テストはACアダプタを接続した状態で実施している。

 CPUやグラフィックスのスコアは、Atom ZとIntel SCH US15Wを採用したシステムとして標準的な結果となっており、CPUクロックの差によるスコアの優劣も予想通りだ。2台ともシステム全体の性能バランスは、SSDが突出しているため、HDDのスコアが最も良好な結果となった。

U/G90のWindowsエクスペリエンスインデックススコア。Atom Z520(1.33GHz)の搭載により、CPUスコアが「1.9」と最も低くなった。Intel SCH US15Wチップセット内蔵グラフィックスコアのIntel GMA 500を採用するため、グラフィックス回りのスコアも低めだ
U/G90NのWindowsエクスペリエンスインデックススコア。Atom Z550(2.0GHz)の搭載により、CPUスコアが一気に「2.8」まで上がった。その影響でグラフィックス回りのスコアも底上げされているが、実際のところ、描画性能の差はほとんどない

PCMark05のスコア。CPUクロックの差がテスト結果に反映されている
CrystalMark 2004R3のスコア。こちらもCPU関係のテスト結果でU/G90Nが優勢だ

 総合ベンチマークテストで良好な成績だったSSDの性能を詳しくチェックするため、PCMark05のHDD関連テストとCrystalDiskMark 2.2(ひよひよ氏作)も実行した。2台が内蔵するSerial ATA SSDは同じシリーズの容量が違うモデルなので、パフォーマンスに差はほとんどない。SSD自体のスペックはいずれもリード速度が180Mバイト/秒、ライト速度が70Mバイト/秒となっている。

 テスト結果を見ると、チップセット接続時におけるUltra ATA変換のボトルネックにより、Serial ATA SSDのパフォーマンスが最大限発揮できていないことが分かる。しかし、スコアが落ち込みがちなランダムライトの性能も安定しており、ミニノートPCのデータストレージとしては十分高速といえる。

PCMark05におけるHDD関連テストの結果
CrystalDiskMark 2.2におけるリードテストの結果
CrystalDiskMark 2.2におけるライトテストの結果

 LOOX Uの用途とは少し外れるが、3Dグラフィックス性能を評価するテストの3DMark05とFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3も実行した。LOOX Uのグラフィックス機能はほかのAtom Z搭載機と同様、Intel SCH US15Wチップセットに統合されたグラフィックスコアのIntel GMA 500を採用するため、低いスコアにとどまっている。

3DMark05(1024×768ドット)のスコア。CPUスコアでは差が出ているが、総合結果はほぼ横並びだ
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のスコア。どちらも解像度が低いLow設定で700台と振るわない

 システム全体のパフォーマンスが分かったところで、次のページでは実際にWindows 7の起動や終了にかかる時間を測定する。

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

この記事が気に入ったら
ITmedia PC USER に「いいね!」しよう