欧州の政府機関に勤務する人のうち、約60%がiPhoneを利用していることがIDCの調査で分かった。私用端末を業務で利用するBYOD(Bring Your Own Device)の導入が欧州政府機関で進みつつある、とIDCは分析している。
IDCは、欧州政府機関におけるモバイル技術の利用と投資計画について調べる年次調査を行っており、今回は、英国、フランス、ドイツ、スペイン、イタリアの西欧州5カ国で、IT担当と非IT担当の両方を対象に調査を実施した。
所属する機関でスタッフが使用している端末を聞いたところ、約6割がiPhoneを利用していると回答。BYODのポリシーを導入する機関が増えているとIDCはみている。
BYODポリシーについては、モバイルデバイスの管理ソリューションを導入する機関が急増しており、こうした端末側のトレンドがアプリケーション側にも影響を与えているようだ。IDCは「これまでのようにサプライヤーが開発したものだけでなく、従業員や一般市民などによる開発が増えている」と指摘している。
このようなアプリケーション側のコンシューマライゼーションは、BI(ビジネスインテリジェンス)などの内部用、外部用(市民向け)の両方でみられるとIDCの欧州・中東・アフリカ政府担当リサーチマネージャのシルビア・ピアイ(Silvia Piai)氏は分析している。「政府のITスタッフはセキュリティ、相互運用性、拡張性の点から見て業務利用に対応できるソリューションにする必要がある」とピアイ氏は助言している。
今後の投資計画について聞いたところ、中央政府の61%が今後2年以内にモバイル端末を利用したCRMに投資したいと回答した。地方自治体はこれを上回り、72%が今後2年以内にモバイルCRMに投資したいと回答したという。
ピアイ氏によると、モバイルソリューションが生産性、顧客サービス、透明性などで付加価値を生むというシナリオを優先し、実際の利用に即したポリシーを設計する必要があるという。
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