“薄さ”から“個性”の時代へ――2007〜2008年 韓国メーカーの端末総覧韓国携帯事情(2/2 ページ)

» 2008年02月06日 21時57分 公開
[佐々木朋美,ITmedia]
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他にはないユニークさ、ターゲットマーケティング

 韓国の携帯電話のカラーといえばこれまでモノトーンというイメージが強かったが、最近は豊富なカラーバリエーションをコンセプトにしたものも多く見られるようになった。

 Samsung電子の「シークレットカラーフォン」(SK Telecom用SCH-W360/KTF用SPH-W3600)は、一見ダークシルバーなど無難なカラーの携帯電話だが、スライドを開くとカラフルなダイヤルキーが現れる、その名の通り“カラーが隠された”携帯電話だ。

 シークレットカラーフォンはマーケティングにも非常に力が入っている。以前Pantech&Curitelのモデルとして活躍していた歌手のBoAら、韓国の人気歌手を起用した「Anyband」というバンドが端末のミュージックビデオを出し、若者の間で話題となっている。さらに、化粧品ブランドの「Benefit」と提携したマーケティングも展開。Benefitの化粧品とポーチ、シークレットカラーフォンがセットとなった限定版を販売している。

photophoto Benefitと共同マーケティングから生まれたシークレットカラーフォンは、Benefitのキャラクターとセットとなったピンク、レッド、ブルー、グリーンの4種類。写真は「シークレットレッド ベティ」
photo BoAなど韓国の人気歌手が参加するユニット「Anyband」。11月末にはコンサートも行った

 Samsung電子は海外でも、若者と女性にターゲットを絞った端末を販売している。2008年1月には、欧州向けに女性用携帯電話の「L310」「L320」を発売。前者はブラック&ゴールドカラーのゴージャス端末、後者は落ち着いたカラーのエレガントな端末だ。

photophotophoto L310は、S字型のゴールドのヒンジが大変豪華な印象だ。L320は丸みのある、手に握りやすいデザイン。いずれも製品のイメージや価格を管理できるショッピングリスト、カロリー計算、ユーザーの好物などから似合う香りを提案するといった、ユニークなアプリケーション入り。

 カラフル端末といえば、LG電子が2007年8月に発表した「カラーホリック」(SK Telecom用LG-SC330/KTF用KC3500/LG Telecom用LC3500)が挙げられる。用意されたバリエーションは14色だ。また人気シリーズの「Shine」にも、欧州市場向けにピンク、アジア市場向けにゴールドが登場した。さらに、木目のShine Wood(LG-LB2500H)もLG Telecom向けに販売されているが、ここまでくると“輝く”というコンセプトのShineかどうかも分からなくなってくる。

photo カラーホリック携帯の開発にあたり、LG電子では20種類のカラー候補から、消費者調査を通じて14種類にまで絞ったのだという。ミント、バブルピンク、マリンなど、これまでには見られなかったような個性的な携帯電話が誕生した

photophoto 「カラーホリック」同様、消費者調査を通じてカラー決定したという新色Shine。ピンクは「活発で洗練されたイメージ」、ゴールドは「アジアで富と名声を意味する」という。一方外側を木目に変えるだけでまったくイメージが変わったのがShine Wood。折りたたみの内側は木目と合うブラックチタニウムで、落ち着いた雰囲気を持つ

 Pantechからは、とにかくユニークさで勝負する携帯電話がいくつか発表されている。「シューティングスター」(IM-U200)は「2008 International CES」で“Best of Innovation”賞を受賞した。

 シューティングスターは、横から見ると2つに折りたたんだ状態でもぴったりと閉じずに、少し隙間があいている。これは流星が落ちる際の模様をイメージしたものだという。星の輪の広がりを表現したダイヤルキーなど、宇宙のイメージが盛り込まれた近未来的な携帯電話だ。

 また「ロマンティック・ウェイブ・スリムフォン」(IM-S300)は、見ての通りボタンが波打っている独特なデザインだ。このボタンと、スライドアップすると現れるダイヤルキーは、操作するとライトバイオレット(薄い紫)に光る。恋した際のドキドキ感を表しているのだという。

photophoto 「ロマンティック・ウェイブ・スリムフォン」は、軽く押すだけで自動的にスライドアップできるのが特徴。、既存のスプリング式ではなく、磁石の原理を利用しているという(左)

「シューティングスター」(右)。画面をぐるりと回すとダイヤルキーが現れる、リボルバースタイル。白と黒の本体に、グリーンカラーや模様がポイントとして置かれている。これだけでなんとなく宇宙的な雰囲気になってしまうから不思議だ

 2007年、Samsung電子が世界市場で販売した携帯電話の台数は、2006年に比べ42%多い1億6100万台。同年LG電子は8050万台を販売して、2006年に比べ27%程度多く販売した。Samsung電子の2007年売上額は63兆1800億ウォン(約7兆1264億円)で、初めて60兆ウォンを超える快挙を成し遂げた。LG電子の年間売上額も40兆8479億ウォン(約4兆6075億円)で、2006年に比べ11%増加した。

 こうした実績は、各社の携帯電話部門の好調が支えているとの見方が強い。世界市場においてSamsung電子はNokiaを、LG電子はSony Ericssonをそれぞれ意識し、それぞれのメーカーを超える製品の開発や市場開拓、マーケティングに余念がない。

 Samsung電子もLG電子も、プレミアム携帯をはじめターゲット層の感性に響くようなデザインやイメージでユーザーにアプローチしている。Pantechが経営難の後に選択した道は、Curitelよりも高いブランドイメージを持っていた「SKY」ブランドの製品開発に絞ることだった。

 こうした傾向は2008年もさらに続くと予想される。それだけに、今後どれだけユニークな携帯電話が発表され、どのようなマーケティングが展開されるのか、大変楽しみである。

佐々木朋美

 プログラマーを経た後、雑誌、ネットなどでITを中心に執筆するライターに転身。現在、韓国はソウルにて活動中で、韓国に関する記事も多々。IT以外にも経済や女性誌関連記事も執筆するほか翻訳も行っている。


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