米Appleが、来週開催する「WWDC 2016」のライブストリーミングサイトを公開しました。基調講演は日本時間の6月14日午前2時スタートです。
ここ最近のAppleイベント中継と同様に、ライブストリーミングを視聴できる環境には制限があります。
Apple製品ならば、iOSデバイスやMacのSafariブラウザか、Apple TVで視聴できます。そしてWindows環境で唯一視聴できるのが、Windows 10の新しい標準Webブラウザ「Microsoft Edge」です。なかなかIE(Internet Explorer)からの移行が進まないと言われるEdgeですが、思わぬメリットがありました。ちなみに、Windows 7/8.1では見られません。
Appleは別に、Windowsユーザーに意地悪をするため視聴環境を制限しているわけではありません。上の画像の説明にもあるように、Appleが開発した「HTTP Live Streaming(HLS)」という技術を使って配信するので、このHLSをサポートする環境でしか視聴できないのです。
つまり、Microsoft EdgeはHLSをサポートしているんですね。2015年1月の公式ブログで、「新しいレンダリングエンジンEdgeHTMLでHLSとMPEG DASHをサポートするよ」と言ってます。
Appleが公開している技術資料(リンク先はPDF)による定義では、HLSは「通常のウェブサーバからHTTPを使ってオーディオとビデオを送信し、iPhone、iPad、iPod touch、Apple TVなどのiOSベースのデバイス、およびデスクトップコンピュータ(Mac OS X)で再生するための機能」だそうです。Cult Of Macによると、2010年9月のイベントからHLSを採用したそうです。
HLSのメリットは、高速なネット接続なら快適に、低速でもそれなりに、視聴できるところ。昔々、まだスティーブ・ジョブズ氏がお元気だったころのライブ配信は(そのころはWindowsのIEでも視聴できました。多分、2003年ごろ)、いつ配信が途切れるか分からないので、4台くらいのMacとPC(当時はまだiPhoneもiPadもなかった)を並べて、ハラハラしながら見たものでした。
でも、HLSなら、iOS 7.0以降搭載のiOSデバイスとネット環境さえあれば、iPod touchであっても、地の果てでも、Appleのライブイベントを以前より安定して視聴できる、というわけです(実際には、たまに固まって焦ったりしますが)。
GoogleのChromeやMozillaのFirefoxといったブラウザもHLSをサポートしてくれれば、Windows 7/8.1でも基調講演を生で見られますが、そこはいろいろオトナの事情もあり、今後もサポートすることはなさそうです。「Safari for Windows」復活、ということもまずないでしょう。
なので、基調講演をリアルタイムで見たいWindows 7/8.1ユーザーの皆さん(ってどのくらいいるんだろう)、この機会にWindows 10へ移行してはいかがでしょう。移行の理由としてはちょっと弱いですか?
ところで、私の主な仕事は海外速報記事を書くことなので、基調講演もライブで見ます。我が家にはMacもiPadもiPhoneもApple TVもありますが、今回はWindows 10のEdgeで見る予定です。
なぜなら、スクリーンショット(画面キャプチャ)を撮るのが一番手軽で便利なのがWindows 10だから。MacでもiOSデバイスでも、スクリーンショットを撮るには2つ以上のキー(ボタン)を押さなくちゃいけませんが、Windows 10なら「PrnScr」1つで画面全体を撮って、(指定しておけば)クラウドストレージのOneDriveに保存してくれます。
メインの仕事マシンはまだWindows 7なので、記事を書きながらOneDriveに保存した画像をネット経由でピックアップして内容を確認します。
WWDCでは新しいハードウェアの発表はなさそうですが、個人的にはApple TVとApple Music関連が楽しみです。Siri搭載のGoogle Home的な何かも出るといいなぁとも思ってます。わくわく。
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