マルチメディア機能同様、ビジネス志向からはなかなか想像できないかもしれないが、シェアウェアやフリーウェアも含めたアプリケーションの多さも魅力だ。例えば定番ものだけでもざっと挙げると、Googleからは内蔵GPSを利用できる「Google Maps」(日本語対応)、アドレス帳やスケジュールを同期できる「Google Sync」も提供されているし、Windows Mobile端末やSymbian OS端末ではおなじみのWebブラウザ「Opera」もある。
国内向けのサービスとして「NAVITIME」(有料)、「産経ニュース for BlackBerry Bold」などが提供されているし、再生できるのはモバイル版に限られるがYouTubeクライアントも複数存在する。表示が日本語化されていないアプリも多いとはいえ、日本語の扱いそのものは問題ないことも多い。
今どきだと気になるTwitterクライアントも豊富だ。ブラウザ経由でもTwitterは利用できるが、PCでもそうであるように、専用アプリを利用すれば格段に快適に使える。BlackBerry向けの公式アプリケーションストアである「BlackBerry App World」(但し現状では、有料アプリは英語圏のみで販売、無償アプリのダウンロードは日本でも可能)で検索するだけでも10以上のクライアントが確認できる。
筆者はUberTwitter(無料版)を利用しているが、日本語が問題なく扱えることはもちろん、静止画、動画の投稿も可能で、フォロー、アンフォロー、ブロックといった操作も簡単に行える。内蔵GPSを利用した位置情報の付加も可能だ。またショートカットもスペースでページ送り、「T」で一覧先頭、「B」で一覧末尾とBlackBerry端末らしい操作が可能で、スクロールも非常に高速なので移動中につぶやきを見るだけなら片手でサクサク操作できる。積極的につぶやく際にもQWERTYキーボードの存在は大きく、Twitterのモバイル利用には非常に魅力的な端末だ。
かいつまむ形でBlackBerry Boldの魅力を紹介してみたが、もちろんほかにも魅力的な部分は多い。例えばビジネス利用を強く意識したものだが、プリセットだけで6つが準備された動作音やバイブレーターなどの動作モード、専用ホルスター装着時に変更できる着信音などは、ビジネスシーンはもちろん、プライベートユースでもスマートな使いこなしを可能にしてくれる。無線LAN機能は802.1x認証にも対応し、公衆無線LANへの自動ログインも可能だ。また文字入力を除けば、トラックボールとその左右のキーだけでほとんどの操作が可能な点もよくできている。これは標準機能だけでなくアプリでもほぼ共通で、片手での操作でさまざまな情報にすばやくアクセスできる。とにかくスペックでは分からない魅力が多いのだ。
すでに文中でも触れたが、BlackBerry Boldは単にQWERTYキーボードを備えるのではなく、ソフトウェアも含めて熟成された操作性と機能性を持ち、その上に強力なAV機能と豊富なアプリがそろっているスマートフォンだ。国内においては、FOMAネットワークに対応し、地方部のFOMAプラスエリア(800MHz)にももちろん対応しているので、エリアの心配をすることなく3Gネットワークを利用できる。いつでもどこでも使える、強力なメール端末としてだけ見ても、十分に魅力的な存在だ。ケータイメールの使い勝手に不満を持っているなら、一度BlackBerry Boldの活用を検討してみてはどうだろうか。
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