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寄付と投資の間に商機見いだす コロナ禍で流通額「4倍成長」のCAMPFIRE家入代表を直撃国内クラファン市場は10倍へ(2/5 ページ)

» 2021年12月28日 05時00分 公開
[星裕方ITmedia]

日本にはまだ10倍のポテンシャルがある

――市場としての広がりはどうですか。

 最初は「日本には寄付文化がないから、うまくいかない」と言われました。特に日本人にはお金に対して、人から集めるのはよくないとか、自分でやることは自分で稼いでやれとか、そういった価値観や固定概念が存在するんだと言われたのです。でも、僕らはそんなことはないだろうと思っていました。

 数字で見ると、国内のベンチャーキャピタルの投資額が年間約1500億円〜2000億円なのに対し、個人の寄付はふるさと納税を含めない場合でも5000億円、ふるさと納税を含めると1兆2000億円くらいまで伸びてきました。一方、米国と対GDP比で比較すると、日本はまだ10分の1程度なんですよね。ここは、意識や価値観が変化していけば10倍伸びるポテンシャルがあると捉えています。

 特に若い世代を中心として寄付に対する考え方もだいぶ変わってきていると手応えを感じていて、市場としても大きくなるとみています。寄付へのハードルを下げる視点では、例えば教育や貧困問題といった課題に対して、ジャンルを選ぶことで寄付先のポートフォリオを組む「solio」というサービスにも、CAMPFIREとは別に関わっています。

左から家入氏、solioを運営するSOLIO(大阪市)の中川峰志氏、社長の今井紀明氏、桂大介氏

 もし、今の10倍の5兆円規模で個人の寄付金が流通する世界を作れたら、縮小経済の中での新たなお金のめぐり方として、次の経済モデルになり得ると、この10年信じてやってきました。

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