Androidは秋冬で「春を上回る爆発」――日本Androidの会 丸山会長

» 2010年06月29日 11時20分 公開
[山田祐介,ITmedia]

 「Androidは急速にiPhoneの背中をとらえはじめた」――日本Androidの会が6月26日に開催した開発者向けイベント「Android Bazaar and Conference 2010 Spring」で、同会の丸山不二夫会長が講演を行った。同氏はAndroidの動向や普及の見込みを紹介しつつ、Android端末などの“クラウドデバイス”の浸透が、メディアの統合やパーソナル化を加速させると説明した。

秋冬で「春を上回るAndroidの爆発が起きる」

photo 日本Androidの会 丸山不二夫会長

 2008年10月に初のAndroid端末「G1」が発売されて約1年半が過ぎ、Androidを取り巻く環境は大きく変化した。5月に開催されたGoogle I/Oの基調講演によれば、Android端末はいまや60機種を超え、48カ国で計59のキャリアに採用されているという。米NPD Groupは、2010年第1四半期(1〜3月期)にAndroid端末がiPhoneの販売台数を抜いたという調査結果を報告。「いろいろな統計があるが、Androidが急速にiPhoneの背中をとらえはじめたというのは、はっきりしている」(丸山氏)

 Android OSの最新バージョンであるAndroid 2.2(Froyo)では、JITコンパイラによるアプリ実行速度の高速化や、Microsoft Exchange対応などの企業向け機能の強化、端末をクラウド越しにコントロールする新APIの採用、Webブラウザの高速化とHTML5対応など、さまざまな魅力が加わった。また、iPhoneがサポートしないFlashに対応したことも、「市場にとって妥当な判断」と丸山氏はみる。

 さらに今年の秋から冬にかけては、各キャリア・メーカーがAndroidの新モデルを投入し、「春を上回るAndroidの爆発が起きる」という。家電メーカーがAndroid組み込み家電を構想していることも、普及を後押しすると予想する。

メディアを統合するクラウドの波

 国際電気通信連合(ITU)によれば、2010年末までに世界の携帯電話加入件数が50億を突破し、モバイルブロードバンドの加入件数は2009年の6億から10億へ急増する見通し。成長ペースが変わらなければ、5年後にはモバイルからのWebアクセス数がデスクトップPCを追い抜くという。さらに、iPadなどのタブレット型端末もラインアップが増えており、モバイルサービスの新たな受け皿として注目を集めている。

photo 携帯電話の普及率に比べ、インターネットの普及率は低い。このギャップを、モバイルインターネットが埋めると丸山氏

 こうしたモバイルインターネットの台頭によって、「メディア統合のための技術的基盤」が整いつつあると丸山氏は話す。“コミュニケーション”という人の生活になくてはならない要素に関わる携帯電話は「それだけで大きな魅力のあるメディア」であり、だからこそ発展途上国も含めて利用者はグローバルで増加している。その上、旧来のメディアが届けた映像、画像、音声、テキストなどのコンテンツは、いずれもクラウドを通じてスマートフォン1台でまかなうことができる。こうした背景がある以上、電子書籍、IPサイマルラジオ、インターネット動画配信など、従来メディアのインターネットへの置き換えは加速すると丸山氏は説明する。

 例えば、AppleがiTunesで音楽市場に大きなパラダイムシフトを起こしたのは説明するまでもないが、丸山氏は同社が巨大なデータセンターを建設していることを紹介し、ストリーミング配信による“クラウドiTunes”の可能性を示唆。また、音楽データに限らず、“母艦”のいらないクラウドサービスをAppleが用意するシナリオを示した。

 一方、GoogleがGoogle Voiceで電話をインターネットに置き換えようとしていることも丸山氏は紹介。同社の音声解析技術を使うことで、電話の内容をテキストに自動変換できるとし、Eメールと電話を統合したコミュニケーションサービスが登場する可能性に触れた。また、同社がGoogle TVでテレビとインターネットの融合に着手していることも注目すべき点として挙げる。そのほか、TwitterやFacebookなどの“パーソナルメディア”が、クラウドデバイスによって急速に拡大するという見方も示した。

 こうしたクラウドとクラウドデバイスが中軸となったメディアの統合が、エンタープライズ分野に変わって今後のIT技術の革新を支えるというのが、丸山氏の考え。「ITが最も効果を発揮するのはコミュニケーションの分野」とも語り、コミュニケーションや情報共有に対する強いニーズがこうした革新を後押しするとみる。その中で、オープンなクラウドの受け皿になりうるAndroidの影響力が拡大すると丸山氏は考えている。

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