ソフトバンクのボーダフォン買収交渉、会見があれば聞きたいこと(3/3 ページ)

» 2006年03月10日 21時05分 公開
[杉浦正武,ITmedia]
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 日本市場でも好調とはいえない。ボーダフォンの日本法人は、NTTドコモやKDDIに勢いで差をつけられている。電気通信事業者協会(TCA)の発表する月間契約者数の推移を見ると(3月7日の記事参照)、2月はNTTドコモが約16万契約増、KDDIグループも16万増なのに比べてボーダフォンは約1万契約増と、伸び悩む状況が続いている。FMCに備え、固定網をどうするのかという問題もあり(2月28日の記事参照)、売却を決めたと見られる。なお売却で得た金銭のうち、50億ポンド(約1兆250億円)を株主に還元するというVodafone関係者の話もあり、ボーダフォン売却で株主の不満を「ガス抜き」する狙いがあると考えられる。

 一方でソフトバンクは、携帯事業を立ち上げるのに必要な時間を「金で買う」作戦に出た。孫正義社長は以前から「あらゆる可能性を検討する」と話しており、今回ボーダフォンが売却の姿勢を見せたことで急きょ買収に打って出たのだろう。

 ただ同社は、これまで“新規事業者として”携帯事業に参入する姿勢を打ち出していた。800MHz帯が割り当てられず「ツーカーを買収して移動体に参入するのでは」という観測が流れたとき、孫正義社長は「基本は免許をもらって設備投資をしたい。それがオーソドックス」としてこの噂を否定している(2005年2月9日の記事参照)。

 さらに昨年、正式に移動体免許を取得してからは、同じ時期に四半期決算が黒字化したこともあって携帯事業を慎重に進める方針を打ち出す(2005年11月11日の記事参照)。当初は全国サービスを展開できないとする見方があったが、孫氏はこれを認めた上で“一歩一歩着実に”インフラを整備する構想を示した。「力ずくで大きな赤字まで出してやるような大技は考えていない。今後も利益は着実に上に行こうと思っている」(2月10日の記事参照)。

 だが、今回のボーダフォン買収は「一足飛びの」「力ずくの大技」であり、これまでの同氏の発言と食い違っている。冒頭の「電波二重取り問題」も、このあたりの経緯と関連がある。買収が成立した際は、この“方針転換”をどう説明するのかも注目したい。

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