――好調の一方で、見えてきた課題はありましたか。
店舗の入れ替え期間が1週間ほどしかないのは店舗さんにとって相当な負担だと当社も感じています。特に地方から出店するお店さんだと、慣れない新しい環境に合わせながら本来の味を出し続ける必要があります。これはかなり大変なことで、運営的な課題ですね。
特にラーメンの作り方はジャンルやお店さんごとに全く異なり、タレが先なのかスープが先なのかといったように、作り方の順番も違います。ですから、厨房のオペレーションは前の店のノウハウをあまり流用できないわけですね。
一方、フロアや店舗前の徒列のオペレーションは共通する部分も多いので、そこは上手にノウハウを活用していきたいと思います。
――第2弾は熊本の天外天でしたけど、どんな経緯があったのですか。
「ご当地ラーメンチャレンジ」は支那そばやさんのように、もとも全国的な知名度を持つお店を東京駅で味わえるというコンセプトと、天外天さんのように、熊本など地元では圧倒的に有名な一方で、まだ東京ではそこまで知られていない名店を東京や関東の人に知ってもらうコンセプト。この二軸をすごく大事にしています。
第1弾があっさり目のラーメンでしたので、第2弾は違うものということで、とんこつラーメンを考えてはいたのですが、やはり一般的には博多とんこつラーメンが圧倒的な人気と知名度があります。しかし、熊本ラーメンも博多に負けず劣らずとんこつラーメンの歴史があります。それで、東京では知名度がそこまで高くない熊本ラーメンを選んだ経緯があります。
――熊本にはラーメンの名店も数多いのですが、その中でも天外天に白羽の矢を立てたのはなぜでしょうか。
実際に熊本では天外天さんをはじめ、人気ラーメン店を何軒か自分の足で回っていました。熊本のラーメンには、とんこつに鶏ガラを入れてテイルスープに黒マー油、ニンニクチップを入れた感じが多いイメージを持っていました。その中でも、そのイメージを踏襲しながら圧倒的なインパクトと記憶に残るラーメンを出しているのが天外天さんだったんです。
見た目のインパクトがあって、ニンニクのパウダーも多くふりかかっているのに、スープの後味がスッキリしているんですね。でもニンニクのパウダーの量は確かに多いので、口の中には残ります。
ただこれが不思議と、食べるとすぐ馴染んでしまって、ずるずるずるずるいけるんです(笑)。この独特な味に没頭できるのが天外天さんのラーメンなのです。東京では食べたことのない味だと感じました。
――続いて第3弾は栃木県の「麺屋ようすけ」になりますね。栃木県の代表的なラーメンといえば佐野ラーメンで、第1弾の支那そばやのように、あっさりした感じが特徴です。
3月4日からは第3弾としてこちらも東京初出店の栃木「麺屋ようすけ」がバトンをつないでいきます。「つるしこ」でコシのある麺も素晴らしいですし、その麺に合わせるスープも豚をメインに鶏、牛の動物系と羅臼昆布を使用することで、あっさりだけではなくコク深い分厚いスープに仕上げています。
今後も全国のご当地ラーメンを約100日ずつ、第7弾まで展開する予定です。皆さんが知っている超有名店もあれば、知る人ぞ知る名店もあります。ラーメンファンからすると、「次何があるんだろう」と想像できるのも楽しみの一つだと思います。
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