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» 2013年06月07日 19時00分 UPDATE

スマホも続々11ac化、11ac+Bluetoothコンボも:Broadcom、“WICED”テーマの「第2世代5G WiFi」新チップ

Broadcomが802.11ac対応製品の戦略説明会を実施。2014年末には全出荷量の半数以上が11ac対応となると見込み、エントリー機器向け/スマホ向けの施策を積極推進。PC、タブレット向けも無線LAN+Bluetoothのコンボチップを投入する。

[岩城俊介,ITmedia]

スマホ/エントリー向け11acチップ、11ac+Bluetoothコンボチップを投入

 米Broadcomは6月7日、無線LAN新規格「802.11ac」──同社は5G WiFiと呼称し積極展開する新無線LAN関連製品の“第2世代チップ”とそのソリューションに関する製品説明会を実施。Broadcomのラフール・パテルモバイル&ワイヤレス担当副社長と同ワイヤレスコネクティビティコンボ/エンベデッドワイヤレス担当のジェフ・ベアーマーケティングディレクターが来日し、PCネットワーク/通信ネットワーク全般をカバーする製品群を持ち、全世界インターネット通信における99.98%が同社何らかの製品を通して行われているとする同社が現在推進する「WICED」(Wireless Internet Connectivity for Embedded Devices:どんな機器もワイヤレスでつながる)に関する今後の戦略を説明した。

photophoto Broadcomモバイル&ワイヤレス担当副社長のラフール・パテル氏と同ワイヤレスコネクティビティコンボ/エンベデッドワイヤレス担当マーケティングディレクターのジェフ・ベアー氏

 Broadcomは、2012年1月に第1世代の11ac対応チップ製品群を投入。日本においては2013年4月の電波法改正により国内での802.11acの使用が解禁され、Broadcom製チップを採用した個人向け製品も発売された。

 改めて5G WiFi(802.11ac)とは、広い利用チャネル幅を用いて「3倍高速」、既存のWi-Fi機器も併用可能(下位互換も維持)、11n比で「2倍のカバーエリア」、高速に通信を完結できるので「6倍省電力」とする点を特長とする。

photophoto 無線LAN搭載機器のうち11acは、2013年で半数以上、2015年で9割以上の機器が採用すると予測。また、インターネットトラフィックは2017年までに約13倍、その大半が動画再生シーンで占める。このため「より高速・大容量な802.11acが必然的に望まれる」
photophoto Broadcom製チップは、バッファロー製ルータ「WZR-1750DHP」、ASUS/デル製ノートPC、LGエレクトロニクス製テレビ、スマートフォン(HTC J One/GALAXY S4)、AQUOS PHONE ZETA SH-06Eなどが採用したとのこと。ちなみにNECのノートPC「LaVie L(LL850/MS)」も同社製802.11acチップを内蔵していた

 第2世代の5G WiFi製品群として投入するのは、スマートフォンを中心とするエントリー層向け機器までカバーする1×1 MIMO対応802.11acモジュール「BCM43162」(Windowsプラットフォーム向け)、同じくLTEとの共存を実現するAndroid(およびWindows Phone)搭載スマ−トデバイス向け「BCM4339」。フロントエンドとパワーアンプ(PA)+低ノイズアンプ(LNA)を統合した小型フォームファクタデザインを特長に、低消費電力化と全体的な部品コスト低減を実現する。

 1×1 MIMOでの11ac接続時により通信速度は最大433Mbps、さらに11n比でより広いカバーエリアを実現する点を特長とし、既存2.4GHz帯(11nなど)での速度を33%向上させるTurboQAM技術、受信感度を2デシベル改善する「Channel Smoothing WLAN PHY」などの独自機能、BCM4339はLTEとの共存を実現する点も強みとする。2013年6月現在サンプル出荷を開始、2013年後半に量産出荷となる予定。

 続いて2×2 MIMOでの11n対応モジュール「BCM4350」、および「BCM43556」「BCM43558」は、PCやスマートデバイスのほか、STB、AV機器などへの採用を見込む。802.11ac(および既存規格)の無線LANとBuetooth 4.0 LEとのコンボモジュールであること、そして2×2 MIMO対応にて最大866Mbpsでの通信が可能。より広いカバーエリアの実現、TurboQAM技術、Channel Smoothing WLAN PHYといった前述チップと共通する特長も備える。

 BCM4350はPCI ExpressおよびSDIO 3.0での接続をサポートし、バッテリー動作時間の延長を見込む低消費電力での動作モードを用意することで、特にWindowsおよびAndroid OSを搭載するPCやタブレットでの採用を推進する。BCM43556とBCM43558はUSB 3.0接続をサポートするクライアント向けチップ。Windows 8および7と完全な互換性を持ち、同じく11acベースのルータおよび11acを実装したAV機器とシームレスな相互運用性を確保する。同じく2013年後半に量産出荷となる予定。

photophotophoto 11ac無線LANとBluetooth 4.0 LEの1チップコンボ対応にて、どんな機器もワイヤレスでつながる・連係もできる──を意味する「WICED」を推進。PCやスマホなどのIT機器だけでなく、白物家電、クルマ関連、さらにはGoogle GrassやUP by Jawboneといったウエアラブルアクセサリやヘルスケア製品などともシームレスに接続・連係できるようにする利用シーンを提案する

 Bluetooth 4.0も搭載することで、今後は11ac Wi-Fiでの高速ワイヤレス通信はもちろん、Bluetooth 4.0 Low Energyによる低消費電力モード(最大1Mbps)で利用し、音声検索、オーディオストリーミング、ジェスチャーでのリモートコントロールといった使い方、さらにGoogle GlassやUP by Jawbonのようなウェアラブル機器、ヘルスケア製品などとの連携も想定される。

 「トップワイヤレスサプライヤーとして、家庭内、身の回りのあらゆるものをワイヤレス接続できるようにする。ちなみに、単につながる──だけでなく、それは“1つの機器から次の機器へ情報をシームレスに移せる”ことを重視した考え方であるのがポイント。2014年末には無線LANチップの全出荷数の半数が802.11ac対応になると見込んでいる」(Broadcomのジェフ・ベアーマーケティングディレクター)

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