スリムになって帰ってきた“P”、使い勝手はどう?――「705P」(4/4 ページ)

» 2006年11月07日 14時42分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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バックグラウンド再生に対応。ノンセキュアAACも再生可能に

 音楽再生機能は着うたフルに対応し、楽曲をダウンロードして再生できる。バックグラウンド再生にも対応しており、メディアプレーヤーでの再生時に「戻る」「クリア」「終話」のいずれかのキーを押すと、「バックグラウンド再生を開始しますか?」というメッセージが表示され、バックグラウンド再生に移行できる。

 バックグラウンド再生中は待受画面で「終話」キーを押せば音楽再生が終了する。ただし、再度メディアプレーヤーを呼び出すには通常の手順が必要なので、待受画面とメディアプレーヤーの行き来が多いという場合は、機能割り当てが可能な上キーにメディアプレーヤーを設定しておくとよいだろう。

photophoto メディアプレーヤーの再生中は、上下キーで音量調整、左右キーで曲間移動が行える

photophoto バックグラウンド再生もサポートしており、待受画面から終話ボタンで音楽再生を終了することも可能だ。使い勝手は悪くない

 バックグラウンド再生中の機能制限は少なく、メールやWebアクセスも可能だ。音声通話中は音楽再生を自動的に一時中断し、通話終了後に再開する。例外として、アプリ使用時にはバックグラウンド再生は行えず、アプリを終了しても再生を自動再開することはできない。

 着うたフル以外にはiTunesで作成したAACファイル、いわゆるノンセキュアAACファイルが再生可能だ。拡張子「.m4a」には対応していないので、拡張子を「.3gp」「.mp4」などに変更する必要がある。

 ノンセキュアAACファイルは、microSDメモリーカードなら「\PRIVATE\MYFOLDER\My Items\」フォルダ内の「Music」に保存する。ただし、一覧ではタイムスタンプの新しい順に並んでしまう。例えば、アルバムを普通に1曲目から順にPCに取り込んだ場合、microSDにそのまま書き込むと、一覧では曲順が逆になる。

 メディアプレーヤーであればプレイリストに登録すれば済むが、登録作業は1曲ずつとなってしまう。曲順にこだわるなら、あらかじめPCでファイルのタイムスタンプを変更する作業が必要であり、ノンセキュアAACの音楽プレーヤーとしての利用はやや面倒だ。

付属ユーティリティでアドレス帳のバックアップもできるBluetooth

photo 動画ファイルもBluetoothで送信できる。Bluetoothの自由度は高い

 ソフトバンク3G端末の標準機能ともいえるBluetoothは、「HSP」「HFP」「OPP」の3つのプロファイルをサポートする。ほかのBluetooth機器とワイヤレスでのハンズフリー通話やデータ交換が可能だ。アドレス帳やスケジュールなどに加え、静止画や動画なども送受信でき、受信したデータは本体メモリ、microSDメモリーカードのどちらにでも保存できる。拡張子が.3gp、.mp4の音楽ファイルもPCなどから送信できるが、拡張子から動画ファイルと判断されてしまい、ムービーフォルダに保存されてしまうで注意が必要だ。

 Bluetoothはオンにしておけば、データ受信も含め常時待ち受け可能となる仕様だが、データ受信時には保存してよいか、本体とメモリカードのどちらに保存するかといった指示が必要となる。なお、ペアリング設定を行った手持ちのヘッドセット、プラントロニクス「Discovery640」では、電源オンと同時に接続ができた。

 データ交換をすべてOPPで行っている関係上、例えば「W44T」とはアドレス帳やスケジュールは相互に送受信できるものの、静止画の送受信は行えない。これはW44Tが静止画の送受信を「BIP」で行っているためで、どちらが正しいといった問題ではない。サポートするプロファイルの不一致ということになる。

 特徴的なのは付属ソフト「Headset Manager」との組み合わせだ。OPPを利用することで、USBケーブル接続の場合と同様に利用できる。ファイルマネージャーを使えば、本体メモリ内の各種データを送受信したり、アドレス帳の編集、送受信ができる。また「Sync Manager」を利用すれば、スケジュールとOutlookのカレンダーもワイヤレスで同期させられる。これらの作業は705Pにはまったく触れずに行える。


photophotophoto 付属するWindows対応ユーティリティ「Headset Manager」。アドレス帳のバックアップ、編集や本体メモリに保存されたデータの送受信が行える。Headset ManagerはUSB接続、赤外線通信でも同じ機能を利用できる

シャープなデザインとスリムさが魅力

 705Pは機能的に極めてスタンダードな3G端末だ。ドコモやauユーザーから見ればGSMにも対応する国際ローミングやBluetoothは特別な機能だが、ソフトバンク3G端末ではもはや普通となってきている。

 魅力はやはり、スタンダード端末としての機能をしっかりサポートしつつ、スリムに仕上げたスタイルだろう。画面サイズや操作部などは、サイズから来るしわ寄せがまったくなかったとは言えない部分もあったが、実用性に致命的な難があるわけではない。

 スリムさだけを見れば、「705SH」や706SCという強力なライバルもいるが、706SCは804SSから継承した特長的なデザインのため、開け閉めに少々のコツを必要とする。705Pのスタンダードな折りたたみデザイン+ワンプッシュオープンボタンは、やはり使いやすい。

 個人的には、メールのヘビーユーザーにとっては、シートタイプでタッチが固めの操作部は難になると思う。しかし携帯に過剰な多機能さを求めず、使い方やスタイルもシンプルにというユーザーであれば、このスリム&シンプルなデザインと機能が非常に魅力的に映るはずだ。

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