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» 2013年07月05日 08時30分 UPDATE

紙のノートを卒業できる?:「VAIO Duo 13」徹底検証(中編)――新スライダーPCの画質、音質、ペン入力、キーボード、タッチパッドはいかに進化したか (2/5)

[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

VAIO Duo 13、VAIO Duo 11、VAIO Pro 13の画質を計測器で比較

 VAIO Duo 13の液晶ディスプレイをエックスライトのカラーキャリブレーションセンサー「i1Pro」で計測してみた(ソフトウェアは「i1Profiler」を使用)。参考までに、VAIO Duo 11、VAIO Pro 13(タッチパネル搭載の構成)でも計測し、結果を比較する。

 計測結果からガンマ補正カーブを抜き出したのが以下の画像だ。

tm_1306_duo13_r2_11.jpgtm_1306_duo13_r2_12.jpgtm_1306_duo13_r2_13.jpg i1Proの計測結果から抜き出したガンマ補正カーブ。VAIO Duo 13(画像=左)、VAIO Duo 11(画像=中央)、VAIO Pro 13(画像=右)のグラフ

 このグラフは映像信号の入力と出力の関係を示す。左下の0(白)から右上の255(黒)まで、R(赤)、G(緑)、B(青)の線が重なってリニアな直線を描いていれば、グレーバランスが自然で、階調の再現性が高い。RGBの各線がずれていると、本来の色と違う色がかぶったり、きれいなグラデーションが表示できなくなる。

 計測後のガンマ補正カーブを見ると、VAIO Duo 13とVAIO Pro 13が好結果だった。どちらも黒に近い非常に暗い領域は直線ではなく、中間調から明部にかけて青の線がわずかにずれているものの、それ以外はRGBの各線がほぼ重なってきれいな直線を描いている。全体としては自然な階調表現で、色かぶりの少ないニュートラルなグレーバランスだ。集光バックライトの調整は異なるが、基となる液晶パネルはほぼ同等と思われる。

 VAIO Duo 11については、入力と出力の関係が1:1の直線ではなく、暗部が持ち上がっている。これはi1Proの調整によって、暗部でRGBの入力に対して出力が弱いのを強める補正がなされていることを意味する。つまり、黒が浮かないよう、S字に近いガンマカーブとしており、階調再現性より映像コンテンツのコントラスト感を意識した画作りだ。

 次にi1Proで作成したICCプロファイルをMac OS XのColorSyncユーティリティで表示し、それぞれの色域を比べてみた。結果は以下の通りで、グラフ内で色がついた面積が広いほど、表示できる色の範囲が広いことを意味する。

tm_1306_duo13_r2_14.jpgtm_1306_duo13_r2_15.jpgtm_1306_duo13_r2_16.jpg 作成したICCプロファイルをMac OS XのColorSyncユーティリティで表示した。色がついている部分がそのディスプレイで再現できる色域、薄いグレーで重ねて表示してあるのはsRGBの色域だ。VAIO Duo 13(画像=左)、VAIO Duo 11(画像=中央)、VAIO Pro 13(画像=右)のグラフ

 VAIO Duo 13とVAIO Pro 13の傾向はほぼ同じだ。わずかにVAIO Duo 13のほうが広いが、いずれもsRGBの色域をほぼカバーしており、緑から黄にかけてと青については、sRGBの色域を超えている。みずみずしい緑や深い青の表現が可能だ。全体的には、WindowsやWebコンテンツで業界標準となっているsRGBに近い色再現性なので、写真や動画の閲覧、編集といった用途にも使いやすいだろう。

 一方、VAIO Duo 11の色域はsRGBに比べてかなり狭く、デジタルカメラで撮影したsRGBプロファイルの画像表示や高彩度の色を表現するには少し力不足といえる。

 なお、色温度の計測値は、VAIO Duo 13が6631K、VAIO Duo 11が6697K、VAIO Pro 13が6318Kだった。いずれも標準的な値(sRGB規格では6500K)に近く、不満はない。

 このようにカラーキャリブレーションセンサーで計測してみても、VAIO Duo 13の表示品質は高いという結果が得られた。

サウンドクオリティもVAIO夏モデル随一のこだわり

tm_1306_duo13_r2_17.jpg ソニーが提供するVAIO Duo 13の内部構造写真。薄型化と軽量化を追求しながら、前面に「S-Master」対応のステレオスピーカーも内蔵した

 VAIO Duo 13は多彩な機能を搭載しながら、ステレオスピーカーとデュアルマイクを内蔵し、音楽の高音質再生にも注力している。2013年夏モデルのVAIOでは最も多くの高音質化技術を盛り込んでいるのだ。

 まずはソニーのAV機器などで定評のあるフルデジタルアンプ技術「S-Master」を採用。DSPから伝送されたデジタル信号をデジタルのまま増幅することで、音質の劣化を抑えた原音に忠実な再生を目指している(スピーカー利用時のみ適用)。

 また、内蔵スピーカー特性の最適化により自然な再生音や明瞭な音像定位を実現する「CLEAR PHASE」、内蔵スピーカーで仮想サラウンド空間を再現する「S-FORCE Front Surround 3D」、内蔵スピーカーでひずみなく音圧を強める「xLOUD」、映像コンテンツ視聴時に人が話す音声だけを調整できる「Voice Zoom」、小さい音量でも臨場感あるサウンドを保つ「Sound Optimizer」など、モバイルPCの枠を超えた充実ぶりだ。

 「VAIOの設定」ユーティリティには、ソニーおすすめの音質に設定できる「Clear Audio+」モードも用意されており、音楽、映画それぞれに最適な音質で楽しめる。

tm_1306_duo13_r2_18.jpgtm_1306_duo13_r2_19.jpgtm_1306_duo13_r2_20.jpg 「VAIOの設定」の「音質」メニューでは、「サウンド効果」として2つの「Clear Audio+」モード、2つのカスタム設定、音響効果オフが選べる(画像=左)。「詳細」ボタンを押すと「VAIOオーディオユーティリティ」が起動し、2つのカスタム設定ではスピーカー利用時とヘッドフォン利用時でそれぞれ細かくイコライザーの調整が可能だ(画像=中央/右)

 実際に音楽や動画を再生してみると、薄型ボディに内蔵した小型スピーカーとしてはかなり音量を上げることができ、最大音量でも音が割れたりせず、自然なサウンドが味わえた。Clear Audio+を利用すれば、再生する音楽ジャンルや好みに応じてかなり柔軟にバランスを変えることも可能だ。13型クラスのUltrabookやコンバーチブルPCでは、音質面の完成度も高いといえる。

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