「New XPS 15」徹底検証 豪華スペックの4K狭額縁ノートPCがスゴいSkylake-H×GTX 960M×Adobe RGB 4K液晶(5/5 ページ)

» 2016年01月22日 06時00分 公開
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クアッドコア+外部GPUならではのパワフルなパフォーマンス

 ベンチマークテストでパフォーマンスを確認しよう。

 評価機のスペックをあらためて記載すると、CPUはCore i7-6700HQ(2.6GHz/最大3.5GHz、4コア/8スレッド、2次キャッシュメモリ6MB)、メモリは16GB(デュアルチャンネル)、ストレージは512GB SSD(PCI Express接続)だ。グラフィックス機能はNVIDIA GeForce GTX 960M(2GB)とCPU内蔵GPU(Intel HD Graphics 530)のハイブリッド、OSが64bit版Windows 10 Pro(1511)という内容だ。参考までにXPS 13のスコアも併記した。

 クアッドコアCPUのパワーは、CINEBENCH R15の結果でてきめんに表れている。マルチスレッドテストのCPUスコアは678と、New XPS 13に対して2倍以上のスコアをマークした。シングルスレットテストのCPU(シングルコア)でもNew XPS 13を17%上回るスコアだ。

CINEBENCH R15
製品名 XPS 15 XPS 13
Open GL(fps) 45.85 35.77
リファレンスマッチ 99.60% 97.90%
CPU(cb) 678 320
CPU(シングルコア、cb) 148 126

 SSDのパフォーマンスはCrystalDiskMarkでテストした。New XPS 15が搭載していたSSDは、New XPS 13と同じブランドのモデルだが、容量が512GBに増えているためか、シーケンシャルリード、シーケンシャルライトともスコアは向上している。PCI Express 3.0 x4対応SSDとしては高速な部類ではないが、それでもシーケンシャルリードのスコアはSerial ATA 6Gb/s SSDの3倍以上に相当する。

CrystalDiskMark 5.0.3
製品名 XPS 15 XPS 13
SSD/HDD型番 Samsung PM951 NVMe Samsung PM951 NVMe
Sequantial Read(Q32 T1) 1729 1555
Sequantial Write(Q32 T1) 595.8 310
4K Read(Q32 T1) 504.1 462.6
4K Write(Q32 T1) 403.8 312.6
Sequantial Read 1233 1170
Sequantial Write 595.8 310
4K Read 37.78 43.78
4K Write 173.3 153.9

 3D描画性能も優秀だ。3DMark/FireStrikeのスコアはNew XPS 13の約4.6倍。FINAL FANTASY XIV:蒼天のイシュガルドベンチマークも、DirectX 11モードの1920×1080ピクセル解像度でも「非常に快適」評価のスコアをマークしている。

3DMark 1.5.915
製品名 XPS 15 XPS 13
ICE Storm Unlimited 117711 66605
Graphics Score 215025 80299
Physics Score 45554 41711
Cloud Gate 16055 6104
Graphics Score 27742 7709
Physics Score 6489 3531
Sky Diver 12979 3777
Graphics Score 14186 3617
Physics Score 8539 4970
Combined Score 15133 3678
FireStrike 4004 877
Graphics Score 4323 939
Physics Score 9046 5008
Combined Score 1676 321


FINAL FANTASY XIV:蒼天のイシュガルド
製品名 XPS 15 XPS 13
最高品質(ノートPC)/1920×1080(DX11) 4311(快適)
高品質(ノートPC)/1920×1080(DX11) 6270(とても快適)
標準品質(ノートPC)/1920×1080(DX11) 9535(非常に快適)
標準品質(ノートPC)/1280×720(DX11) 14559(非常に快適) 3267(やや快適)
標準品質(ノートPC)/1280×720(DX9) 15780(非常に快適) 5018(とても快適)

 ブラウザベースのテストであるWebXPRT 2015のスコアは、デフォルト設定では総合スコアがNew XPS 13とほぼ同じだったが、NVIDIA GPUを手動で指定すると、かなり高速化することが確認できた。

WebXPRT 2015(Edgeブラウザで実行)
製品名 XPS 15 (NVIDIA指定) XPS 15 XPS 13
Overall Score 499 448 442
Photo Enhancement(ms) 270 336 275
Organize Album(ms) 1810 1908 2040
Stock Option Pricing(ms) 236 237 245
Local Notes(ms) 105 142 130
Sales Graphs(ms) 447 508 489
Explore DNA Sequencing(ms) 1478 1406 1900

バッテリーは実測6時間超、静音性も優秀

 公称のバッテリー容量は84ワットアワーで、公称バッテリー駆動時間は約10時間とされている。バッテリーレポートコマンドで見たバッテリー容量は、デザイン容量、フルチャージ容量ともに83.995ワットアワーとほぼ公称値通りだった。

 バッテリー駆動時間はBBench 1.01を使って計測した。設定は無線LANで常時接続、60秒間隔でのWebサイト訪問、10秒間隔でのテキスト入力としている。Windows 10の電源プランは「バランス」で、バッテリー駆動時のディスプレイの輝度は40%で固定した。

 この条件でのテスト結果は、バッテリー満充電から残量5%になるまで6時間10分動作した。公称値とはかなり差があるものの、ディスプレイ輝度は40%の設定でもかなり明るいので、常時接続環境で実用的なバッテリー駆動時間はクリアしていると言える。公称値とBBenchでの実測時間に開きがあるのは、Skylake搭載機に共通する傾向だ。

 動作音に関しては、低負荷時は静かな部屋でやっと分かるレベルだが、高負荷時はそれなりに動作音が大きくなる。しかし、これだけの薄型ボディにクアッドコアと外部GPUを搭載しているということを考えると、健闘していると言える。。

動作時の騒音(ボディ手前から5センチ、暗騒音30dB、室温20度)
製品名 XPS 15
アイドル 30.8
低負荷/Web YouTube再生 33.8
3DMark/Strike(3回) 42.8
CINEBENCH R15/CPU(2回) 42.1

 発熱については、底面の中央付近が中心だ。キーボードは少し温度が高くなるが、手が長く触れているパームレストにはほとんど熱が伝わってこない。さすがにNew XPS 13並とはいかないが、優秀な静音性と放熱性能と言える。

動作時の発熱(3DMark/FireStrikeを3回実行した直後のボディ表面温度、室温21度)
製品名 XPS 15
キーボード左 33
キーボード右 34
パームレスト左 27
パームレスト右 27.5
底部左 38
底部右 37.5

大画面ノートのイメージを変えるプレミアムノート

 New XPS 15の価値は、現時点で考えられる最高の技術を投入して15型クラスのフォームファクタのノートPCを作ったことにある。

 クアッドコアCPU、外部GPU、NVMe対応PCI Express SSD、Thunderbolt 3/USB 3.1 Type-C、4K対応の広色域ディスプレイといった最先端のスペックを、質感、剛性に優れたハイクオリティな薄型軽量ボディに収め、さらに狭額縁デザインという他にはない付加価値まで加えている。そこに出し惜しみは一切感じられない。

New XPS 15

 13型クラスやそれ以下のフォームファクタでは高度な技術が投入され、デザインにも優れた魅力的な製品が多数ある一方で、それより大きなフォームファクタとなると途端にコストへの意識が目立つようになり、大画面、高性能とハイクオリティを兼ね備えた製品がこれまでほとんど存在しなかっただけに、News XPS 15は魅力的に映る。

 デルの直販サイトでの標準価格は、プラチナモデルが24万9980円、スタンダートモデルは16万9980円(いずれも税別)だ。高価ではあるが、スペック、付加価値を考えれば、決して高すぎるということはない。実際、販売はかなり好調な様子だが、今回レビューした結果からも、それは当然だろう。

今回テストしたNew XPS 15のデバイスマネージャ画面 今回テストしたNew XPS 15のデバイスマネージャ画面
今回テストしたNew XPS 15のデバイスマネージャ画面今回テストしたNew XPS 15のデバイスマネージャ画面 今回テストしたNew XPS 15のデバイスマネージャ画面
今回テストしたNew XPS 15の仕様
製品名 New XPS 15
メーカー デル
OS 64ビット版Windows 10 Home
本体サイズ(幅×高さ×厚さ) 約357×235×11〜17ミリ
重量(実測値) 約2キログラム(2022グラム)
画面サイズ(液晶方式) 15.6型ワイド
アスペクト比 16:9
タッチパネル 静電容量式
デジタイザ
ディスプレイ解像度 3840×2160ドット(約282ppi)
CPU(コア数/スレッド数) Core i7-6700HQ(4/8)
動作周波数(最大) 2.6GHz(3.5GHz)
チップセット CPU内蔵
vPro
GPU "Intel HD Graphics 530 NVIDIA GeForce GTX960M(2GB)"
メモリ 16Gバイト DDR4-2133
メモリチャンネル数 デュアルチャンネル
メモリスロット(空きスロット数) 2(0)
ストレージ(評価機実装) 512GB(SAMSUNG PM951 NVMe)
ストレージフォームファクタ M.2
ストレージ接続インタフェース PCI Express 3.0(レーン数不明)
光学ドライブ
無線LAN IEEE802.11a/b/g/n/ac(Dell Wireless 1830)
Bluetooth Bluetooth v4.1
NFC
センサー
有線LAN
ワイヤレスWAN
キーボード 日本語
キートップ仕様・形状 アイソレーション
キーピッチ 横実測19×縦実測約18ミリ
キーストローク 1.3ミリ
ポインティングデバイス クリックパッド(高精度タッチパッド)
主なインタフェース Thunderbolt 3(USB 3.1Type-C兼用)、USB 3.0×2、HDMI出力、ヘッドフォン/マイク兼用端子(3.5ミリ)、Webカメラ(フロント720p)
メモリカードスロット SDメモリーカード(SDXC対応)
SIMカードスロット
その他カードスロット
スピーカー(音質補正ソフトウェア) ステレオ(Waves MAXX Audio Pro)
マイク モノラル
指紋センサー
セキュリティチップ 搭載(TCG 1.2準拠)
セキュリティロックポート
バッテリー動作時間 約10時間
バッテリー仕様 84Wh
ACアダプタ実測サイズ 65×143×22ミリ(幅×奥行き×高さ)突起部のぞく
ACアダプタ実測重量(本体のみ/ケーブル込み) 337グラム/434グラム
ACアダプタ出力仕様 19.5ボルト/6.67アンペア
ACアダプタ対応電圧 100〜240ボルト(50/60Hz)
DC端子形状 独自形状(丸形)
プラグケーブル端子形状(ACアダプタ側) 3ピン
防水/防滴
カラーバリエーション シルバー、ゴールド
オフィススイート BTO対応
価格 24万9980円
発売日 2015年10月20日
デル株式会社 デル株式会社
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