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» 2011年06月29日 21時33分 UPDATE

KDDIが楽天とEdyで連携――電子マネー事業強化の背景とは

KDDIが電子マネーのEdyを中心とした業務提携を楽天と発表。ウェブマネーの子会社化に向けた動きに続き、電子マネー事業の戦略を相次いで打ち出したKDDIの狙いとは。

[山田祐介,ITmedia]

 「世界で最も進んだO2Oのサービスが展開できる」「スマートフォンで電子マネーが加速するのは間違いない」――。

 KDDIと楽天は6月29日、電子マネー事業で業務提携すると発表した。取り組みの第1弾として、楽天の電子マネー「Edy(エディー)」をauの携帯電話から簡単にチャージできるサービスを8月4日に開始。Edyを端末だけでチャージできる利便性を、他キャリアにはないauならではの優位点として訴求していく。

photo KDDIの田中孝司社長と楽天の三木谷浩史社長

 今秋には楽天市場でキャリア決済による買い物も可能に。将来的には端末の位置情報や商品の購買情報などを活用した、マーケティング事業の共同展開も視野に入れる。

スマホ時代に合う“共通プラットフォーム”の構築目指すKDDI

 ウェブマネーの完全子会社化に向けた株式公開買い付けに続き、電子マネー事業を着々と強化しているKDDI。その背景には、スマートフォンの普及によりインターネットとモバイルの垣根が低くなっていることがある。両者の融合が今後も進むことをふまえ、PC、スマートフォン、タブレットと、さまざまなデバイスで共通利用できるプラットフォームを積極的に提供し、ユーザーの満足度を高めていくのが同社の方針だ。特に、決済プラットフォームの共通化はニーズがあるとみて、決済手段の拡充に動いている。

photo KDDIは楽天との業務提携により、オンラインコンテンツに加えリアル店舗の決済とも関わりを深めていく

 オンライン上での利用が中心のWebMoneyに対し、Edyは「リアル世界」での電子マネーの利用をカバー。主要コンビニをはじめとする全国27万1000カ所で利用できるEdyとの連携により、「リアルの世界も含めて、我々の世界観を提供したい」とKDDIの田中孝司社長は意気込む。

 一方、楽天にとってはKDDIが持つ3300万契約のユーザー基盤にEdyをリーチさせるチャンス。キャリアとの提携により、加盟店増加に弾みがつく期待もある。同社の三木谷浩史社長は、KDDIとの連携で「世界で最も進んだO2O(オンライン・ツー・オフライン)のサービス展開できるのでは」と自信を見せた。


photophoto Edyは全国27万1000カ所で利用可能。カードの発行枚数は5130万枚、携帯電話での利用台数は1290万台で、月間約3000万件の決済が行われているという

キャリア決済の手軽さを電子マネーに

 両社の連携サービスは「Edy│au」のコンセプト名を冠して展開する。8月4日から開始する携帯電話によるEdyチャージ機能は、「auかんたん決済」の仕組みを使い「携帯電話の暗証番号を入れるだけで利用できる」(KDDIの高橋誠専務)という手軽さが売りだ。利用登録もau one-IDで簡単にできる。携帯でのチャージは1カ月1万円を上限とし、料金は携帯電話の利用料とともに請求される。

 携帯電話だけでチャージができるのは現状だとauのみで、KDDIにとっては差別化につながる。また、店頭での現金払いやクレジットカードなどを介した従来のチャージ方法を面倒と感じていたユーザーや、クレジットカードを持っていない若年層が利用するきっかけにもなりそうだ。

 フィーチャーフォン向けにも機能を提供するが、KDDIは特にスマートフォンの機能として訴えていく。「スマートフォンならではの特色を出したい」(高橋氏)との思いから、スマートフォン向けにはオートチャージ機能(残金が少なくなったときに自動でチャージする機能)を9月27日に追加し、より便利にする。

 高橋氏は、2015年までにスマートフォンは契約比率が50%を超え、電子マネーは決済額が4兆5000億円規模になる――といった調査結果を例に出し、「急速に伸びる市場」を組み合わせた事業展開に期待を募らせる。「スマートフォンで電子マネーが加速するのは間違いない」(高橋氏)

 両社の連携はEdyだけにとどまらず、今秋には楽天市場でauかんたん決済を利用できるようにし、双方のサービス利用者拡大を目指す。また、Edy連携では、決済サービスにとどまらないビジネス展開も構想。利用者のプロファイルや購買情報、位置情報などに合わせて、クーポン配信や商品のレコメンドを行うといった、リアル店舗型のマーケティングビジネスの展開も検討しているという。

photo マーケティングビジネスの構想

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