←・ブランド一新、中身はどうだ?:「Xperia Tablet S」徹底検証(前編)――Sony Tabletからの進化を見極める
「Xperia Tablet S」は、ソニーが投入する2世代目のAndroidタブレットだ。先に掲載したレビュー前編では、主にハードウェアを見てきたが、Xperia Tablet Sはソニー独自のアプリケーションとサービス、機器連携も大きな魅力といえる。
例えば、ブランド名がSony TabletからXperia Tabletに変わったことに伴い、Xperiaスマートフォンとデザインやユーザーインタフェースの統一化を図っており、Xperiaスマートフォンのユーザーが自然にXperia Tablet Sを利用できるようにしているのは見逃せない。
また、Sony Reader、WALKMAN、nasneといったソニーの他製品や、それに付随するソニー独自のサービスとの連携も強化し、Xperia Tabletで利用するアプリにおいてもユーザーインタフェースの統合も進めていくという。今回のレビュー後編は、こうした部分を実際に試してみた。
ソニーの他製品との連携で目を引くのは、「Xperia Link」と呼ばれるテザリング機能だ。Xperia Tablet SはWi-Fiモデルのみの販売だが、Xperiaスマートフォンとワイヤレスで接続し、スマートフォン側の3G/LTE回線を利用することで、外出先でも手軽にインターネットへ接続できる。
最初にペアリングの設定を済ませておけば、Xperia Tablet Sのホーム画面に配置されるXperia Linkウィジェットの電波アイコンに触れるだけで、Bluetoothを経由してXperiaスマートフォンのテザリング機能が自動的にオンになる仕組みだ。ただし、タブレットとスマートフォンはBluetoothで通信を行うため、この機能を利用するには双方のBluetoothをオンにする必要がある。
初期設定も簡単で、Xperia Tablet SとXperiaスマートフォンで互いにXperia Linkのアプリを立ち上げ、Xperia Tablet Sの画面に表示されるQRコードにXperiaスマートフォンのカメラをかざせば、ペアリングが完了する(この際、互いのXperia Linkアプリを起動すると、自動的にBluetoothがオンになる)。Xperiaスマートフォン用のXperia Linkは、Google Playからダウンロード可能だ。
Wi-Fiモデルのタブレットを外出先で使った経験があるユーザーならば、この機能の利便性は容易に理解できるだろう。タブレットを使いながら、テザリングを利用するためにスマートフォン(あるいはモバイルルータなどでも同様だ)をポケットやバッグから取り出すのは、なかなか面倒なものだ。また、スマートフォンもタブレットもバッグに入っている状態のとき、タブレットに手が伸びない……といったことは少なからず経験しているのではないだろうか。
その原因の多くは、テザリング機能を利用するのに、ひと手間がかかるからだろう。その面倒を省いてくれるという点で、Xperia Linkはタブレットの機動力をスマートフォン並に引き上げる秀逸な機能といえる。
惜しむらくは、この機能が利用できるのはXperiaスマートフォンに限られることだ。残念ながら他社製のスマートフォンでは利用できない。動作保証外となるのは当たり前として、今後は代表的な他社製スマートフォンだけでも使えるような変更をしてもらえるとありがたい。
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