シャープは2000年に携帯電話初のカメラ搭載機「J-SH04」(J-PHONE向け、現ソフトバンクモバイル)をリリースし、“写メ”文化の礎を築いた。続いて2003年にはメガピクセルカメラ搭載機「J-SH53」(J-PHONE向け、現ソフトバンクモバイル)と「SH505i」を、2004年には光学ズーム搭載機「V602SH」(ボーダフォン向け、現ソフトバンクモバイル)を、そして2006年には光学3倍ズーム対応の5Mカメラ搭載機「910SH」を投入するなど、ケータイカメラの進化をリードしてきた。
長谷川氏は「ケータイのカメラは、2011年には87.2%まで搭載率が上がると予想されている。世界的に見ても、多くの人がケータイで写真を撮りたいと思っている」と分析。一方で、「日本のユーザーがケータイカメラの性能に満足しているかというと、必ずしもそうではないと考える」。
ここ最近のケータイカメラで主流になりつつあったCMOSセンサーは、「暗い場所では鮮明に写らない」「色味が悪い」「動きの多い被写体は形がゆがむ」などのデメリットがある。
そこで、今回の秋冬モデル3機種にはCCDセンサーを採用した。CCDセンサーであれば、暗い場所でも高い色再現性を実現し、動きの多い被写体もゆがまず、暗いシーンでもノイズの少ない写真を撮影できる。さらに、独自の画像処理エンジン「ProPix」を搭載することで、肌色をきれいに再現し、暗い画像でもノイズが目立たないなど、より美しい写真を撮れるようになった
「ProPixは、CCDのメリットをさらに強化したもの。デジカメの画像処理エンジンに勝るとも劣らない性能を持ち、“プロが撮った写真を実現する”という意味を込めてネーミングした」という。もちろん、最大8Mの高画素センサーにより、細部まで美しく描画できるのも大きな進化点だ。
長谷川氏は「多くの人はケータイとデジカメを別々に持ち歩いているが、ケータイのカメラ性能を飛躍的に向上させることで、2台持ちではなくケータイ1台にしてほしい」と、今回の新機種でカメラ機能を強化した意図を説明した。「ライバルはコンパクトデジカメ」とし、「今後の機種にもCCDカメラは継続して搭載する」という。

説明会場では、光を遮断した箱の中で撮影をするデモンストレーションを実施。写真左が930SHで、写真右がSH905i。930SHも撮影時のモニターではややノイズが目立つが、SH905iよりははるかに鮮明で、被写体も十分識別できる。なお、秋冬モデルの800万画素CCDカメラ搭載機には、静止画撮影時の「手ブレ補正」は搭載されていないが、「メカニカルシャッターと画像処理エンジンProPixで手ブレをカバーできる」(説明員)という


「AQUOSフォトプレーヤー」にmicroSDやmicroSDHCを挿入してHDMIケーブルでテレビ接続すれば、撮影した写真のテレビ出力やプリントができる。テレビでのサムネイル表示やスライドショー、カレンダー作成やサムネイル印刷も可能
11万画素カメラから800万画素CCDカメラまで、シャープがこれまで採用してきたケータイ向けカメラモジュール。新しいカメラモジュールはタテ11×ヨコ11ミリの小型サイズを実現した。ちなみに、AQUOSケータイ 923SHなどに搭載されている520万画素CMOSカメラモジュールのサイズはタテ9.5×ヨコ9.5ミリ
説明員によると、「1/2.5インチのケータイ向けAF(オートフォーカス)付き800万画素CCDカメラモジュール」は業界初だという。なお、今回の800万画素CCDカメラは光学ズームには非対応。その理由は「レンズのサイズを抑えるため」だが、「光学ズームのニーズがあることも認識しているので、小型の光学ズーム対応カメラモジュールを開発できるか研究中」とのこと
写真で解説する「SH-01A」
写真で解説する「SH-02A」
写真で解説する「SH-03A」
写真で解説する「SH-04A」
写真で解説する「AQUOSケータイ W64SH」
写真で解説する「AQUOSケータイ FULLTOUCH 931SH」
写真で解説する「930SH」
ディズニー・モバイル、“光の魔法”がテーマの防水端末を発表──「DM003SH」
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“業界最多”の10機種45色で展開──2008年夏モデルに見るシャープの強みCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.