ICOCAの発行枚数、300万枚を突破――FeliCa決済利用状況(8月版)一番使われているFeliCa電子マネーは?:

» 2007年08月23日 17時40分 公開
[吉岡綾乃,Business Media 誠]

 8月23日、ローソンでEdyの取り扱いが始まり、全国のローソンやナチュラルローソンではEdy、iD、QUICPayの3種類のFeliCa決済を利用できるようになった。複数の決済方式が利用できる店舗は増えつつあるが、ローソンで特筆すべきは、1つのおサイフケータイの中に複数のFeliCa決済用アプリがインストールしてある場合を想定し、ユーザーの携帯で利用できる決済方式を検索する機能を付けていることだ(8月21日の記事参照)

 とはいえ現状では、1台のおサイフケータイで複数のFeliCa決済方式を使い分けている人はまだまだ少数派だろう。各決済方式はそれぞれどのくらい利用されているのか、8月中旬時点で各社が発表しているFeliCa決済の最新データについて、プリペイド型電子マネーとポストペイFeliCa決済に分けてまとめた。

 →電子マネー、利用回数No.1はnanaco―7月FeliCa決済利用状況

1人あたり、月に8回使われているnanaco

 以下の表では、FeliCaを利用した決済方式のうち、電子マネー(前払いでお金をチャージし、そこから減算して利用する)の利用状況をまとめている。いずれも7月末時点の数字だ。

 1カ月間の利用件数が最も多いのは、先月と変わらず、セブン-イレブンで利用できる「nanaco」だ。7月の月間利用回数は3400万件で、6月の3000万件から順調に増えている。発行件数も425万人と先月より25万人増えており、PASMOの発行枚数435万枚に迫っている。

 発行数が最も多いのはビットワレットのEdyで3190万。おサイフケータイユーザー数(610万)も最多で、こちらも先月と変わらずだ。

 発行枚数では、JR西日本のICOCAが300万枚を超え、303万枚となったのが目に付く。また、定期券以外の発行を中止しているPASMOも、426万枚から435万枚と増えた。定期券以外のPASMOは、9月10日から販売を再開する予定だ(8月8日の記事参照)

 発行件数を月間利用件数で割ると、稼働率が分かる。Edy、ICOCA、PASMOの月間利用件数が発行件数を下回る(=1枚あたり月1回以下しか使われていない)なか、Suicaの利用率(=1.01)、nanacoの利用率(=8)は高い数字といえる。特にnanacoの利用率は高く、ユーザー1人あたりnanacoを月に8回使っている計算になる※。またSuicaの利用件数には交通利用が含まれていないので、純粋に“かざした回数”だけを見るなら、稼働率はもっと高いことになる。

※nanacoカード/モバイルを1人で複数持っていないと仮定した場合。
サービス名 事業者名 発行枚数(おサイフケータイ分) 利用可能店舗数 リーダー/ライター台数 6月の月間利用件数 いつ時点の数字か 備考(※)
Edy ビットワレット 3190万枚(610万) 5万9000店 非公表 1950万件 7月末
ICOCA JR西日本 303万枚(なし) 272店 非公表 33万4000件 7月末
nanaco セブン&アイHLDGS 425万枚(41万) 1万1769店 推定2万3500台 3400万件 7月末 R/W台数は店舗数×2を目安に計算
PASMO PASMO協議会加盟事業者 435万枚(なし) 1793店 2035台 200万件 7月末 相互利用できるSuicaの加盟店を加えると1万9630店、3万2440台
Suica JR東日本 1817万枚※(58万) 1万9810店 3万4170台 1848万件 7月末 相互利用できるPASMOの加盟店を加えると1万9630店、3万2440台
WAON イオン 40万枚(なし) 4700店 非公表 非公表 7月末 利用可能店舗は関東中心

非接触ICポストペイ(後払い式、クレジットカード系)

 下表では、後払い式のFeliCa決済サービスの利用状況をまとめた。こちらはPiTaPaのみ7月末数字、iDとQUICPay、VISA TOUCH/スマートプラスは6月末の数字となっている。なお、VISA TOUCH/スマートプラスは3カ月ごとに集計を行っているので、先月と同じ数字を掲載している。

 ユーザー数が最も多いのはドコモや三井住友カードが推進するiD(328万)、次いでJCBやトヨタファイナンスが推進するQUICPay(240万)で、この順番は変わらず。iDのおサイフケータイユーザー数は、DCMX/DCMX miniユーザー数で推定している。QUICPayは会員数のうち何人がおサイフケータイユーザーかを明らかにしていないが、ジェーシービー広報部によれば「一時はユーザー数の約5割がおサイフケータイだったが、今はほぼ2〜3割」だという。おサイフケータイユーザー数が減っている要因は、トヨタファイナンスがクレジットカードをQUICPay一体型に切り替えているためと推察される。

サービス名 事業者名 会員数(おサイフケータイ分) 利用可能店舗数 リーダー/ライター台数 6月の月間利用件数 発行会社数 備考
iD NTTドコモ、三井住友カード他 328万人(285万人) 非公表 17万台 非公表 55社 6月末数字。おサイフケータイユーザーはDCMX/DCMX miniユーザー数より推定
PiTaPa スルッとKANSAI 79万人 1万6000店超 推定1万6000台超 2700万件(電子マネー+交通利用※) 12社 7月末数字。電子マネーのみの利用件数は非公表、発行会社数は提携カード発行11社+スルッとKANSAI
QUICPay JCB、トヨタファイナンス他 240万人(非公表※) 非公表 5万7000台 非公表 14社 6月末数字。会員数のうちおサイフケータイ利用者の割合は推定2〜3割
VISATOUCH
スマートプラス
三菱UFJニコス※ 22万枚(推定11万) 非公表 1万5000台 非公表 2社※ 6月末数字。会員数などは三菱UFJニコスの発表数。このほかOMCカードもVISA TOUCHを扱っている

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