ベンチマークテストでパフォーマンスを確認しよう。
評価機のスペックをあらためて記載すると、CPUはCore i7-6700HQ(2.6GHz/最大3.5GHz、4コア/8スレッド、2次キャッシュメモリ6MB)、メモリは16GB(デュアルチャンネル)、ストレージは512GB SSD(PCI Express接続)だ。グラフィックス機能はNVIDIA GeForce GTX 960M(2GB)とCPU内蔵GPU(Intel HD Graphics 530)のハイブリッド、OSが64bit版Windows 10 Pro(1511)という内容だ。参考までにXPS 13のスコアも併記した。
クアッドコアCPUのパワーは、CINEBENCH R15の結果でてきめんに表れている。マルチスレッドテストのCPUスコアは678と、New XPS 13に対して2倍以上のスコアをマークした。シングルスレットテストのCPU(シングルコア)でもNew XPS 13を17%上回るスコアだ。
CINEBENCH R15 | ||
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製品名 | XPS 15 | XPS 13 |
Open GL(fps) | 45.85 | 35.77 |
リファレンスマッチ | 99.60% | 97.90% |
CPU(cb) | 678 | 320 |
CPU(シングルコア、cb) | 148 | 126 |
SSDのパフォーマンスはCrystalDiskMarkでテストした。New XPS 15が搭載していたSSDは、New XPS 13と同じブランドのモデルだが、容量が512GBに増えているためか、シーケンシャルリード、シーケンシャルライトともスコアは向上している。PCI Express 3.0 x4対応SSDとしては高速な部類ではないが、それでもシーケンシャルリードのスコアはSerial ATA 6Gb/s SSDの3倍以上に相当する。
CrystalDiskMark 5.0.3 | ||
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製品名 | XPS 15 | XPS 13 |
SSD/HDD型番 | Samsung PM951 NVMe | Samsung PM951 NVMe |
Sequantial Read(Q32 T1) | 1729 | 1555 |
Sequantial Write(Q32 T1) | 595.8 | 310 |
4K Read(Q32 T1) | 504.1 | 462.6 |
4K Write(Q32 T1) | 403.8 | 312.6 |
Sequantial Read | 1233 | 1170 |
Sequantial Write | 595.8 | 310 |
4K Read | 37.78 | 43.78 |
4K Write | 173.3 | 153.9 |
3D描画性能も優秀だ。3DMark/FireStrikeのスコアはNew XPS 13の約4.6倍。FINAL FANTASY XIV:蒼天のイシュガルドベンチマークも、DirectX 11モードの1920×1080ピクセル解像度でも「非常に快適」評価のスコアをマークしている。
3DMark 1.5.915 | ||
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製品名 | XPS 15 | XPS 13 |
ICE Storm Unlimited | 117711 | 66605 |
Graphics Score | 215025 | 80299 |
Physics Score | 45554 | 41711 |
Cloud Gate | 16055 | 6104 |
Graphics Score | 27742 | 7709 |
Physics Score | 6489 | 3531 |
Sky Diver | 12979 | 3777 |
Graphics Score | 14186 | 3617 |
Physics Score | 8539 | 4970 |
Combined Score | 15133 | 3678 |
FireStrike | 4004 | 877 |
Graphics Score | 4323 | 939 |
Physics Score | 9046 | 5008 |
Combined Score | 1676 | 321 |
FINAL FANTASY XIV:蒼天のイシュガルド | ||
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製品名 | XPS 15 | XPS 13 |
最高品質(ノートPC)/1920×1080(DX11) | 4311(快適) | − |
高品質(ノートPC)/1920×1080(DX11) | 6270(とても快適) | − |
標準品質(ノートPC)/1920×1080(DX11) | 9535(非常に快適) | − |
標準品質(ノートPC)/1280×720(DX11) | 14559(非常に快適) | 3267(やや快適) |
標準品質(ノートPC)/1280×720(DX9) | 15780(非常に快適) | 5018(とても快適) |
ブラウザベースのテストであるWebXPRT 2015のスコアは、デフォルト設定では総合スコアがNew XPS 13とほぼ同じだったが、NVIDIA GPUを手動で指定すると、かなり高速化することが確認できた。
WebXPRT 2015(Edgeブラウザで実行) | |||
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製品名 | XPS 15 (NVIDIA指定) | XPS 15 | XPS 13 |
Overall Score | 499 | 448 | 442 |
Photo Enhancement(ms) | 270 | 336 | 275 |
Organize Album(ms) | 1810 | 1908 | 2040 |
Stock Option Pricing(ms) | 236 | 237 | 245 |
Local Notes(ms) | 105 | 142 | 130 |
Sales Graphs(ms) | 447 | 508 | 489 |
Explore DNA Sequencing(ms) | 1478 | 1406 | 1900 |
公称のバッテリー容量は84ワットアワーで、公称バッテリー駆動時間は約10時間とされている。バッテリーレポートコマンドで見たバッテリー容量は、デザイン容量、フルチャージ容量ともに83.995ワットアワーとほぼ公称値通りだった。
バッテリー駆動時間はBBench 1.01を使って計測した。設定は無線LANで常時接続、60秒間隔でのWebサイト訪問、10秒間隔でのテキスト入力としている。Windows 10の電源プランは「バランス」で、バッテリー駆動時のディスプレイの輝度は40%で固定した。
この条件でのテスト結果は、バッテリー満充電から残量5%になるまで6時間10分動作した。公称値とはかなり差があるものの、ディスプレイ輝度は40%の設定でもかなり明るいので、常時接続環境で実用的なバッテリー駆動時間はクリアしていると言える。公称値とBBenchでの実測時間に開きがあるのは、Skylake搭載機に共通する傾向だ。
動作音に関しては、低負荷時は静かな部屋でやっと分かるレベルだが、高負荷時はそれなりに動作音が大きくなる。しかし、これだけの薄型ボディにクアッドコアと外部GPUを搭載しているということを考えると、健闘していると言える。。
動作時の騒音(ボディ手前から5センチ、暗騒音30dB、室温20度) | |
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製品名 | XPS 15 |
アイドル | 30.8 |
低負荷/Web YouTube再生 | 33.8 |
3DMark/Strike(3回) | 42.8 |
CINEBENCH R15/CPU(2回) | 42.1 |
発熱については、底面の中央付近が中心だ。キーボードは少し温度が高くなるが、手が長く触れているパームレストにはほとんど熱が伝わってこない。さすがにNew XPS 13並とはいかないが、優秀な静音性と放熱性能と言える。
動作時の発熱(3DMark/FireStrikeを3回実行した直後のボディ表面温度、室温21度) | |
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製品名 | XPS 15 |
キーボード左 | 33 |
キーボード右 | 34 |
パームレスト左 | 27 |
パームレスト右 | 27.5 |
底部左 | 38 |
底部右 | 37.5 |
New XPS 15の価値は、現時点で考えられる最高の技術を投入して15型クラスのフォームファクタのノートPCを作ったことにある。
クアッドコアCPU、外部GPU、NVMe対応PCI Express SSD、Thunderbolt 3/USB 3.1 Type-C、4K対応の広色域ディスプレイといった最先端のスペックを、質感、剛性に優れたハイクオリティな薄型軽量ボディに収め、さらに狭額縁デザインという他にはない付加価値まで加えている。そこに出し惜しみは一切感じられない。
13型クラスやそれ以下のフォームファクタでは高度な技術が投入され、デザインにも優れた魅力的な製品が多数ある一方で、それより大きなフォームファクタとなると途端にコストへの意識が目立つようになり、大画面、高性能とハイクオリティを兼ね備えた製品がこれまでほとんど存在しなかっただけに、News XPS 15は魅力的に映る。
デルの直販サイトでの標準価格は、プラチナモデルが24万9980円、スタンダートモデルは16万9980円(いずれも税別)だ。高価ではあるが、スペック、付加価値を考えれば、決して高すぎるということはない。実際、販売はかなり好調な様子だが、今回レビューした結果からも、それは当然だろう。
今回テストしたNew XPS 15の仕様 | |
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製品名 | New XPS 15 |
メーカー | デル |
OS | 64ビット版Windows 10 Home |
本体サイズ(幅×高さ×厚さ) | 約357×235×11〜17ミリ |
重量(実測値) | 約2キログラム(2022グラム) |
画面サイズ(液晶方式) | 15.6型ワイド |
アスペクト比 | 16:9 |
タッチパネル | 静電容量式 |
デジタイザ | ─ |
ディスプレイ解像度 | 3840×2160ドット(約282ppi) |
CPU(コア数/スレッド数) | Core i7-6700HQ(4/8) |
動作周波数(最大) | 2.6GHz(3.5GHz) |
チップセット | CPU内蔵 |
vPro | ─ |
GPU | "Intel HD Graphics 530 NVIDIA GeForce GTX960M(2GB)" |
メモリ | 16Gバイト DDR4-2133 |
メモリチャンネル数 | デュアルチャンネル |
メモリスロット(空きスロット数) | 2(0) |
ストレージ(評価機実装) | 512GB(SAMSUNG PM951 NVMe) |
ストレージフォームファクタ | M.2 |
ストレージ接続インタフェース | PCI Express 3.0(レーン数不明) |
光学ドライブ | ─ |
無線LAN | IEEE802.11a/b/g/n/ac(Dell Wireless 1830) |
Bluetooth | Bluetooth v4.1 |
NFC | ─ |
センサー | ─ |
有線LAN | ─ |
ワイヤレスWAN | ─ |
キーボード | 日本語 |
キートップ仕様・形状 | アイソレーション |
キーピッチ | 横実測19×縦実測約18ミリ |
キーストローク | 1.3ミリ |
ポインティングデバイス | クリックパッド(高精度タッチパッド) |
主なインタフェース | Thunderbolt 3(USB 3.1Type-C兼用)、USB 3.0×2、HDMI出力、ヘッドフォン/マイク兼用端子(3.5ミリ)、Webカメラ(フロント720p) |
メモリカードスロット | SDメモリーカード(SDXC対応) |
SIMカードスロット | ─ |
その他カードスロット | ─ |
スピーカー(音質補正ソフトウェア) | ステレオ(Waves MAXX Audio Pro) |
マイク | モノラル |
指紋センサー | ─ |
セキュリティチップ | 搭載(TCG 1.2準拠) |
セキュリティロックポート | ─ |
バッテリー動作時間 | 約10時間 |
バッテリー仕様 | 84Wh |
ACアダプタ実測サイズ | 65×143×22ミリ(幅×奥行き×高さ)突起部のぞく |
ACアダプタ実測重量(本体のみ/ケーブル込み) | 337グラム/434グラム |
ACアダプタ出力仕様 | 19.5ボルト/6.67アンペア |
ACアダプタ対応電圧 | 100〜240ボルト(50/60Hz) |
DC端子形状 | 独自形状(丸形) |
プラグケーブル端子形状(ACアダプタ側) | 3ピン |
防水/防滴 | ─ |
カラーバリエーション | シルバー、ゴールド |
オフィススイート | BTO対応 |
価格 | 24万9980円 |
発売日 | 2015年10月20日 |
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