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» 2010年08月31日 12時30分 UPDATE

これが価格破壊か……:「U2211H」実力診断――IPSパネル搭載で1万円台の21.5型フルHD液晶 (1/3)

「最近は1万円台で買えるフルHD液晶をよく見かけるけど、TNパネルなのが気になる」という人は、デルの「U2211H」を覚えておくとシアワセになれるかもしれない。

[榊信康(撮影:矢野渉),ITmedia]

デルの低価格フルHDディスプレイは一味違う

tm_1008u2211_01.jpg デルの21.5型フルHD液晶ディスプレイ「U2211」

 デルの液晶ディスプレイは大量生産によるコストダウンを武器に、日本市場でも買い得感が高いラインアップをそろえており、幅広いユーザーに注目されている。先日はその中でも特に目立つ27型ワイドモデル「U2711」を取り上げたが、今回は21.5型ワイドモデル「U2211H」をチェックしていこう。

 U2211HはU2711と同様、デル製ディスプレイでは上位クラスの「デジタルハイエンドシリーズ」に属する。ただ、クリエイティブワークも含むマルチユースを想定した大型・多機能モデルである27型ワイド(2560×1440ドット)のU2711に対して、U2211Hはパネルサイズが21.5型ワイド(1920×1080ドット)で、仕様も比較的シンプルにまとめており、メインストリームかやや下の層までをカバーする。

 発売したのは2010年6月ごろだが、ここに来てもともと安価だった価格がグッと下がっている。2010年8月31日現在、デルのオンラインでの直販価格は1万6800円。配送料を合わせても1万8000円台で購入できてしまう。Webで眺めるだけのつもりが、つい衝動買いしてしまいそうな低価格だ。

 今どき、1万円台後半の21.5型フルHD液晶ディスプレイなんて珍しくないと思うかもしれないが、それはTNパネル搭載機でのこと。U2211Hは広視野角だが高コストになりがちなIPSパネルを採用している。安価なe-IPSパネル搭載機が増えている昨今だが、それでもここまで安くなるとは驚きだ。

ノングレアのIPSパネルを採用、色域はsRGB相当

 まずは基本スペックをざっと追っていこう。液晶パネルは光沢がないノングレアタイプを採用し、サイズは21.5型ワイド(475.2×267.3ミリ)、アスペクト比は16:9、画面解像度は1920×1080ドットのフルHDだ。画面サイズに対して解像度が高いため、ドットピッチは0.247ミリと狭く、ドットを感じない精細な表示が得られる半面、フォントやアイコンのサイズは小さくなる。細かい表示が苦手なユーザーは、店頭で同サイズの液晶ディスプレイを一度確認してみるとよいだろう。

 輝度は250カンデラ/平方メートル、コントラスト比は1000:1(ダイナミックコントラスト比は1万:1)だ。輝度はまずまずで、コントラスト比は低価格なIPSパネル搭載機としては高いといえる(IPSは構造上、コントラストを高めにくいため)。調整の幅にも余裕があり、明るすぎたり、暗すぎたりといった不満は出ないだろう。

 IPSパネルということで、視野角は上下/左右とも各178度と広く、さすがに文句がない。応答速度はグレーからグレーの中間階調域で8msだ。IPSパネルは応答速度を高速化しにくいため、最近の高速応答をウリとしたTNパネルには見劣りする。

 表示色は約1670万色に対応する。色域は広からず狭からず、ほぼsRGB相当といってよい。NTSC比はCIE1976で82%(CIE1931では72%)、sRGBカバー率は100%をうたっている。Adobe RGBなどの広色域表示はサポートしていない。バックライトは2本のCCFL(冷陰極蛍光ランプ)によるエッジライト方式を採用する。

tm_1008u2211_02.jpgtm_1008u2211_03.jpg IPSパネルを採用。画面を斜めに振っても、コントラストや色度が変化しにくい。もっと急な角度から見ても、視認性はあまり低下しない

スタンドは十分な可動域があり、縦位置表示もサポート

 ボディのデザインはシンプルだ。本体サイズは514.4(幅)×184.1(奥行き)×347.6〜447.6(高さ)ミリ、重量は約6.45キロとなっている。ドットピッチが狭い半面、フルHDの解像度を確保しながら省スペース性が高い点は見逃せない。

 スタンドの調整機能は充実している。上21度/下4度のチルト、左右で各45度のスイベル、100ミリ範囲の昇降が可能だ。スイベル用のターンテーブルは台座の底面ではなく、ネック部分の付け根にあるので、画面を左右に振る場合でも机上に置いたものと干渉しないのはよい。画面を最も下げた状態だと、液晶ディスプレイ部の下端は設置面から約50ミリの位置になる。フレームの幅は約18ミリなので、表示域の下端は約68ミリの位置だ。ここまで下がれば、画面の位置が高すぎて疲れるということはないだろう。

 縦位置表示もサポートしており、液晶ディスプレイ部は時計回りに90度回転できる。各動作はスムーズに行えるうえ、位置を固定した際にもふらつきなどの不安はない。全般に扱いやすく、よくできた設計だ。なお、スタンドは工具いらずで着脱できる仕組みで、スタンドを外してVESA規格(100ミリピッチ)準拠のフレキシブルアームなどを装着することもできる。

tm_1008u2211_04.jpgtm_1008u2211_05.jpgtm_1008u2211_06.jpg シルバーとブラックの直線的なボディは上位機譲り。価格の割りにはしっかりした作りで、質感も高い。スタンドはチルト、スイベル、昇降、縦位置表示に対応する

 背面の入力端子はDVI-D(HDCP対応)、アナログD-Sub、DisplayPortが下向きに並ぶ。このサイズの液晶ディスプレイに採用例が多いHDMIは搭載していない。USB 2.0のハブ機能も有しており、背面にアップストリーム×1、ダウンストリーム×2、右側面にダウンストリーム×2の端子を装備している。スピーカーは内蔵しないが、別売の増設スピーカー(サウンドバー)を底部に装着するためのフックと電源端子は用意されている。

tm_1008u2211_07.jpg 主要な端子類は液晶ディスプレイの背面に用意。電源ユニットも内蔵している
tm_1008u2211_08.jpg 手を伸ばしやすい右側面には、USB 2.0ダウンストリームポートが2基用意されている

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