現在、T-moneyの利用人口は約200万人。7月の発行直前に出された約300万人という予想よりも少ない結果となってしまったが、それにはいくつか理由が考えられる。
1つは、7月の交通制度改変当初、バス路線や料金の支払方法が、これまでと大きく変わったために混乱をきたし、T-moneyどころではなかったということ。またT-moneyを広くアピールする広報活動が十分ではなかったという点である。
これに対して先のチョ・ドンウク氏は「始動したばかりのT-moneyの運用に手間を取られ、これまで十分な宣伝活動ができずにいました。現在、博物館やコンビニでの決済ができるということ自体、知らない人がほとんどで、利用数も伸ばせずにいますが、今年は活発な活動を行う予定です」と話す。
今年2月末からはコンビニのファミリーマートでも使えるようになるほか、下半期には、タクシーでも利用できるよう準備を進めている。また現在、ソウル市内の6カ所の映画館でも試験中であるほか、試験段階が終了し利用開始を待つだけの美術館もあるという。モバイルバンキングのようなチップを利用した携帯電話内蔵型の交通カードも、現在開発中だ。
「今後はトンネル通過の際に支払う料金や、仁川国際空港と各都市をつなぐリムジンバスなどでも利用できるようにし、ユーザーを450万人に増やしたいです。ソウル郊外の仁川市や京幾道の交通カードとは、今年中に互換性がとれる予定であるほか、釜山や大田などの都市とも調整中です」(チョ・ドンウク氏)
ただし釜山や大田などの都市に関しては「技術的、ビジネス的な違いを乗り越える必要がある」とのことで、まだ先のこととなりそうだ。さらに高速道路料金の支払いに関しても、道路公社が担当するところということで、今のところチップの統合はなされない見込み。こうした課題もいくつか残るものの、活発な宣伝活動と利用シーンの大幅拡大が見込める2005年は、交通カードの大きな発展に期待できそうだ。
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