位置情報ビジネスのベンチャー企業であるナビッピドットコムは4月21日、中国初の携帯電話を使った法人向け位置情報サービス「位置情報サービス DP2 for China」を発表した。同サービスはGPS機能付き携帯電話を持たせたメンバーの位置情報がPCなどから確認できるもの。中国の100%子会社であるナビッピドットコム上海を通じて、中国電信の端末向けに6月1日から提供を開始する。サーバーと端末をサービス利用者が準備するパッケージ型の商品で、価格は日本円換算で300万円程度から(端末代金や通信費含まず)。
同社によれば、中国では現在、液晶テレビやエアコンなどの家電保守業務が急増しているほか、スーパーやコンビニエンスストアといった多店舗への運搬業務が増え、位置情報を活用した効率のよい人員体制や物流体制の構築が求められているという。こうしたニーズに対して、現状ではカーナビを使った位置情報サービスが提供されているが、中国で3G対応のGPS搭載携帯電話が登場したことにより、携帯電話を使った位置情報サービスが提供可能になった。同社は、今回のサービスを利用することで、カーナビを使った位置情報システムよりも初期投資や運用コストを抑えられるとしている。また、車両下車後の動きが把握できるなどのメリットもあるという。
サービスの主な機能として、簡易日報機能を使った位置情報以外のステータス確認、定期的な自動位置配信、13カ月分の履歴データ保存など、行動分析に役立つ各種機能を搭載する。また、日本向けに提供している携帯電話の位置情報サービス「位置情報ASPサービスDP2」と連携することで、物流の状況を日本と中国とで総合的に把握できる。
同社は今後、中国電信以外の通信キャリアにサービスを対応させることを目指す。また、中国のインターネットサービスプロバイダーやデータセンターと連携し、サービスのSaaS化を視野に入れた業務展開を進めるとしている。
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