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» 2012年12月05日 11時00分 公開

経費を“増やす”方法――個人事業主向けの節税対策を考える「大増税」時代に備えて(6/6 ページ)

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手書きで確定申告は無理?

 筆者が「やよいの青色申告」を使用している理由の1つが「助けてくれる」部分だ。初めて青色申告ソフトを使用する人が悩むのは、初期設定、勘定科目の仕訳、複式簿記による記帳あたりだろう。いくつかの製品やフリーソフト、国税庁の確定申告書等作成コーナーなどを試した中で、おそらく1番簡単なのが「やよいの青色申告」だと感じている。

 新しいジャンルのソフトを使用する場合、どこから始めたらいいのか分からないケースは多々ある。そうした初めての人には「初期導入アドバイザー」という機能がある。これは何費にしたらいいんだ、という場合は仕訳アドバイザーから勘定科目や記帳方法を検索できる。簡単取引入力を使えば、何時、何で(現金で、普通預金で)、何を、いくらで買ったと入力すれば自動的に複式簿記で記帳してくれる。筆者はこうして税金に関する原稿を書いているが、独立して6年経っても手書きで確定申告をするのは絶対無理だ。

 おそらく青色申告ソフトを使用して確定申告をする場合は、ソフトの使い方で悩むのは1割以下、分からないことのほとんどは税金に関することだと思われる。幸い、インターネットの普及により検索でその回答を見つけることはかなりの確率でできる。是非、ソフトとネットを活用してトライしていただきたい。

 そして、もうかってもうかって自分でやるより数十万円を払っても税理士さんにお願いした方がいいとなれば、税理士さんはすごい知識でサポートをしてくれるだろう。余談だが、今回初めて税理士の森裕昭先生に監修をお願いしたが、ザルな性格の筆者が書く原稿をこと細かく修正いだいて感謝しきれないくらい助かっている。プロは違うということを実感している。

 さて、青色申告ソフトの助けにより、簡単ではないが不可能でもない青色申告ができたら青色申告控除という特典を得ることができる。経費のように自分の財布からお金を出す必要もない。小規模企業共済のように掛金を納める必要もない。複式簿記による記帳、貸借対照表、損益計算書などの作成という高いハードルを乗り越えた見返りに65万円が控除される。かなりうれしい。

青色申告の準備はOK?

 所得税の税率20%の人なら住民税と合わせて30%、65万円×30%=19万5000円の節税だ。所得税の税率5%の人でも9万7500円の節税となる。これなら1万円弱の青色申告ソフトを購入してトライする価値はあるだろう。

 青色申告には青色申告控除以外にも特典がある。減価償却のところで紹介した、10万円〜30万円の資産は「少額減価償却資産の取得価額の必要経費算入の特例(措置法28の2)」により、その年に全額経費として処理することができるのも青色申告の特典だ。他にも赤字の繰り越し、奥さんに事業を手伝ってもらう人なら青色専従者という特典もある。記帳の壁を乗り越えられそうな人は是非トライしていただきたい。

 よしトライしてみよう、と思った人に水を差すようだが、青色申告をするためには事前申告が必要。開業日から2カ月以内(開業日が1月1日から1月15日の場合はその年の3月15日まで)に「青色申告承認申請書」を提出しなければ青色申告者にはなれないルールだ。11月に開業届を出した人はこれから申請すれば間に合うが、すでに開業から2カ月を過ぎた人は、2013年3月15日までに申請をして、来年から青色申告をすることになる。

 年末まであとわずか。独立してスタートダッシュよろしくもうかっていると思う人はすぐに青色申告ソフトを買って売り上げ、経費、控除、課税所得、納税額を確認。節税対策をするなら年内だ。筆者もこの原稿の後にもう1本原稿を書いたら節税モードに突入だ。

インフレ時代の確定申告
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