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» 2011年04月01日 11時04分 UPDATE

5分で分かった気になるアキバ事情:2つの“予想外”から復活を目指した3月のアキバ (1/2)

P67/H67マザーの出荷停止から復活を目指す中、東日本が大震災に見舞われて電気街も一時は営業すらままならない状況となった。しかし、3月末には客足が戻りつつある。

[古田雄介(ぜせ),ITmedia]

震災前――T-ZONE.跡地とP67/H67が“偶然”同時に再デビュー

og_akibam_001.jpg ドスパラ パーツ館のオープニングセレモニー

 3月最初の週末は、PCパーツショップ全体でお祭り騒ぎになっていた。暦上はごく普通の週末ながら、出荷見合わせとなっていたP67/H67マザーがASRockとBIOSTARから再登場し、2010年11月末に閉店したT-ZONE.PC DIY SHOPの跡地が「ドスパラ パーツ館」として再スタートを切ったためだ。偶然にも2つのニュースが重なったことで、ほかのショップも便乗キャンペーンを行い、街にはPCパーツショップの紙袋を提げたユーザーが多数みられた。

 ドスパラ パーツ館は1〜2階で新品のPCパーツを扱い、3階にPCパーツやPC、スマートフォンなどの中古品を並べる大型店舗。自作PCビギナーでも安心して質問できる専門の解説スタッフ「PCコンシェルジュ」を常駐させて、独自色も打ち出している。3月4日の開店前には100人以上の行列が並び、夕方まで混雑が続く盛況ぶりで初日を終えた。

 元T-ZONE.PC DIY SHOPの同店スタッフは「T-ZONE.とは違うかもしれませんが、ぼくらがやれることはそんなに変わらないので、お客さんに楽しんでもらえるように工夫していきたいですね」と抱負を語る。

 もう1つの主役となった、P67/H67マザーも販売復活当日から複数のショップで好調に売れていた。ソフマップ秋葉原本館は「新生活シーズンに間に合ったのがよかったです。Sandy Bridge自体は評判がいいので、それが満足に使える環境を待っていた人は大勢いますから。動きの止まっていたCore i7-2600Kなどもさっそくヒットしていますよ」と話していた。

 なお、BIOSTARからはP67/H67マザーとともに、H67からSATA 3.0対応などを省いた廉価版の「Intel H61 Express」チップセット搭載マザー「H61MH」も登場した。価格は8000円弱で、販売見合わせ前のH67マザー最廉価モデルと同等の価格帯となっていた。

 ツートップ秋葉原本店は「Sandy Bridgeも廉価なCore i3シリーズが投入されましたし、CPUとマザーを組み合わせて2万円で済む組み合わせが現実的になったのは大きいです。グラフィックスカードもいりませんし、安くインテル系マシンを組みたい人にオススメです」とプッシュしていた。

og_akibam_002.jpgog_akibam_003.jpgog_akibam_004.jpg パソコンショップ・アークに並ぶASRockのP67/H67マザー(写真=左)。BIOSTAR「H61MH」(写真=中央)。ソフマップ秋葉原本館のSandy Bridge CPU。すべてのラインアップが潤沢に並んでいた(写真=右)

震災後――UPSや電池の需要が増大、そして節電モードで営業する各店舗

og_akibam_005.jpg 3月12日の秋葉原中央通り。ソフマップ リユース総合館の壁の一部がはく離したため、周辺は立ち入り禁止となっていた

 しかし、その1週間後の3月11日昼過ぎに東北地方太平洋沖地震が発生。秋葉原も大きく揺れて、商品が落ちたり壁にヒビが入ったりしたショップもあり、直後は大通りに避難するユーザーやスタッフで騒然となった。その後も大きな余震が続き、ほとんどの店舗のシャッターは閉じられた。

 翌日以降も、余震を警戒しながら短時間の営業とするショップが多かったが、街を訪れる人は激減。本震が発生した当日のうちに電力の不安が報道され、東京電力からも節電の要請が発表されたことから、多くのショップは自主的に一部の照明やデモ機を消灯するなどの措置をとるようになり、この傾向は3月末まで続いている。

 震災直後は、液晶ディスプレイやHDDなどの地震で壊れた機器やパーツを買いに来るユーザーが目立っていたが、関東地方で計画停電が実施されるようになった3月中旬には、乾電池やUPS(無停電電源装置)の需要が増大した。

 フェイス秋葉原本店は「UPSは、電源オフを前提としないサーバ用に大容量タイプを求められる法人さんや、NASやレコーダー用に1万円前後のモデルを買われる個人の方が多いです。3時間の停電をまかなう用途のものではないので、あくまで正規に電源を落とすためのアイテムということを説明しています。まあ、分かって買われていく方がほとんどですが」と語る。

 それ以外にも、携帯ラジオや懐中電灯などを急きょ取り寄せるショップも多かったが、充電池のエネループは比較的在庫が残っていた様子だ。パソコンハウス東映は「充電池は乾電池に比べて割高ということだと思います。もちろんチャージして繰り返し使えるので、使っているうちに経済的になりますけどね」と話していた。

 そうした傾向から、某ショップは「パニックになって買いに来るという人は少ない印象です。『あれば乾電池やLEDライトでも買っておこうかな』という程度でしょう。確実に欲しいと考えて買われるのはUPSくらいでしょうか。そういったものは事前に調べてから買われる人も多いですし、みなさん冷静だと思いました」とコメントを残す。

 1月から毎週日曜日に試験的に実施されてきた中央通りの歩行者天国も中止となり、前述のとおり、各ショップは照明を最小限に抑えて営業している。まだ元通りとはいえない状況ながら、少なくとも人通りは3月末までに復活していた。PCパーツショップには、Sandy Bridge系マザーを求める人が多く訪れるようになっているという。

og_akibam_006.jpgog_akibam_007.jpgog_akibam_008.jpg 液晶ディスプレイを消灯して営業しているツートップ秋葉原本店(写真=左)。3月中旬に見かけたTSUKUMO eX.前の張り紙。乾電池などの需要が増していることが伺える(写真=中央)。3月中旬、ドスパラ パーツ館はUSP販売コーナーを用意していた(写真=右)

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