バランス型のスペックが光る専用キーボード付きWindows 8.1タブレット──「Lenovo Miix 2 11」注目PCレビュー(3/3 ページ)

» 2014年05月23日 15時16分 公開
[鈴木雅暢,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

総合性能の検証

 FutureMarkのPCMark7は、実際のアプリケーションを使ってPCの用途全般をシミュレートするベンチマークテストだ。Webブラウズやテキスト編集といったライトな処理から、写真の加工、動画エンコード、3D描画処理などまんべんなく行い、総合スコア(PCMark score)はPCの総合的な性能のおおまかな目安になる。

 Miix 2 11の総合スコアは、Venue 11 Proの87%、XPS11の83%に相当し、なかなか良好なスコアといえる。System Storage Score、Raw System Storage Scoreで示されるストレージ性能も高い水準にある。電源プランの違いは全体的に高パフォーマンスが良いが、差は微妙だ。ストレージ性能が良くなる分が作用している点はあるだろう。

PCMark7

3D描画性能の検証

 3DMarkはFuturemarkのベンチマークテストで、3D描画性能を見るテストだ。Ice Stormはモバイル機器(スマートフォン、タブレット)向けで、IceStorm Extremeでは高解像度表示(1920×1080ドット)でのテストが行なわれる。Cloud GateがメインストリームPC(CPU内蔵GPUシステム)向けとされており、FireStrikeはゲーミングPC(ビデオカード搭載システム)向けの描画負荷の高いテストだ。

 IcesStorm ExtremeのスコアはVenue Pro 11の61%相当、Cloud Gateでは66%相当と、いずれも差は大きかった。もっとも、Venue Pro 11とXPS 11の差は少なく(Ice Storm Extremeでは逆転)、やはりこれもタブレットとしてはVenue 11 Proのスコアが良すぎるのかもしれない。なお、電源プラン変更は理由は分からないが、逆効果になることが多かった。

 FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編のスコアは、標準品質でもプレイできる水準には遠い。電源プランによる違いもなかった。

3DMarkのIce Storm(写真=左)とIcesStorm Extreme(写真=右)

3DMarkのCloud Gate(写真=左)とFire Strike(写真=右)

FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編

バッテリー駆動時間と発熱のテスト結果

 bbench 1.01によるバッテリー駆動時間の計測は電源プラン「バランス」で行なった。バッテリー駆動時のディスプレイの輝度はどちらも40%だ。残り5分で休止状態に入るまでに、8時間43分と公称の値を上回る時間動作した。

 ファンレスではないが、動作音は非常に静かだ。低負荷時は耳を排気口の部分まで近づけないと聞こえない。高負荷時も耳から10センチほど離れた位置だと、強く意識して聞こえるかどうかというくらいだ。

 排気口の側、画面側のLenovoロゴのちょうど裏あたりを中心にボディ左側に発熱がある。横位置でホールドするときの左手の位置にもはっきりと伝わってくる。手に持ってゲームなどをする場合は少し気になる。

CPUID HW Monitorで確認したバッテリー容量は、設計上の容量を示すDesigned Capacityが約36.6Wh、満充電容量を示すFull Charge Capacityが約37.5Whだった

バランス型タブレットとして魅力的な選択肢

 最後に、CINEBENCH R11.5、PCMark7、3DMark/Cloud Gateの3つのテストのスコア(電源プラン:バランス)について、Core i5-4200U搭載の標準的なUltrabook(HP Elite Revolve)のスコアを100とした場合の相対値を算出してみた。ここではAtom Z3770を搭載した富士通のARROWS Tab QH55/Mの値も加えている。

 その相対値はご覧のとおりであるが、PCMark7で72、CINEBENCHや3DMarkなどの負荷の高い処理で45前後というのは悪くないパフォーマンスだろう。CINEBENCHでAtom Z3770に負けているのは意外だが、タブレットでやるような処理でもない。PCMark7では圧勝しており、日常操作の軽快さでも上回る。

HP Elite Revolveのスコアを100とした場合の相対値

 800グラムという軽さ、フルHD表示のIPS液晶ディスプレイ、実測8時間以上のバッテリー駆動時間、そしてハイレベルの静音性と合わせて、うまくまとまっている。これまでにあまりなかったバランス型のタブレットとして魅力的な選択肢といえるのではないだろうか。もちろん、高音質スピーカーを内蔵するキーボードドックが付属し、ノートPCのような使い方もカバーできる点も見逃せない。

 直販モデルの価格は、Microsoft Office Home and Business 2013が付属して12万3206円となっている。安いとはいえない価格だが、キーボードドックを1万5000〜7000円ぐらいの価値と見積もると、理解できる価格だろう。これからWindows 8.1タブレットや2in1デバイスの購入を検討しているユーザーにとっては注目の製品だ。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月26日 更新
最新トピックスPR

過去記事カレンダー