「単なる電子本ではない」――英語タウンが注力するiPhone、iPad向け英語学習アプリ

» 2010年06月24日 16時44分 公開
[山田祐介,ITmedia]

 「単なる電子本ではない」――英語学習情報のポータルサイト「英語タウン」を運営する英語タウン・ドット・コムは6月23日、iPhone/iPad向け英語学習アプリ「オックスフォード・ブックワームズ・スーパーリーダー」シリーズの発表会をアップルストア銀座で開催した。同アプリはオックスフォード大学出版局の英語学習本「ブックワームズ」のテキストをベースに、朗読や、タップ辞書機能、クイズなどを追加している。第1弾として「英語でアリス:不思議の国」をApp Storeで公開しており、価格はiPad版が600円、iPhone版「不思議の国のアリス」が450円。今後は「半年以内で100冊以上のタイトルを発表する」という。

photophoto iPadアプリ「英語でアリス:不思議の国」(写真=左)とiPhoneアプリ「不思議の国のアリス」(写真=左)。どちらも機能は同じだが、文字の大きさや挿絵のレイアウトなどが変更されている

レベルに合わせて選べる“読み物”に、学習に役立つ機能を追加

photo 英語タウン・ドット・コムのラッセル・ウィリス代表取締役社長

 アプリのベースとなる「ブックワームズ」は、初級から上級まで全7レベルに分類された英語学習本のシリーズ。レベルに合わせて文中の単語や文章量が制限されており、初級の「Starters」なら合計250個の単語、最上級の「Stage 6」なら合計2500個の単語で文章を構成する。ファンタジー、SF、ミステリーなど、さまざまなジャンルの作品がラインアップされ、自分の好みに合わせて徐々にレベルの高い読み物にチャレンジできるのが特徴だ。

 今回のアプリでは、これらの英語本にiPhoneやiPadならではのインタラクティブな機能を追加し、個人がより効率的に学習できる教材を目指した。「英語教材の多くは一見インパクトがあるが、5分程度で飽きてしまうようなものが多い。我々は、価値のある効果的な学習方法をこのアプリで提供する」――英語タウン・ドット・コムのラッセル・ウィリス代表取締役社長は、このように自信を見せる。


photo 初級の本も豊富にそろえる「ブックワームズ」シリーズ。さまざまなジャンルの本を用意しているのも特徴だ

 アプリの特徴の1つは、単語をタップすることで意味がポップアップ表示される辞書機能だ。初級からステップアップしてきたユーザーが効率的に新しい単語を学べるように、各レベルで新しく使われる単語のみを文中で色分けし、辞書機能に対応させた。なお、新しい単語であっても一度登場した後は色分けされず、辞書機能も使えないようになるという。単語の意味が思い出せない場合は、メニュー画面の「語句検索」から該当する単語をインクリメンタルサーチで探せる。

photophoto 色の違う文字をタップすると、単語の意味が分かる

 ネイティブスピーカーによる朗読機能を搭載し、聞き取りの練習や発音の確認も可能だ。朗読の読み上げ速度は教材のレベルに合わせ、初級なら遅く、上級なら速く設定されている。朗読機能はユーザーのページ送りと連動する通常モードに加え、自動でページを送る自動モードも備えており、通勤中などでも朗読の聞き取りができる。

 そのほか、各アプリごとに用意された実力診断クイズや、英語タウンのWebサイトで読み終わったアプリを登録して読み終えた単語の総計が確認できる「ワードバンク」システムなども搭載。利用者のモチベーション向上を図る。

photophoto 実力診断クイズ(写真=左)が利用できるほか、初級の本では挿絵も豊富に用意した(写真=右)

半年で100冊以上をアプリ化

 同社は今後半年以内に100冊以上をブックワームズをアプリ化する考え。アプリの価格に関してウィリス氏は「通常のオーディオブックなら1000円程度のところを、教材のレベルにもよるが600円前後で提供していく」と語る。シリーズを購入することで、自分のレベルに合った英語を数多く読み、聞くことで理解力を深める「多聴多読」の学習法を手軽に実践できるとしている。多読を教育現場に取り入れている電気通信大学の酒井邦秀准教授は、「多読の学習法は本代が多くかかるのが難点だが、今回のような教材を使うことで安価に実践できるのでは」と期待を示した。

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