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» 2011年08月09日 08時00分 UPDATE

グリーの会員は「月1000万人」増えている 「次は3億人目標」と田中社長

「会員数はすでに1億人を超えた。次は3億人を目標にしたい」――グリーが2011年6月期の第4四半期決算を発表。国内の課金や広告事業が好調で増収増益となったが、今後は海外での取り組みを加速させ、将来的には「FacebookやTwitterに並ぶメディア企業」を目指す。

[山田祐介,ITmedia]
photo 田中良和代表取締役社長

 「会員数はすでに1億人を超えた。次は3億人を目標にしたい」――スマートフォン向けソーシャルプラットフォームを提供する米OpenFeintの子会社化を契機に、グリーのグループ会員が“世界規模”で増えている。6月時点での会員数は1億2359万人で、うち9718万人は海外のユーザー。国内のユーザー数が月40〜50万人増えている一方、海外では月に700万、1000万人といったスケールでユーザーが増加している。

 8月8日に開いた2011年6月期第4四半期の決算会見で、同社の田中良和代表取締役社長は、2012年6月末までに会員数3億人を目指す考えを示した。国内で3000万人、海外で2億7000万人を見込む。事業拠点やサーバの海外設置も進め、海外事業を強化していく。海外でのマネタイズの鍵は「ARPU(ユーザーの月平均利用料)を日本並に引き上げられるか」だという。

課金、広告ともに好調で増収増益 スマートフォン対応にも手応え

 第4四半期の売上高は前年同期比93%増の210億9300万円、営業利益は85%増の97億8900万円で、増収増益。通期の売上高は641億7800万円、営業利益は311億3500万円となった。

 第4四半期は広告収入、有料課金収入ともに順調に増え、売上、利益ともに四半期最大の伸びとなった。自社アプリは前年同期の2倍以上となる9タイトルを展開し、収益に貢献したという。また、「GREE Platform」も成長を続け、第4四半期の有料課金収入のうち2割超がサードパーティからの手数料収入となっている。有名ゲームタイトルなどの展開により、手数料収入は今後も増える見込みだ。


photophoto 売上高・営業利益の推移(写真=左)と、売上高における各収入の推移(写真=右)

 スマートフォン向けアプリ(Webアプリおよびネイティブアプリ)は6月末時点で国内向けに348本をそろえ、うち課金アプリが123本。現状ではスマートフォンユーザーのARPUはフィーチャーフォンユーザーのARPUとほぼ同等となっており、「(スマートフォンへの移行が)問題なく進められることを確信した」と田中氏は話す。

 2012年6月期は、売上高900億〜1000億円、営業利益400億〜500億を見込む。売上予想は海外売上をほぼ含まない形で算出しており、北米や中国などでの事業が好調に推移すれば、売上の上乗せも期待できると田中氏は説明する。

ユーザーは「月1000万人」のペースで増加 課題はARPU

photo ユーザー数の推移

 国内市場での成長は今後も期待できるが、一方でユーザー数の伸びは緩やかになっていくと田中氏。事業のさらなる拡大を目指し、同社は海外進出を加速させている。

 4月には、7500万人規模(当時)のユーザーを有するOpenFeintを買収し、海外へのリーチを強化した。海外ユーザーは順調に増え、6月末には9718万人を突破。8月初めには1億700万人を超え、グループ全体のユーザー数は1億3000万人に達している。「月に1000万人ぐらい増えている。そういう単位でノードを見る時代に入った。このままのペースでいくと、(2012年6月末に)3億人に少し足りないぐらい。そこを頑張って達成する」(田中氏)

 海外の有力プラットフォームとの連携も推進し、8月には中国で6億5000万人のユーザーを抱えるTencentが、GREE Platformと仕様を共通化したアプリプラットフォームをオープンした。また、米Project Gothが新興国を中心に展開するSNS「mig33」でも、プラットフォームの仕様共通化が図られている。また、韓国市場への足がかりとして、通信キャリアSK telecomとも業務提携を発表。Android向けアプリストア「T store」を通じて韓国市場にアプリを展開する予定となっている。

 田中氏は、海外での課題は「ARPUを日本並に引き上げられるか」と話す。「日本のゲームは高単価」だが、「海外はそうなっていない」のが現状だという。ゲームシステムに課金への流れをより高度に組み込むことで、ARPUは上がっていくと田中氏はみている。

社内体制もグローバルに

 海外事業の加速に向け、事業拠点もさらに増やしていく。すでにある北米の現地法人に加え、中国の北京にGREE Beijing(仮称)を設立。また、中国でスマートフォン向けゲームなどを展開するUltiZen Gamesとも新たに資本提携し、中国の現地法人と連携させながらアプリ開発体制を強化していくという。さらに今後、欧州やアジア諸国など世界各地に拠点を設ける考えだ。


photophoto 今後の事業戦略

 従業員はグループ全体で現在600人だが、2012年6月までに1200人規模にまで増やす。そのほか、海外へのサーバの設置も積極的に進めており、北米、中国にサーバを設置している。東日本大震災以降、「日本のみで事業を行うリスク」をより強く認識したという田中氏は、「世界中でビジネスをして、世界中にサーバがあるからこそ、日本でも安定してビジネスができると考えている」と語った。

 今後は、ソーシャルゲーム大手のZyngaを「ベンチマーク」(田中氏)として、Zyngaに並ぶ事業規模を目指していく。さらに田中氏は、今後数年で売上高を2000億〜3000億円、ユーザー数を5億〜10億にまで成長させ、「FacebookやTwitterに並ぶメディア企業」にグリーを成長させると意気込んだ。

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