NAS向け「WD Red」は自作PCにも向いているのか?暑いNAS、いや、夏だから! 省電力なHDD!!(2/3 ページ)

» 2012年08月21日 10時30分 公開
[長畑利博,ITmedia]

単体HDDとしての使い勝手は?

 性能検証では、WD Redの容量2Tバイトモデル「WD20EFRX」と、比較対象として、Western DigitalのHDDで人気モデルだったWD Greenの容量2Tバイトモデル「WD20EARX」を用意した。性能評価では、ストレージ系ベンチマークテストの標準となっている「CrystalDiskMark v3.0.1C」と、同じく「HD Tune Pro 5.00」、さらに、アプリケーションを動作して、実環境に近い性能を評価する「PCMark 7」の3種類を用いた。

 また、こうした性能評価のベンチマークテストに加えて、HDD単体の消費電力とHDDの動作温度を測定している。消費電力では、ACアダプタタイプのドライブ用補助電源「UD-ACDC100NS」に電力メーター「Watts Up? PRO power meter」を接続して消費電力の変化を測定している。また、温度に関しては、CrystalDiskInfoを利用して、起動して20分後をアイドル状態、PCMark 7終了後の温度を高負荷状態と扱っている。

 なお、接続設定はすべてAHCIモードで、マザーボード上のSerial ATA 6Gbps対応ポートに接続した。

テストに用いたシステム構成
CPU Core i7-2600K(3.4GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大3.8GHz)
マザーボード ASUS P8Z68M-PRO(Intel Z68 Express チップセット)
メモリ Corsair Memory CMX4GX3M2A1600C9 PC3-12800(DDR3 1600MHz DDR3 SDRAM 2Gバイト×2枚)
システムSSD RealSSD C300(容量64Gバイト)
OS 64ビット版 Windows 7 Ultimate SP1

CrystalDiskMark v3.0.1C

1000MB

WD Red(WD20EFRX)
WD Green(WD20EARX)

4000MB

WD Red(WD20EFRX)
WD Green(WD20EARX)

 CrystalDiskMark v3.0.1Cのテスト結果では、データ転送量1000Mバイトと同4000Mバイトともに傾向は同じだ。ここでは、4000Mバイトの結果で比較してみる。性能差が特に出ているのが、ランダムデータのシーケンシャルリードと同ライトのテストだ。WD Greenの「WD20EARX」におけるシーケンシャルリードが125.1Mバイト/秒、シーケンシャルライトが123.9Mバイト/秒なのに対して、WD Redの「WD20EFRX」は、シーケンシャルリードが154.3Mバイト/秒、シーケンシャルライトが153.4Mバイト/秒と大きく差を付けている。512Kバイトについても同様にリード・ライトともに性能はWD RedがWD Greenを上回る。

HD Tune Pro 5.00

64KB Read

WD Red(WD20EFRX)
WD Green(WD20EARX)

64KB Write

WD Red(WD20EFRX)
WD Green(WD20EARX)

8MB Read

WD Red(WD20EFRX)
WD Green(WD20EARX)

8MB Write

WD Red(WD20EFRX)
WD Green(WD20EARX)

ファイルベンチMixed

WD Red(WD20EFRX)
WD Green(WD20EARX)

ファイルベンチRandom

WD Red(WD20EFRX)
WD Green(WD20EARX)

ファイルベンチZero

WD Red(WD20EFRX)
WD Green(WD20EARX)

ランダムアクセスRead

WD Red(WD20EFRX)
WD Green(WD20EARX)

ランダムアクセスWrite

WD Red(WD20EFRX)
WD Green(WD20EARX)

 HD Tune Proは、これまで掲載してきたSSDのレビューで行っているテストと同じ項目を計測している。とはいえ、SSDがある現在では、HDDにおける4KB性能などを比較する意味はあまりないので、HDDの比較の参照となるBenchmarkを中心に比較する。HDDは記録媒体が円盤状なので、外周は内周より速く読み書きできる。Benchmarkの結果を示すグラフで、SSDのテストパターンと異なり、データの書き込み量が増えるにつれて、オレンジのラインが右肩下がりになっているのはそのためだ。こうした構造ゆえに、Trancefer rateの結果で、Minimum(最小)、Maximum(最大)、Average(平均)の差が大きくなっている。テスト結果自体はCrystalDiskMarkと同様、WD Redの結果が高い。

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HDD | NAS | 消費電力 | Western Digital | 省電力 | MTBF | ストレージ | 自作


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