11月5日、NTTドコモが冬から春にかけて発売する新モデル22機種を発表した。
新モデルは、「STYLE」「PRIME」「SMART」「PRO」「らくらくホン」という5シリーズ構成。ラインアップの分類を“機能ありき”から“生活スタイルありき”へと変更し、ユーザーが生活シーンに合った端末を選べるよう配慮した。
新サービスは、待受画面上のデスクトップマスコット「マチキャラ」を通じて、1人1人ユーザーに最適化した情報をプッシュ配信する「iコンシェル」、利用頻度の高い情報を素早く確認できる「iウィジェット」、複数のユーザー間でリアルタイムにゲームを楽しめる「iアプリオンライン」、地図アプリ上で最大5人までの居場所をリアルタイムで確認できる「地図トーク」を提供。また、ストリートビューに対応するモバイルGoogleマップを17機種にプリセットする。
新モデルは11月19日に発売される「F-01A」を皮切りに、順次投入予定。SMART seriesの4モデルとPRIME seriesの「F-03A」、STYLE seriesの「P-02A」、PRO seriesの「SH-04A」「BlackBerry Bold」「Nokia E71」は、2009年の発売を予定している。
ドコモが発表会を終えたことで、携帯大手3キャリアの新ラインアップが出そろい、各キャリアの戦略も明確になった。それぞれの戦略については、通信ジャーナリスト 神尾寿氏の分析コラムを参照してほしい。
11月6日、イー・モバイルが冬商戦向けの新モデルを発表した。同社は11月20日から上り最大1.4MbpsのHSUPAを導入することを明らかにし、HSUPA対応のデータ通信カード3モデルと、BluetoothやGSMに対応した音声端末「E.T.」、通話機能とミュージックプレーヤーを搭載したデータ端末「H11LC」を投入する。
発表会に登壇したイー・モバイル 執行役員副社長の阿部基成氏は、「人間はぜいたくなもので、モバイルブロードバンドサービスを日常的に使っていると、上り(アップロード)がちょっと遅いかなと思うことがある。そこで今回は上り最大1.4MbpsのHSPUAに対応し、現在の上り最大速度(384kbps)から約3倍高速化する。プレゼンテーションファイルや写真を添付したメール、ブログの更新、動画ファイルのアップロードも素早く行えるだろう」と、HSUPA導入のメリットを説明。また、UMPCなどモバイル環境で使うPCでのWebストレージ活用にも期待を寄せた。
実効速度については、「現在と同じでは意味がないので、少なくとも384kbpsの倍は出るようにしたい。我々は人口カバー率そのものを拡大している最中だが、接続が集中するとどうしても混むエリアも出てくる。現在、そういった点も含めて増強しているところだ」(阿部氏)と説明。対応エリアは11月20日のHSUPAサービス開始時に、全国47都道府県の主要地域など自社サービスエリアの40%で高速化し、その後、2009年3月までに自社サービスエリア全体をHSUPA化する見込みとしている。
ソフトバンクモバイルが、2009年始めに水戸市内でLTEの実証実験を開始する。
今回の実証実験では、2008年1月から2月にかけて実施した屋内実験で、下り最大150Mbpsのスループットを達成したことを受け、屋外での電波伝搬や干渉特性、スループット特性、モビリティ性能、MIMOなどの評価を行う。水戸市内の3つの基地局で商用装置に近い構成のシステムを設置し、商用化に向けたデータ収集を行う予定。実証実験用の装置は、中国の華為技術(Huawei Technologies)の日本法人、華為技術日本(ファーウェイ・ジャパン)が提供する。
11月7日には総務省が開催した3.9Gシステムの導入に関する公開ヒアリングの席上で、KDDI 副社長の伊藤泰彦氏がLTE採用を正式に発表した。
KDDIは、今年7月の四半期決算会で小野寺正社長が「マーケットをみればLTE以外の選択肢はない状況」と述べるなど、LTEの採用が確実視されており、今回、正式な方針として発表。導入の理由には「コスト・汎用性」「国際動向」「将来発展性」を挙げている。
LTEについてはドコモやソフトバンクモバイル、イー・モバイルが採用を決めており、今回、KDDIが採用を表明したことで、日本の携帯4キャリアがそろってLTEを導入することになる。
ソフトバンクモバイルの子会社で、モバイル機器向け次世代マルチメディア放送事業の検討を進めているモバイルメディア企画が、事業検討に当たっての放送技術をMediaFLOからISDB-Tmmに変更すると発表した。同社は2009年にも、ISDB-Tmm方式によるフィールド実験を開始するとしている。
ISDB-Tmm方式は次世代マルチメディア放送向け規格の1つで、ワンセグとの互換性を保ちながら、蓄積型コンテンツ配信などの新サービスを展開できるのが特徴。同方式については、NTTドコモもフジテレビ、ニッポン放送、スカイパーフェクト・コミュニケーションズ、伊藤忠商事らと企画会社を立ち上げ、技術やサービスの検討を進めている。
ISDB-Tmm方式への変更は「国産技術を採用することで、業界全体でビジネスモデルの成立を目指せる」(ソフトバンクモバイル広報)という理由によるもの。また、電波の有効利用や、国民に平等にサービスを提供するという観点でも、同方式が適しているとした。
今回のモバイルメディア企画の方針転換により、次世代マルチメディア放送事業でMediaFLOを推進する携帯キャリアは、KDDIとクアルコムジャパンが出資するメディアフロージャパン企画のみとなった。
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