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「HP EliteBook 820 G1 Notebook PC」――“お仕事マシン”を追求した12.5型ノートPC注目PCレビュー(2/2 ページ)

» 2014年02月10日 21時27分 公開
[後藤治(撮影:矢野渉),ITmedia]
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実力テスト:Core i7と高速SSDで十分すぎる性能を実現

Windows 7のエクスペリエンスインデックス

 ここからは各種ベンチマークテストで性能を見ていく。前述の通り、評価機のスペックはCPUをCore i7-4600U(2.1GHz/最大3.3GHz)にグレードアップし、ストレージも320GバイトSSDから256GバイトSSDに変更されている。なお、メモリ容量はベースモデルの4Gバイトのままで、OSは32ビット版Windows 7 Professionalだ。

 さて、Windows 7のエクスペリエンスインデックスのスコアは、プロセッサが7.1、メモリが5.5、グラフィックスが5、ゲーム用グラフィックスが6.5、プライマリハードディスクが7.9となった。強化されているCPUとSSDが非常に高いスコアを出している半面、4Gバイトモジュールのシングルチャンネルとなっているメモリスコアが低い。予算が許せば64ビット版Windows 7 Professionalに変更し、メモリを8Gバイトに増量したいところだ(+1万2600円)。

 CPU処理性能を測るCINEBENCH R11.5のCPUスコアは2.69ptと、TDPが15ワット低電圧版CPUであることを考えてもやや低い印象。一方、PCの全体的なパフォーマンスを測るPCMark 7は、総合スコアが3639と、ストレージ性能の高さが貢献してまずまずの成績となった。OSやアプリケーションの起動もきびきびとしており、総じてオフィスワークには十分な性能といえる。ちなみに、評価機に搭載されていたSSDはSAMSUNG製「MZ7PD256HAFV」。高速SSDとして知られる「Samsung SSD 840 PRO」シリーズだった。

 一方、3D描画性能は、CPU統合グラフィックスのIntel HD 4400を利用するため、可もなく不可もなくといったところで、特に目を引く部分はない。本機で想定されるビジネスモバイルとしての用途からは外れるので、この辺りは気にしなくていいだろう。なお、高負荷なベンチマークテスト実行中も、耳触りなファンの音がするといったことはなかった。

PCMark 7(画面=右)と3DMarkの結果(画面=右)

まとめ:スペックでは見えてこない品質や信頼性を重視するなら

 HP EliteBook 820 G1 Notebook PCの特徴は、屋外へ持ち歩くことを想定したビジネスPCとしての土台の部分――過酷な環境テストに裏付けられる堅牢性や信頼性、ユーザーの仕事を中断させない独自ツールとセキュリティ機能――をきっちりと作り上げたうえで、ビジネスに必要十分な性能を12.5型サイズのボディにまとめている点だ。

 こうした部分は、分かりやすいスペック項目やベンチマークによるスコアでは見えづらいため、単なる(少し高めの)平凡なモバイルノートPCとして受け止められてしまう可能性もあるが、それは誤解だとはっきり断言できる。もしあなたがビジネスノートPCに何よりも堅牢性や信頼性を求めるのなら、HP EliteBook 820 G1 Notebook PCは真っ先に検討したい1台といえる。

 なお、評価機の構成(執筆時点)だと、直販のHP Directplus価格はほぼ20万円になるが、同社によると近ごろ超大特価キャンペーンを企画しており、それによれば、EliteBook 820 G1のベースモデルからストレージを32GバイトSSD(キャッシュ)+320Gバイトの構成に強化したモデルが10万円を切る価格になるらしいとのこと(ベースモデルが14万4900円なので、単純に考えて5万円以上の値引きになる!?)。CPUはCore i5のままだが、キャッシュSSDの採用でISRT(Intel Smart Response Technology)による高速起動を実現しているのがポイント。2月20日ごろを予定しているとのことなので、キャンペーンを見逃さないようにチェックしてほしい。

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