ドコモのワンセグ端末の中でも圧倒的な人気を博したAQUOSケータイ「SH903iTV」が、さらに高機能・高性能に進化し、よりいっそうの薄型化を実現した。ドコモとしては第2世代のAQUOSケータイ「SH905iTV」は、同じく快適なワンセグ視聴環境を目指したVIERAケータイ「P905iTV」とともに、ハイエンドワンセグ端末の一翼を担う。
SH905iTVでは、サイクロイドスタイルという、シャープならではのワンセグ視聴スタイルは継承しつつ、さらなる画面の高解像度化や大型化を果たし、画質調整機能や30秒スキップ機能など、快適なワンセグ視聴環境を実現するためのさまざまな強化が施されている。
ディスプレイはSH903iTVの3インチワイドQVGA(240×400ピクセル)から3.2インチのフルワイドVGA(480×864ピクセル)に大型化した。新開発のNewモバイルASV液晶は1677万色表示に対応。しかもSH905iTVには「SH905i」に搭載されているものよりも色の再現力に優れた高演色バックライトを搭載しており、NTSC比で120%の色再現率を実現する。特に赤や緑の表現がより美しくなるとのことで、「SH905iと並べてみればすぐに違いが分かるくらい違う」(説明員)という。
屋外での視認性の高さも確保しており、リフレクトバリアパネルを搭載したほか、従来モデル同様6色カラーフィルターを採用する。高画質化エンジンも「SVエンジン+」に進化しており、コントラスト比はシーンによっては最大2000:1に上るという。なお、映像の内容に合わせて自動的にバックライトの明るさを調節したり、ワンセグのジャンルに連動して自動的に最適な画質に変更するインテリジェントな機能も備えた。
ただ、発表会場に用意されていたSH905iTVはまだかなり初期段階の試作機で、自由に手にとって触ることはできなかった。ワンセグもまだデモできる状態ではないとのことで、視聴できたのはiモーションの連続再生とドルビーモバイルの音響効果のみ。メニューやMULTI ASSISTANT機能などを実際に試すこともかなわなかった。
SH905iTVとSH905iとの違いは、ワンセグ視聴時の30秒スキップや10秒戻しなどの便利な操作機能の有無、ディスプレイの画質面が大きいという。このほか、SH905iTVでは映像ソースに合わせて画質と音質を自動調整する機能があるが、SH905iではこれが音質のみの自動調整になる点、SH905iTVはGPSや国際ローミング(GSM)に非対応な点などが異なるとのこと。
外観は背面のヒンジ側が金属ボディ、ディスプレイ側はメタリック仕上げだが樹脂製だという。ダイヤルキー側はSH905iと似ており、フレームレスキーを採用している。ただしSH905iTVでは[TV]キーがダイヤルキー下に用意されているほか、[MULTI]キーや[Eco]キーもダイヤルキーと同じ面にあるなど、若干の違いがある。
TOUCH CRUISERは、AQUOSケータイでは初めての採用となる。SH904iやSH905iが十字キーやソフトキーと一体感のあるデザインとしていたのに対し、SH905iTVではTOUCH CRUISERだけが独立して見えるデザインになっている。ディスプレイを横向きにしてフルブラウザを表示すれば、横長の画面でWebサイトが閲覧でき、TOUCH CRUISERを使ってカーソル操作もできる。PCとほぼ同じ感覚でWebブラウジングが可能だという。
なお、興味深いポイントとして、ステレオスピーカーをヒンジ側ではなくディスプレイ側に搭載したことも挙げられる。SH903iTVでは、ディスプレイが縦横どちらの位置でもきちんとステレオ再生ができるヒンジ部にステレオスピーカーを内蔵していたが、SH905iTVではディスプレイを縦にしたときの左上と右下、つまり対角線上にスピーカーを配置している。ディスプレイを横に回転させても、右上と左下にスピーカーが来るので、ディスプレイの向きにかかわらずしっかりしたステレオ再生が楽しめるとのこと。
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