ヤマハは4月7日、音声合成ソフト「VOCALOID」をオンラインで操作できるようにする「NetVOCALOID」を開発し、携帯電話向けサービスプロバイダ向けに提供を始めたと発表した。サーバ上のVOCALOIDをユーザー端末から操作して歌わせることが可能で、クリプトン・フューチャー・メディアとインターネットが9日から新サービスを始める。
VOCALOIDはヤマハが2003年に開発した音声合成ソフト。ライセンスを受けて「初音ミク」(クリプトン・フューチャー・メディア)や「がくっぽいど」(インターネット)が発売され、合計で10万本超を販売する人気になった。
VOCALOIDソフトはPCにインストールして利用する形だが、「もっと手軽にVOCALOIDを楽しみたい」といった一般ユーザーのニーズや、「ネット上の自社コンテンツと組み合わせて提供したい」といったサービスプロバイダの要望があったという。
NetVOCALOIDは「VOCALOIDのSaaS」。サーバ上にVOCALOIDを実装し、サービスプロバイダ向けに歌声合成機能を提供する。一般ユーザーが端末でシーケンスデータ(独自仕様のXMLファイル)を作成すると、サービスプロバイダ経由でNetVOCALOIDサーバに転送し、歌声を合成。エフェクト(リバーブ、コンプレッサー)を加え、オーディオデータ((MP3/FLAC)に変換した上でサービスプロバイダのサーバに転送する──という仕組みだ。
NetVOCALOIDの機能はWeb API化しており、サービスプロバイダの開発者はAPIを呼び出して自社サービスに組み込めるようにした。
ネット上のアバターに歌を歌わせたり、インタラクティブなゲームに歌声合成を組み込むなど、「これまでPCパッケージソフトのみだった歌声合成ソフトのビジネスが、インターネットにつながる様々なプラットフォームで可能になる」としている。
第1弾として9日に登場するサービスは、クリプトン・フューチャー・メディアの「ミクと歌おう」と、インターネットの「ケータイがくっぽいど」。それぞれ、おなじみのVOCALOIDを携帯電話から利用できるようにする。
サービスプロバイダから要望があれば、新キャラクターの歌手データを作成してサーバに組み込んでいく。サービスプロバイダが独自に歌手データを作成するのを支援するサービスも検討していく。
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