2009年秋冬商戦の先陣を切ったのはKDDIだった。2009年秋冬モデル8機種に2010年春モデル5機種を加えた13機種をまとめて発表し、10月下旬から順次発売する。そんなauの新機種で、さり気なく省かれているサービスがあるのをご存じだろうか。待受画面をカスタマイズしてさまざまな情報を表示できる「au one ガジェット」が、「EXILIMケータイ CA004」と「SA001」「T003」以外の機種では搭載されていない。
au one ガジェットは、KDDIの共通プラットフォーム「KCP+」導入と同時に提供され、「マルチプレイウィンドウ」と並ぶKCP+の注目機能・サービスとして話題を集めた。だが当初はガジェットの動作が遅く、正直なところ「使いやすい」といえる出来ではなかった。その後、KCP+の動作を改善する中でau one ガジェットの使い勝手も(当初よりは)向上しつつあったが、今回は多くの機種で見送りとなった。
新機種の多くにau one ガジェットを搭載しなかったのは、「秋冬モデルと春モデルのラインアップや端末の特色を考えたところ、au one ガジェットはマッチしないと判断した」(KDDI広報部)ことが理由だという。「機能重視でインパクのあるモデルを投入する夏商戦に比べ、秋冬商戦ではどちらかというと女性向けの機種が多いので、機能やサービスをすべて搭載することにはこだわらなかった。あとはコストの問題もある」(同)
この流れで行くと、au one ガジェットは「Hello Messenger」のように終了してしまうことが心配されるが、「全廃するわけではない」(KDDI広報部)とのこと。「端末の特徴から必要だと判断したら、今後も搭載する」
とはいえ、au one ガジェットには新しいコンテンツが頻繁に追加されているわけでもなく(2009年5月14日から新着ガジェットは追加されていない)、使い勝手を考えると、ユーザーの利用頻度がどれほど高いかは現時点でも未知数といえる。全廃はないとはいえ、(au one ガジェットに)大きなバージョンアップがなければ、FMラジオやテレビ電話のように、各商戦期の対応機種は1〜3機種程度になりそうだ。ちなみに、新機種でFMラジオを搭載しているのは「AQUOS SHOT SH003」と「SH005」「AQUOS SHOT SH006」の3機種、テレビ電話を搭載しているモデルはない。
個人的には、Hello Messengerやau one ガジェットなど、鳴り物入りで登場したサービスがなくなりつつあるのは寂しい限りだが、利用頻度とコストを考えると、致し方ないのだろう。
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