6月9日に開幕したネットワーク技術の総合展示会「Interop Tokyo 2010」では、日本Androidの会がブースを構えており、“電子ペーパーと液晶ディスプレイを備えたAndroid端末”をはじめ、Android関連サービスが紹介されていた。
6インチのE INK製電子ペーパー画面(600×800ピクセル)と、3.5インチのタッチパネル液晶ディスプレイ(320×480ピクセル)を使い分けられる「Alex」は、電子書籍リーダー事業を展開する米Spring Designが発表したAndroid端末だ。日本ではハフトテクノロジーが夏に発売を予定する。アプリを通じてPDFやEPUBなどの電子書籍データを電子ペーパー画面に表示しつつ、書籍に関連する画像や動画をタッチディスプレイに表示したり、Twitterやインターネットを楽しんだりと、デュアルディスプレイを駆使して“読書しながら○○”を実現するユニークな端末となっている。
ハフトテクノロジーの今村博宣代表取締役は、販売代理店やコンテンツプロバイダーを通じて同端末を日本市場に展開する考え。アメリカでは端末がオンラインショップで399ドルで販売されているとのことだが、日本での販売手法は代理店やコンテンツプロバイダー次第で、端末とコンテンツサービスをセットで販売する方法が有力だという。
読書端末としてだけでなく、例えば電子ペーパーに教科書の内容を表示し、タッチディスプレイに動画やインタラクティブサービスを表示する教材端末として活用したりと、さまざまな応用が考えられると今村氏は話す。そのほかにも、電子ペーパーに楽譜を表示して、タッチディスプレイで楽器を演奏するなど、アプリのアイデア次第でさまざまな体験を提供できるという。
Android向けAR(拡張現実)サービス「ウキウキ VIEW」も展示されていた。開発したのはブリリアントサービス。同サービスは、感情(喜、怒、哀)を示す“感情玉”をユーザーが自分のいる場所に投稿する、ユーザー参加型のARサービスだ。アプリを閲覧することで、その場に浮かんでいる感情玉の種類から、場の雰囲気を感じたり、感情玉に付けられたコメントを読んだりすることができる。また、ホットペッパーなどの店舗情報もARコンテンツとして用意されている。アプリはAndroidマーケットで無料で公開している。
サーバの仕様やアプリのAPIなどはオープンソースとして公開されており、開発者は独自のクライアントを開発できる。ARコンテンツのフィルタリング機能をはじめ、標準アプリにはないさまざまな機能を実装できるという。さらに、独自のARコンテンツを配信することも可能で、独自コンテンツはウキウキ VIEWに対応する全てのクライアントで共有される。
同社はアプリの仕様を公開することで、派生サービスを巻き込みながらユーザー数を増やし、広告収入などにつなげたい考え。また、ウキウキ VIEWのクライアントをプリセットしたハードウェアベンダーに利益を配分するビジネスモデルにも取り組んでいる。NTTドコモのシャープ製夏モデル「LYNX」には、ウキウキ VIEWクライアントが標準で搭載されるとのことだ。
ユーザーが用意した画像や動画などの素材を簡単にAndroidアプリに加工してくれるサービス「DOROKURI(ドロクリ)」も紹介されている。サービスを手掛けたのはタオソフトウェアだ。同社が用意したフレームワークを使って、プログラミングの知識がなくても自分だけの時計ウィジェットや画像アルバム、動画コンテンツのアプリなどを作成できる。同サービスはテスト運用中で、誰でも無料で利用可能だ。
アプリの作成はとても簡単で、DOROKURIのWebサイトにアクセスし、時計ウィジェット、動画再生アプリ、画像アルバムアプリの中から自分の作成したいアプリを選択し、あとは素材をアップロードするだけ。作成したアプリのインストール方法はいくつか用意されているが、Twitter連携システムを使う方法が便利だという。アプリの作製時にTwitterにダウンロードURLが書き込まれたつぶやきを投稿し、Android端末でそのつぶやきを閲覧して、リンクからダウンロード/インストールを実行できる。
なお、作成したアプリをAndroidマーケットで有料販売したい場合は個別に同社へ相談してほしいとのこと。画像アルバムの画像枚数が5枚までという制限もあり、本格的な電子書籍・コミックの作成などには使えないが、テンプレートは順次増やしていくようなので、今後の対応に期待したい。サービスに対する要望は、Twitterの@dorokuriで受け付けている。
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