auのオープンアプリプレイヤーで、フルブラウザは使えるのか

» 2007年01月19日 23時59分 公開
[園部修,ITmedia]

 KDDIが1月16日に発表した2007年春モデル10機種のうち、「W51CA」「W51H」「W51S」「W51SA」の4機種は、Javaアプリ(オープンアプリ)が実行できる「オープンアプリプレイヤー」を搭載した。KDDIが詳細な仕様やアプリケーション作成ガイドをEZfactoryで公開しているので、すでに知っている読者も多いと思うが、改めて整理しておこう。

 オープンアプリプレイヤーは、MIDP 2.0準拠のJavaアプリ実行環境だ(2006年10月の記事参照)。アプリケーションプラットフォーム「BREW」の上で動作するミドルウェアで、Java VMはアプリックスが開発したJBlendを利用している。au端末の中では、PC向けのHTMLページを表示するPCサイトビューアーや、XMDF形式のファイルが閲覧できる電子書籍ビューアーなどと同列に位置づけられている。

 KDDIは、2003年2月にアプリのダウンロードなどに対応した“本格的”BREW対応機「A5304T」を発表して以来、BREWへの移行を急速に進めた。BREW対応機はJavaには非対応だったため、Java実行環境を搭載した端末は、2004年6月に発売されたカシオ計算機製の1X端末「A5407CA」を最後に開発されておらず、現行のau端末ではJavaアプリが利用できない。

 BREWのアプリは、端末内の多くの機能にも直接アクセスできるため、開発の自由度が高く、高度なアプリケーションも容易に作成できる。その反面、悪意のあるプログラムを実行してしまった場合、Javaよりも深刻な被害を被る可能性が高い。このセキュリティ上の問題から、au端末向けのBREWアプリを配布する際には、KDDIの審査を通過することが義務づけられ、ダウンロードもKDDIのサーバから行う仕様となった(2005年8月の記事参照)。個人ユーザーなどが作った「勝手アプリ」を自由に配布することはほぼ不可能だ。

 しかし、オープンアプリプレイヤーの登場により、またau端末でもJavaアプリが利用可能になる。拡張APIには対応していないものの、CLDC1.1/MIDP2.0の仕様に基づいていればいいので、ドコモやソフトバンクモバイル端末向けに開発されたJavaアプリなども容易に移植できる。アプリケーションソフトの選択肢がグッと広がるのは間違いない。

 ちなみにオープンアプリプレイヤーでサポートするプログラムサイズは300Kバイト。ドコモの「メガiアプリ」やソフトバンクの「メガアプリ」のような大容量アプリには対応できないものの、容量は決して小さくはない。ただ、データ保存領域は32Kバイトで、KDDIのJava Phase 3では、データ保存領域が210Kバイト用意されていたことを考えると、大幅に減っている。

 またネットワークを利用した通信は送信が1回あたり最大5Kバイト、受信は最大32Kバイトまでとなっており、通信を行う際にはその都度にユーザーに確認する仕様だ。1日(午前1時から翌午前1時)の通信量は3Mバイトに制限されているので、フルブラウザのようなアプリまで快適に利用できるわけではない。

 KDDIコンテンツ・メディア本部長の高橋誠氏は、「オープンアプリプレイヤーはJavaアプリが使えるが、BREWと違って機能の制限がある。目的は非公式サイトのちょっとしたアプリに対応することであり、本格的アプリの開発は今後もBREWに特化していく」とその位置づけを話した。「フルブラウザなどの本格的なアプリの開発は難しいと考えている」(高橋氏)

 オープンアプリプレイヤー上で利用するアプリには、課金システムなどは一切提供されない。コンテンツプロバイダーが公式サイトでアプリを配布したい場合は、これまで通りBREWで開発することになる。つまり、当面は無料で配布されるゲームアプリなどで遊ぶのが主な用途となるだろう。

 とはいえ、自由にプログラムを作成し、配布できる環境が用意されれば、制限がある中でも、それをフル活用した新しいアプリが登場する可能性が十分にある。オープンアプリプレイヤーがなければ、アプリを自由に配布することすらできなかったことを考えれば大きな変化だ。オープンアプリプレイヤー搭載機が増えるに従って、ゲーム以外のアプリも移植もしくは新規に開発され、増えていくことに期待したい。

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