←・連載 第1回:初心者だってNASがしたい! でも何を買えばいいの……
TS-220のパッケージには、イーサネットケーブル、ACアダプタ、クィックインストレーションガイド、そしてHDD取付けネジが2.5インチ用に6本、3.5インチ用に8本付属する。つまり、基本的にはHDDさえ購入すれば使用できるようになっている。
TS-220に合わせてHDDも別途購入する場合は、QNAPの互換性リストを確認し、動作が確認されているものを選ぶ。TS-220のインタフェースはSATA II(3Gbps)だが、SATA III(6Gbps)も利用可能だ。
シーゲイトなど、2Tバイトで7000円台といった安価なものもあるが、信頼性を求めるのであればウエスタンデジタルのNAS用HDD「WD Red」シリーズ(WD10EFRX、WD20EFRX、WD30EFRX)もよい選択だろう。
HDDを選定する際には容量も検討する必要がある。もちろん「なるべく多く」というのは、容量当たりの単価が安くなるという観点からも有効な選び方だが、必要な容量が見積もれるようであれば、身の丈にあった容量を選ぶのもトータルの出費を抑えるうえで意味がある。
その際にもう1つ検討すべきなのがRAIDの構成だ。TS-220はベイ数2であり、単純に1ドライブ1ボリュームとなるシングルディスク、2ドライブをまとめて1つのボリュームとして扱うJBOD、同時に2ドライブに分散アクセスして高速化するRAID 0、同じ内容を2ドライブに書き込むRAID 1を選択できる。
ただし、上で挙げた選択可能な構成のうち、RAID 1だけはHDDの全容量の半分(ドライブが同一容量だった場合)しか利用できない。だが、RAID 1にはそれを補って十分なメリットもある。
シングルディスクでは1台が故障した場合、当然そのディスクに書き込まれたデータは失われてしまう。JBODやRAID 0だと1台故障するだけですべてのデータが失われる。つまり、「2台あるうちの1台が故障しただけで」データがロストすることを考えると、全体では1台あたりの故障率よりもはるかに大きくなってしまう。
逆にRAID 1の場合は1台あたりの故障率よりはるかに小さくなる。1台が故障してもデータ損失を回避できるうえに、NASの利用を続けたままHDDを交換して容量を増やしていくことができるため、ここではRAID 1をお勧めしたい。
また、初期投資は抑えてスタートし、次のボーナスで最終形態にアップグレードさせたい、というやり方もある。
例えば、既存のHDDを1台のみTS-220に装着し、シングルディスクで運用する。その後、新規でHDDを1台購入し、2台でRAID 1に変換する。もし既存のHDDの容量が小さかった場合にはさらにもう1台購入して元のHDDと交換して、容量を増加させる。
2台以上HDDが余っている場合には、最初からRAID 1を組んでもよい。異なる容量であってもRAID 1が構成できるのも強みだが、RAID 1の別称である「ミラーリング」が指す通り、同じデータを同時に両方のディスクに書き込むため、利用可能な容量は小さいほうに制限される。
TS-220も届いた、HDDもそろえた。それではいよいよ準備に取りかかろう。セットアップは「http://start.qmail.com/」から行う。デフォルトでは英語ページだが、右上の言語選択で日本語ページに切り替えられるので安心だ。
最近のTurboNASは、「Cloud Installation」をサポートしており、Webブラウザから簡単にセットアップができるようになっている。本体上部にCloud Keyが書かれたシールが張ってある場合はCloud Installation対応機種なので、先にHDDの装着とネットワークケーブルの接続、電源投入を済ませてから「Cloud Installation」をクリックする。非対応機種の場合は「今すぐスタート」をクリックし、画面に従ってQfinderから設定を行っていけばよい。
TS-220をはじめ、ほとんどのTurboNASはHDDベイがトレイ式になっている。まずHDDをトレイに装着し、それからトレイを本体に挿入する。ホットスワップに対応しており、通電中の挿抜も可能だが、HDDへのアクセス中に抜くのはデータ破損につながるので気をつけてほしい。
HDDがセットできたらLANケーブルを接続し、電源を投入して設定を始めよう。
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