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» 2012年11月13日 12時00分 UPDATE

使い物になったのか! ならなかったのか! :【短期集中! Surface RT】2週間の旅で見えてきたもの (1/2)

米国で「Surface RT」こと「Surface with Windows RT」を購入してから2週間。いまも旅は続いている(実話!)。 欧州の旅で分かったSurface RTの実力とは。

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

バッテリー駆動時間は“突出せず”

 この欧州をめぐる旅は、残念ながら私用ではなく、技術イベントの取材を連続して行っている。連日取材と移動の繰り返しで、移動は、ほとんど鉄道、まれに飛行機という、“過去に北海道のテレビ局が放送していた番組の”ような過酷な日々が続いている。連日の移動中で頼みの綱となるべく購入したのが、Surface with Windows RT(以下、Surface RT)だ。

kn_surfacert03_01.jpgkn_surfacert03_02.jpg ニューヨークからミラノ、コモ、トリノ、リヨン、パリ、ダブリン、ロンドンと連日移動を続け、いま、帰国直前のパリでこの原稿を書いている

 Surface RTのみならず、「ARMを搭載したデバイスに導入できるWindows」の登場でユーザーが期待することの1つが「バッテリー駆動時間の長さ」だ。実際に旅の日々で使ったSurface RTは、10時間前後のバッテリー駆動時間を実現していた。これは、AndroidタブレットやiPadなどとほぼ同じで、インテルのAtom搭載デバイスよりわずかながら長い時間利用できる。10時間のバッテリー駆動時間といっても、外出先で常に使い続けているわけではない。朝に満充電で持ち出せば、実際の利用では「節約した」という意識なしに1日持つ。

 なお、無線LANしか持たないSurface RTなので、外出時のネットワーク接続は、別に用意したモバイル無線LANルータ代わりの「Nexus One」に、各国で入手したプリペイドSIMカードを差して使っていた。この、Nexus Oneのバッテリー駆動時間が連続接続で6時間ほどで、1日外出する場合には途中で切れてしまう。そのため、Surface RTとNexus OneをUSBケーブルで接続してNexus Oneを充電しながら使うことになるが、これでも、Surface RT(とNexus One)は外出時に終始利用できたほどだ。

 ただし、スリープ状態でもバックグラウンドで勝手に動作を始め、知らないうちに放電しているケースも多々確認している。今回の旅では、外出時に一度もSurface RTを使っていないのに、夜寝る前に確認するとバッテリーが68パーセントまで減っていたり、2日間Surface RTを放置していたら、バッテリーが4パーセントまで減ってしまい、バッテリーでは起動しなくなったりしている。

kn_surfacert03_03.jpgkn_surfacert03_04.jpg 欧州移動中はWindows 8が発売された直後で、リヨン、パリ、ロンドンといった大都市では宣伝の看板を街のいたるところで見た(写真=左)。リヨン〜パリ間はTGVで2時間ほどだ。固いテーブルが使えるTGVは、Surface RT(とType Cover)を快適に使える機会だ(写真=右)

“ラップトップ”PCになれないSurface RT

 文章入力における快適な作業環境を重視して、Surface RTに「Type Cover」を組み合わせた。キー入力は確かに快適だが、旅の移動中で使っているうちに意外と使える場所を選ぶことが分かってきた。本体をスタンドで立てていて、分離式で接続部が柔軟なキーボードと本体という構造ゆえに、机の上などの「固くて平坦な板状の場所」でないと、安定したキー入力ができなくなってしまう。それゆえ、ベッドの上にSurface RTを置いてType Coverで入力しようとすると、キーを打鍵したときに本体そのものが沈み込んでしまい、キーが入力されたりされなかったりと入力精度が悪くなる。膝の上は論外で、そもそもまともにSurface RTとType Coverの組み合わせを置いておくこともできない。

 2週間使った限り、「とっさにカバンから取り出してどこでも作業」といった用途にSurface RTはあまり向いていないことが分かってきた。ホテルの部屋やカフェ、乗り物のテーブルの上では快適に使えるが、街のベンチで膝の上において使う状況や、ソファやベッドといったやわらかい場所に置いてキー入力を伴う作業を行うのは無理だ。このあたり、ノートPCの利用感覚とは分けて考える必要がある。英語圏では、ノートPCを膝の上で作業できるデバイスという意味を込めて「ラップトップ」(Lap Top:膝の上)と呼んでいるが、、少なくともSurface RTはタブレットであって、ラップトップではない。

kn_surfacert03_05.jpgkn_surfacert03_06.jpg Type Coverでも、膝の上やクッションなど柔らかいものの上では安定せず誤入力が多い。固いテーブルの上で作業する必要がある(写真=)。Surface RTはタブレットであって、ラップトップ(ノートPC)ではない(写真=)

 また、国境を越えて移動するユーザーにとって、タイムゾーンの変更を「手動」で行わなければならないことも意外と手間に感じた。最近のスマートフォンでは、携帯基地局や位置情報から自動的にタイムゾーンを修正する機能を搭載している。これはMacも例外ではなく、Wi-Fiで位置検索を行い、設定しだいで自動的にタイムゾーンを修正する。しかし、Surface RTでは、この旅で6回発生したタイムゾーン変更のいずれでも手動で設定している。導入しているマップアプリでは無線LAN情報を参照して自動的に位置を取得できているにも関わらず、これをタイムゾーン変更に利用していないようだ。

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