下り最大3.6MbpsのHSDPAに加えて、IEEE802.11b/g対応の無線LANが利用できるノキアの「X02NK」は、音声端末としてはコンパクトなサイズながら高速に動作するフルブラウザを内蔵し、PC向けのWebサイトにも快適にアクセスできる点が魅力の端末だ。そのX02NKの魅力をさらに高める機能として、全国約6000カ所のアクセスポイントにワンタッチで接続できる「WirelessGate Connection for S60」の提供が始まった。
WirelessGate Connection for S60でワンタッチ接続が可能なのは、トリプレットゲートが提供する「WirelessGate」(ワイヤレスゲート)の公衆無線LANアクセスポイントだ。WirelessGateは、BBモバイルポイント、livedoor Wireless、成田空港Airport-Netの公衆無線LANアクセスポイントを、月額840円の定額で利用できる。いずれのネットワークもシームレスに、しかも接続時間無制限で利用可能。全国のマクドナルド、主要空港、主要駅、商業施設、ビジネスホテルなどに加え、成田空港、東京都内なら山手線の内側の屋外でも広く無線LANでのインターネット接続をサポートしている。
WirelessGate Connection for S60の導入は極めて簡単だ。X02NKのダウンロード機能からインストールできるので、ブラウザでWebサイトなどに接続する手間すらない。メニューを開いて中央の一番下にある「ダウンロード」を開くと、「NAVITIME」などと並んで「WirelessGate for S60」があるので、これを選べばいい。ダウンロードの一覧に表示されていない場合にはリスト更新を実行すればOKだ。ダウンロードが終了すると自動的にインストールが始まるので、ほとんど手間なしと言ってもいいだろう。これはX02NKにコンセプトである「つながる、ひろがる、オモシロがる」を具現化した1つの形と言える。
なおX02NKのダウンロード機能は無線LAN接続でも利用できるので、あらかじめ自宅の無線LANなどを利用できるようにアクセスポイントを設定しておけば、パケット通信料なしでWirelessGate Connection for S60を入手することもできる。
接続IDとパスワードを取得したら「WirelessGate Connection for S60」に設定を行う。他にESS-IDや暗号キーといった無線LAN接続の設定などはまったく必要ない。導入も契約も本当に手軽なのだ。
WirelessGateのアカウントを持っていなければ、インストール時に「WirelessGate」の契約を行う事もできる。契約用のWEBサイトに誘導してくれるので、クレジットカードがあればその場で契約を完了し、使い始める事が可能だ。今なら契約月は料金が無料のキャンペーンも行われている。
なお、現在ヨドバシカメラでは、入会金・初期費用不要、最大2カ月間無料、以後月額380円でWirelessGateを利用できるヨドバシカメラ・オリジナルプラン(外部リンク参照)を提供している。ヨドバシカメラの店頭か、ヨドバシ・ドット・コム(外部リンク参照)でキャンペーンコードを入手して申し込むだけでいいので、まだ会員登録をしていなければ、こちらの専用プランを使うのがいいだろう。X02NKをヨドバシカメラで新規に購入し、WirelessGate ヨドバシカメラ・オリジナルプランに加入した場合は、月額費用が最大6カ月無料になるキャンペーンも実施している。
X02NKにWirelessGate Connection for S60を導入するとWirelessGateでの公衆無線LAN接続をパケット通信と同じ感覚で利用できる。X02NKでは、ブラウザなどがインターネット接続を要求すると、アクセスポイントの一覧を表示し、アクセスポイントを選択するとインターネット接続を開始する。WirelessGateの公衆無線LANが利用できる場所ではアクセスポイントとして「WirelessGate」が表示されるので、これを選択するだけでいい。WirelessGate Connection for S60が公衆無線LANへのログイン処理を行ってくれるので、他社の公衆無線LANサービスでは一般的なブラウザ認証も必要ないし、ログアウト手順も不要だ。
ちなみにWirelessGate Connection for S60は、ノキアが提供している公衆無線LAN自動認証ライブラリである「WiFi Hotspot Framework」を使用して実現している。端末メーカーであるNOKIA自身が公衆無線LANの活用に積極的に取り組んでいる結果が、この使い勝手の良さにつながっているわけだ。
X02NKに搭載されている「WLANスキャン機能」も活用すると便利だろう。有効にしておくと定期的に無線LANの電波を検索し、「WirelessGate」が利用できる場合には待受画面に表示してくれ、「表示」を選んで決定キーを押すだけでブラウザを起動できる。屋外で利用する場合など、「この辺りなら使えるかな」と思ったら待受画面を確認して、さっとブラウザを起動できるのが便利だ。
X02NKはHSDPAでのパケット通信に対応しており、下り最大3.8Mbpsでの高速通信が行える。メールの送受信はもちろん、Nokia Web Browserを使ったPC向けのWebサイトのブラウジングも実用的な速度で利用できる。しかし最大54Mpsの受信速度を持つ無線LANなら、さらに快適にインターネットが利用できる。
実際に利用頻度が高いと思われるWebブラウズを、パケット通信とWirelessGate経由の公衆無線LAN接続で比較してみた。文字中心のニュースポータルサイトと、写真も豊富に含まれているニュースサイトを全て受信するまでの要した時間を計測したのが下の表だ。WirelessGateでは最大54Mbpsをサポートするエリアもあるが、現時点ではまだ最大11Mbpsのエリアも多いので、今回はこちらのエリアでテストしてみた。無線やインターネットはさまざまな影響を受けて通信速度が変化するので、ブラウザキャッシュをクリアしてからすべて3回ずつ計測している。
接続方法 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 平均 |
---|---|---|---|---|
パケット通信 | 31.7秒 | 32.6秒 | 33.1秒 | 32.5秒 |
WirelessGate | 25.5秒 | 26.6秒 | 26.1秒 | 26.1秒 |
接続方法 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 平均 |
---|---|---|---|---|
パケット通信 | 53.2秒 | 49.7秒 | 48.6秒 | 50.5秒 |
WirelessGate | 36.6秒 | 35.1秒 | 34.4秒 | 35.4秒 |
Webブラウザは単にデータを受信するだけでなく、受信したデータをページとしてレンダリングする作業も必要になるので、単純に通信速度だけの差にはならないのだが、やはり公衆無線LAN接続は高速だ。文字中心のサイトでも約20%、画像が多いサイトでは約30%も受信に要する時間が短い。後者ではその速度差をはっきりと感じる事ができる。最大54Mbpsに対応したエリアでは、さらなる高速化も期待できるので、ぜひとも公衆無線LANとの併用環境をおすすめしたい。
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