やっとミラーレス一眼の時代がやってきた――2016年を振り返りながら2017年のデジカメトレンドを予想してみよう（3/3 ページ）

[荻窪圭，ITmedia]

コンデジは？

　さて残るはコンデジ。

　デジカメ界をひっぱってきた普及型コンデジはその座をスマホに奪われたわけで、まあスマホもコンデジの一種と思えばユーザーとしては納得できるかという感じ。

　カメラ好きが期待するのは1型センサーを搭載した高級コンデジだが、2016年はどうだったか。

　ソニーの「DSC-RX10M3」とパナソニックの「DMC-FZH1」という超弩級の全部入り高倍率機というスゴいカメラは出てきたものの、いまひとつ盛り上がりそこねた感があるのは、ニコンの高級コンデジ「Nikon DL」3兄弟が発売されなかったせいだろう。

なんと600mm相当でF4という超弩級なレンズ一体型カメラ「RX10M3」

　2016年2月の「CP+」で1型センサーを搭載したNikon DLが広角モデル、標準モデル、高倍率モデルの3つ発表され、同社のミラーレス機「Nikon 1」同等の高速AFと連写を持っているということで期待されたわけだが、6月発売予定が画像処理用ICに重大な不具合が見つかったということで発売が延期になったまま、2017年になってしまった。

　このクラスを開拓したソニーのRX100はとうとうM5まで行き、新しく参入したキヤノンの「Powershot G7 X Mark II」も評判がいいし、パナソニックも「DMC-LX9」をあらたに投入してきた。Nikon DLはここにどう食い込んでくるのか、はたして無事発売されるのか、2017年の注目ポイントである。

　個人的にはコンデジ界に「超広角」がくる気がしてる。カシオの「ZR4000」（超広角系ズーム）、「Nikon DL 18-50」（これは発売されなかったけど）など、いくつか萌芽は見えてるが、アウトドアカメラが超広角レンズを積んでるのでそういう絵を見慣れてきてて、普通に撮っても状況をまるごと記録するにもOKなカメラに対するニーズが出てきてる（気がする）ことからイケるんじゃないかと思ってる。

　自撮りや状況を丸ごと記録する18mm相当から、ポートレートにほどよい90mm相当までの5倍ズーム機とか面白いと思うのだけどどっか作らないだろうか。

　もう1つ注目したのがニコンの「SnapBridge」。カメラとスマートフォンをBluetooth smartで常時接続し、撮った写真を自動的にガシガシ転送してくれる機能。これ、Wi-Fi接続の手間がなくて（うまく動いてくれれば）すごく便利。スマホとのBluetoothを使った連携を各社が行ってくると思われるので、これも注目ポイントだ。

　さて今年のデジカメがどうなるか。

　1月の5日からラスベガスで開催される「CES」と2月23日からパシフィコ横浜で開催される「CP+」で全貌が見えるはず。乞うご期待である。