性能検証では、WD Redの容量2Tバイトモデル「WD20EFRX」と、比較対象として、Western DigitalのHDDで人気モデルだったWD Greenの容量2Tバイトモデル「WD20EARX」を用意した。性能評価では、ストレージ系ベンチマークテストの標準となっている「CrystalDiskMark v3.0.1C」と、同じく「HD Tune Pro 5.00」、さらに、アプリケーションを動作して、実環境に近い性能を評価する「PCMark 7」の3種類を用いた。
また、こうした性能評価のベンチマークテストに加えて、HDD単体の消費電力とHDDの動作温度を測定している。消費電力では、ACアダプタタイプのドライブ用補助電源「UD-ACDC100NS」に電力メーター「Watts Up? PRO power meter」を接続して消費電力の変化を測定している。また、温度に関しては、CrystalDiskInfoを利用して、起動して20分後をアイドル状態、PCMark 7終了後の温度を高負荷状態と扱っている。
なお、接続設定はすべてAHCIモードで、マザーボード上のSerial ATA 6Gbps対応ポートに接続した。
テストに用いたシステム構成 | |
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CPU | Core i7-2600K(3.4GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大3.8GHz) |
マザーボード | ASUS P8Z68M-PRO(Intel Z68 Express チップセット) |
メモリ | Corsair Memory CMX4GX3M2A1600C9 PC3-12800(DDR3 1600MHz DDR3 SDRAM 2Gバイト×2枚) |
システムSSD | RealSSD C300(容量64Gバイト) |
OS | 64ビット版 Windows 7 Ultimate SP1 |
CrystalDiskMark v3.0.1Cのテスト結果では、データ転送量1000Mバイトと同4000Mバイトともに傾向は同じだ。ここでは、4000Mバイトの結果で比較してみる。性能差が特に出ているのが、ランダムデータのシーケンシャルリードと同ライトのテストだ。WD Greenの「WD20EARX」におけるシーケンシャルリードが125.1Mバイト/秒、シーケンシャルライトが123.9Mバイト/秒なのに対して、WD Redの「WD20EFRX」は、シーケンシャルリードが154.3Mバイト/秒、シーケンシャルライトが153.4Mバイト/秒と大きく差を付けている。512Kバイトについても同様にリード・ライトともに性能はWD RedがWD Greenを上回る。
HD Tune Proは、これまで掲載してきたSSDのレビューで行っているテストと同じ項目を計測している。とはいえ、SSDがある現在では、HDDにおける4KB性能などを比較する意味はあまりないので、HDDの比較の参照となるBenchmarkを中心に比較する。HDDは記録媒体が円盤状なので、外周は内周より速く読み書きできる。Benchmarkの結果を示すグラフで、SSDのテストパターンと異なり、データの書き込み量が増えるにつれて、オレンジのラインが右肩下がりになっているのはそのためだ。こうした構造ゆえに、Trancefer rateの結果で、Minimum(最小)、Maximum(最大)、Average(平均)の差が大きくなっている。テスト結果自体はCrystalDiskMarkと同様、WD Redの結果が高い。
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