NY5番街のMicrosoft Store旗艦店を訪ねてみた 「HoloLens」や「Surface Hub」もそろう特別な空間鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(1/2 ページ)

» 2016年01月23日 06時00分 公開

満を持してニューヨーク5番街に登場したMicrosoft旗艦店

 日本のPCユーザーに「Microsoft Store」と言えば、同社直営のオンラインショップを思う浮かべるだろう。しかし、Microsoftは直営のリアル店舗「Microsoft Store」を米国中心に多数展開している。Apple Store路面店のMicrosoft版と考えると、分かりやすいだろう。

 米国で100店舗(モール等の広場に出店する出張店舗も含む)を超えるMicrosoft Storeの中でもフラッグシップストアに位置付けられるのが、2015年10月25日(現地時間)にニューヨークでオープンした「Microsoft Flagship Store」だ。筆者が1年前の2015年1月にその場所を訪れたときは外装工事が始まったばかりの段階だったが、9カ月が経過して晴れてグランドオープンとなった。

Microsoft Flagship Store 米ニューヨーク5番街(677 Fifth Ave)の「Microsoft Flagship Store」

 ニューヨークは世界的な商業、ビジネスの中心地と認識される一方で、その中心街とされるマンハッタン島にはこれまでMicrosoft Storeの正規店が存在しなかった。唯一あるのはTime Warner Center内の出張店舗のみで、Windows 8発売時に一時的にオープンしたストアから3年が経過して、ようやく「旗艦店」の体裁を整えた店舗が出現したことになる。

 以前のレポートでも少し紹介したように、この店舗は世界で唯一、Microsoftが開発中のMixed Reality対応ヘッドマウントディスプレイ「HoloLens」を実際に装着して体験できる「HoloLens Experience Showcase」が設置されているなど、特別な空間だ。

 今回、実際に同店を訪ねてみたので写真とともに紹介しよう。

Microsoft純正ハードウェアが店内に集結

 ブランドショップが林立することで知られるニューヨーク5番街(Fifth Ave)のミッドタウン周辺だが、Microsoft Flagship Storeはそれに恥じぬ外観の店舗だ。道路に面した正面は4階付近までガラス張りとなっており、凹凸に見える3〜4階部分はディスプレイウォールとなっている。

 実際に入ってみると、1〜2階は吹き抜け構造となっており、開放感もあって明るい空間だ。正面から見て左右は巨大なディスプレイウォールになっているほか、奥のカウンターには2階まで突き抜ける巨大なタワーディスプレイが設置されており、季節に合わせたアニメーションや製品プロモーションが適時流れている。

 この大画面パネルをふんだんに使ったディスプレイウォールは、このMicrosoft Flagship Store特有のもので、他のMicrosoft Storeには見られない。

1階と2階は吹き抜け 店内の様子。1階と2階は吹き抜けになっており開放感がある
1階正面 1階の様子。Microsoft純正のハードウェアがずらりと並んでいる
1階側面 1階左右の壁は写真ではなく、他のMicrosoft Store店舗にはない巨大なディスプレイウォールとなっている。多数のディスプレイを並べて1枚の大きな画面としており、ここにプロモーションビデオなどを流している
1階正面のカウンター 1階正面のカウンターには2階まで貫通するタワーディスプレイを設置。36枚のパネルを組み合わせており、30フィート(約9メートル)の高さがある

 入口には「Surface」シリーズなどMicrosoftのハードウェア製品、奥にはパートナー各社のノートPCまたはタブレット製品という配置は、他のMicrosoft Storeでも見られるが、このFlagship Storeでは特に「Surface Book」の展示数が多いのが特徴だ。入口付近でざっと数えただけでも12台が設置されており、他の店舗が1〜2台程度のことを考えれば特別待遇だ。

 残念ながら取材当日に在庫はなかったものの、他のMicrosoft製品、例えば「Microsoft Band」やアンロック済みのWindows Phone「Lumia」シリーズ(特にLumia 950XL)は旅行者にも人気の製品で、実際に買って帰る人も多いという。

Surface Book 店内に並んだMicrosoft純正ハードウェア製品。日本では2月4日発売の「Surface Book」が多数展示されている
Microsoft BandとLumia 「Microsoft Band」と「Lumia」を組み合わせた展示。「Lumia 950/950XL」は、Continuum機能を実際に試すことも可能だ
スタッフはMicrosoft Bandを着用 店内のスタッフは、Microsoft Bandを着用していた
サードパーティー製品 店舗1階の奥側には、エントリーからハイエンドまでOEMパートナー各社のWindows 10ノートPCが展示、販売されている
Signatureモデル OEMパートナー製品の中でも「Signature」と呼ばれるモデルは、追加のアプリなどが一切入っていないクリーンインストール版となっている点が特徴だ

Only at Microsoft Flagship Store

 “Microsoft Flagship Storeだけ”の特別な展示がHoloLensと「Surface Hub」の2つだ。1階中央部にはガラスケースの中にHoloLensが収められており、実際にその外観を確かめられる。

 実は今回、HoloLens Experience Showcaseを実際に取材したいというリクエストを事前に出していたのだが、予約の関係で実際に試すのが難しいということと、HoloLensの体験コーナーにおける一切の撮影や録音行為は禁止という説明を受けたため、本稿での紹介を断念した。

 HoloLensは2016年第1四半期に「Development Edition」(3000米ドル)の正式提供が開始される予定なので、そこでの追加情報を待ったほうがよさそうだ。

HoloLens(1) 世界でこの店舗唯一という「HoloLens」の展示。一般向けの製品化と販売が待ち遠しい
HoloLens(2) このHoloLensは、Development Editionとは異なる現行プロトタイプのもの。事前に予約すれば、5階にある「HoloLens Experience Showcase」のコーナーで実際に着用して体感できる(対象は17歳以上の開発者となる)
HoloLens Experience Showcase 5階の貴重なHoloLens体験コーナーであるHoloLens Experience Showcase(こちらはMicrosoft提供の写真)

 一方、電子黒板のような大画面WindowsデバイスであるSurface Hubは、84型モデルと55型モデルの2種類を店内で試せる。84型モデルは1階の最奥にあり、55型モデルは2階に2台展示されていた。最初に来店したときは気付かなかったのだが、84型モデルは階段の下にひっそりと置かれている。実際に同店を訪れて試用したい方は、店員に声をかけるとよいだろう。Surface Hubは日本でも2016年1月から出荷が始まる予定だ。

Surface Hubの84型モデル 1階奥にはSurface Hubの84型モデルが展示されていた。実際にSurfaceペンを使って使用感を体験できる
Surface Hubのアプリ切り替え Surface Hubは電子黒板のようだが、基本的にはWindows 10搭載PCなので、ホワイトボードだけでなく各種アプリを呼び出して機能を切り替えることも可能だ
Google Earthの表示 Surface HubでGoogle Earthを起動。84型の大画面で見るGoogle Earthは迫力があり、何より広く地図を表示できる
Google Earthをタッチ操作 通常のWindowsタブレットと同様、タッチ操作で自由に地図の移動、回転、拡大/縮小などが行える。最大100ポイントもの同時タッチにも対応するので、多くのユーザーが同時に操作しても問題ないという
Google Earthにペンで書き込み Surface Hubを使えば、Google Earthで目的の場所を開いてスクリーンショットを撮り、待ち合わせ場所のメモをペンで記して相手と共有……といった作業もスムーズに行える
カメラとマイクも内蔵 Surface Hubの本体左右にはカメラとマイクが備えられており、Skypeでビデオ会議も行える。2つカメラとマイクが内蔵されているのは、広い室内で発言者を自動的にズームインして音声を強調する機能を利用するためだ
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月25日 更新
  1. ワコムが有機ELペンタブレットをついに投入! 「Wacom Movink 13」は約420gの軽量モデルだ (2024年04月24日)
  2. 16.3型の折りたたみノートPC「Thinkpad X1 Fold」は“大画面タブレット”として大きな価値あり (2024年04月24日)
  3. 「社長室と役員室はなくしました」 価値共創領域に挑戦する日本IBM 山口社長のこだわり (2024年04月24日)
  4. 「IBMはテクノロジーカンパニーだ」 日本IBMが5つの「価値共創領域」にこだわるワケ (2024年04月23日)
  5. わずか237gとスマホ並みに軽いモバイルディスプレイ! ユニークの10.5型「UQ-PM10FHDNT-GL」を試す (2024年04月25日)
  6. Googleが「Google for Education GIGA スクールパッケージ」を発表 GIGAスクール用Chromebookの「新規採用」と「継続」を両にらみ (2024年04月23日)
  7. バッファロー開発陣に聞く「Wi-Fi 7」にいち早く対応したメリット 決め手は異なる周波数を束ねる「MLO」【前編】 (2024年04月22日)
  8. 「Surface Go」が“タフブック”みたいになる耐衝撃ケース サンワサプライから登場 (2024年04月24日)
  9. ロジクール、“プロ仕様”をうたった60%レイアウト採用ワイヤレスゲーミングキーボード (2024年04月24日)
  10. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー