第3回 上海で契約──利用開始までひと苦労徹底解説 ウィルコムのPHSを中国で使う方法(2/2 ページ)

» 2008年07月03日 18時57分 公開
[山根康宏,ITmedia]
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残高はどうやって増やすのか──利用開始に戸惑う

photo 中国電信の残高追加カードとX PLATE。残高追加カードは各種支払いにも利用できる。背面にはカード番号とパスワードが印刷されている

 今回はPIMカード契約だけ行った。手続き料金は10元(約150円)で、契約窓口の隣の支払い専用窓口で行う。この領収書を再度契約窓口へ提出すると、無事PIMカードが受け取れた。広州と同様に、残高のマイナスが3カ月続いた場合にその番号は停止となる。

 ちなみに、こうなった場合は「自動解約は“されるかもしれない”」とあいまいな返事。これは「お金は払えないが、番号は維持してほしい」という利用者が多いためと推測される。旅行者とすれば、そもそも短期滞在ゆえ自動解約されても一向に構わない、というか逆に解約しておいてほしいのだが、いずれにせよ残高がマイナスになったまま放置しても、あとから多大な請求が行われることはない。

 X PLATEにPIMカード入れると、広州の時と同様にPIMモードで起動する。この段階では残高がまだゼロのため、残高追加カードを購入して自分で残高を追加する必要がある。

 カードの額面は50元と100元の2種類あり、同じビルの3階に残高追加カードの売場があるのですぐに購入できた。ちなみにこの3階は携帯メーカーの修理センターなども入っており、少し迷ったが、残高追加カード売場はテレホンカードなどが展示してある奥のほうの一角にあった。残高の追加方法は以下のとおり。

  1. 残高追加カード背面のスクラッチ部分を2カ所削る(カード番号、パスワードを出す)
  2. 小霊通から「96088」に電話をかける
  3. アナウンスが流れる。(「1」を押すと中国語、「2」を押すと英語ガイダンスになる)
  4. 「5」を押す(「PHSの残高追加」の項目)
  5. 「#」を押す(「自分の電話番号に追加」の項目)
  6. 番号がアナウンスされるので、「1」を押す(確認)
  7. 「1」を押す(「残高追加」の項目)
  8. 残高追加カード番号(12桁)を押し、最後に「#」
  9. 残高追加カードのパスワード(4桁)を押し、最後に「#」
  10. 入れたい金額の数字を入力(「50」なら50元)
  11. この金額がアナウンスされるので「1」を押す(確認)
  12. チャージされた残高がアナウンスされる
photo 契約書は広州とは書式が異なる。PIMカードは同じ柄だった

 今回は「6」の段階でなぜか「System Busy」とアナウンスされてしまい、先に進めないトラブルに遭遇した。そういえば3年前も、夕刻の混雑のためにうまく残高追加手続きができなかった記憶がある。今回は夜中まで2時間おきに何度も試したが、やはり手続きできず。せっかくPIMカードを契約しながらも初日はまったく利用できなかった。

 そこで翌日、再度同じ営業所を尋ねた(今回はトラブル発生によるクレームであるので、やはり現地の友人に同行を願った)。カード販売カウンターの店員に同様の作業を行ってもらったが、やはりできないようだ。「おそらく明日ならできるかもしれない」ともいう。どんな根拠で“おそらく”なのかも分からない(笑)。

 少しすったもんだがあった末、残高を追加できなかったのは「そもそも最初の開通作業ができていなかった」のが原因だった。PIMカードを入れた小霊通端末から最初に「1183143」へ発信しなくてはならず、これは本来、中国電信の店員がやるべきことだったようだ。

 ちなみに販売店の顧客管理端末から直接残高を追加できるのか聞いてみたが「残高の追加はPIMを入れた端末から行う方法しかない」という。というわけで、上海で小霊通PIMカードを契約する際には、あらかじめに残高追加カードを買っておき、契約が終わったらその場で店員に残高追加作業も一緒に行ってもらうことをおすすめしたい。

 基本料金も安く、旅行者もかなり買いやすくなっているとはいえ、残念ながら英語も通じにくいことや、あらかじめ残高がない状態でPIMカードを受け取ることから、上海でのPIMカード契約は他都市より若干難易度が高いといえる。

カバーエリアは携帯よりやや狭いが、着信無料などのメリット

 上海の利用状況は、屋外や建物内でほぼ問題なく利用できたが、地下エリアの一部や地下鉄トンネル内で利用できないことも多かった。やはり携帯と比べるとカバーエリアは狭いが、着信無料や現地の番号を利用できるメリットもあるので、あれば損することも少ないだろう。

photophoto 屋外での利用はほとんど問題ない。後ろは上海名物の1つ、東方明珠放送テレビタワー(左)。もう1つの観光名所「外灘海底トンネル」。この中では地下鉄と同様に、携帯は利用できたが小霊通は残念ながら圏外だった

 中国は広く、ところ変われば商習慣や契約システムもかなり異なることがある。同じ中国電信がサービスを提供していながらも、広州と上海では料金も販売方法も異なることが分かった。

 では次回はいよいよ中国の首都、北京でPIMカードの入手に挑戦してみることにしよう。

(次回へ続く)

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