ソフトバンクがボーダフォンを買収すると発表した。この事態を、各通信キャリアはどう受け止めているのか。NTTドコモとイー・アクセスに聞いた。
携帯電話業界でシェアナンバーワンのドコモは、「ボーダフォンが買収されたことで、(ドコモが)特に戦略を変更することはない」としている。
「業界トップの企業としてこれまで通り、ネットワーク品質や端末ラインアップ、コンテンツ、アフターサービスでユーザーの方々から支持をいただけるよう努力を続ける」(広報部)
イー・アクセスは千本倖生会長が自らコメント。「(ボーダフォン買収は)孫社長ならではの大きな決断。コンテンツをたくさんお持ちで、すぐサービスを開始できるという戦略はそれなりに意義があることだと考えている」と、まずは今回の戦略を評価した。今回の買収によってイー・アクセスが戦略を変えることはないとし「自前でネットワーク建設を進める計画に変更はない」(3月13日の記事参照)と説明している。
携帯業界への影響については、2つの点に言及。1つは周波数帯の二重取り問題だ。ソフトバンクがボーダフォンを買収することで“新規事業者”ではなくなることを指摘、「新規事業者向けに割り当てられた1.7GHz帯は、当然返上するべき」(3月6日の記事参照)と改めて強調した。
もう1つは、新規参入のそもそもの目的であった“携帯業界の競争促進”(2004年11月の記事参照)が停滞するのではないかという点。「(NTTドコモ、KDDI、ボーダフォン、アイピーモバイル、イー・アクセス、ソフトバンクの)6社の予定が5社になったことから、競争促進という意味合いが薄れるのではないかと懸念する報道もある。競争促進の手をゆるめることにならないような政策を総務省に期待している」
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