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» 2013年02月07日 10時30分 UPDATE

わけの分からないパーツは扱わない:サイコムの工場で知る「イマドキの相性問題」 (1/2)

サイコムでBTOを選んでいると「以下のパーツとの組み合わせをお受けすることができません」と警告が出る。これは検証しているのかな? 雪の埼玉で現場に突入した。

[長浜和也,ITmedia]

サイコムのベテラン自作ユーザーが検証する「相性問題」

 サイコムのBTOモデルでは、幅広いパーツをユーザーに提供している。購入で、BTOのパーツ選択リストボックスから組み込むパーツを選んだとき、「以下のパーツとの組み合わせをお受けすることができません」といったメッセージを表示することがある。これは、サイコムが検証した、パーツカスタマイズで相性問題が発生する組み合わせで自動的にアラームを表示するシステムのおかげだ。

 BTOで多くの選択を用意する場合、それぞれのパーツに対して知識を有しているベテランのユーザーなら常識であっても、経験の少ないユーザー、そして、PC構成のカスタマイズに興味を持ち始めたユーザーには、この相性問題のチェックをする段階が1つのハードルとなってしまい、「やっぱり、全部組み込んであるノートPCでいいや」となってしまう。そこで、サイコムでは、ユーザーに分かりやすい自動アラームで知らせるシステムを導入したという。

 サイコムのマーケティングとWebページを担当している杉山茂氏によると、パーツ相性自動アラームの導入は2012年6月から始めたという。それ以前も、相性に問題があるパーツの組み合わせについてはWebページに文章とリストという形式で情報を提供していたが、BTOで選択できるパーツが増えるにつれて、リストと説明の量が多くなって分かりにくくなってきたため、ポップアップでアラートが自動で出る仕掛けを用意したと説明している。

kn_sycomfab_01.jpgkn_sycomfab_02.jpg サイコムのBTOでは、パーツカスタマイズ時の相性問題が発生する可能性のある組み合わせを選ぶと自動的にポップアップアラームを表示する

熟練の目と情報で検証する干渉問題

 サイコム プロダクトマネージャーの山田正太郎氏は、相性問題の多くが「物理的な干渉」と説明する。サイコムのBTOで選択できるPCパーツは、サイコム代表取締役社長の河野孝史氏や山田氏、そして、BTO PCの組み立てを担当するスタッフなど、普段からPCパーツの情報を収集している5人のメンバーが興味を持った製品を候補に挙げて検討する。

 サイコムでは、候補となったPCパーツをすぐに取り寄せて、まず、相性問題が起きないか検討作業に入るという。ここで最初に行うのが「すでに扱っているマザーボードやPCケースで物理的干渉を起こさないか」ということだ。マザーボードはサイコムで扱ってるATX、micro ATX、そして、Mini ITXの各フォームファクタそれぞれで主要なモデルにたいして、まずは目視によるチェックを行う。

kn_sycomfab_05.jpgkn_sycomfab_04.jpg サイコムでは、1台のBTO PCを1人のスタッフが組み立てる「セル方式」を取っている。組み立てミスが発生しないように、チェックリストや注意するポイントを確認しながら作業を進め(写真=左)、完成するとOSインストールと動作検証を行う(写真=右)。

kn_sycomfab_07.jpgkn_sycomfab_08.jpg BTOでユーザーが選んだパーツは、このヤードから組み立てスタッフがオーダーに従って持ってきてPCケースに組み込む

 山田氏によると、ATXやmicro ATXに対応するマザーボードやPCケースの多くでは、組み立てスタッフによる目視の段階で物理的な干渉が起こるかどうか分かるという。普段から数多く(1日に1人のスタッフが8〜10台の組み立てを行っている)のPCパーツを組み立てているスタッフだけに、干渉を起こしそうな組み合わせはすぐに分かるそうだ。

 しかし、Mini ITX準拠のマザーボードにPCケース、そして、ハイエンド思考でユニークなデザインを採用するクーラーユニットやグラフィックスカードの組み合わせなど、「微妙な場合」(山田氏)には、実際に組み合わせて干渉が発生するかどうかを確認することになる。目視段階でチェックが終わる場合、作業は1時間、長くても1日で終了するが、実際に組み込んで確認するようになると、数日、長いときには1〜2週間かかることもある。

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