小学館はiPhone用国語辞書アプリ「小学館デジタル大辞泉」のVer. 4.0を発表した。App Storeで販売が開始されており、価格は2000円。従来ユーザーは無償アップグレードされる。総項目数は23万6000。3200項目が新規追加され、 8000項目が修正されている。
今回は単なるデータ更新だけではなく、手書き文字認識エンジンを搭載するなどさまざまな機能強化を行っている。開発担当は、iPhoneデベロッパーとして定評のあるHDMT。
データに関しては、7月に校了したものを使用しているが、校了後に出たウサイン・ボルトの世界新記録も反映させるなどのこだわりもみせていると、小学館の新百科編集編集長である板倉俊氏。さらに、年間3回のアップデートで最新の時事ワードにも対応する。
Ver. 4.0で新たに加わったデータとしては、カラー図版2600点がある。これらは項目に連動して表示されるだけでなく、図版のみを一覧したり、スクリーンセーバーモードでランダムに閲覧することが可能だ。スクリーンセーバーは収録語も表示できる。
検索機能では、従来のインクリメンタルサーチに加え、濁音、半濁音、直音、拗促音を無視した高速サーチができる。例えばバグダッドは、バグダット、バクダットといった覚え方をしている人が多いが、「はくたつと」で「バグダッド」が引ける。
アルファベットの半角全角の揺れにも対応する。外来語の表記については、例えばiPhoneであれば、アイホン、アイフォン、アイフォーンといった語句でも引ける。「デジタル大辞泉Ver.4.0は言葉を検索することに特化した辞書アプリ。まぜ書きにも対応できるようデータを裏側で作っている。3.0とはまったく違ったアプリになった」と板倉氏。
表示にもこだわった。今回は、「ほぼ門外不出」の凸版明朝体を搭載。iPhoneのUnicodeをさらに超えた外字の数を誇る。また、ピンチイン、ピンチアウトで3段階の拡大が可能。
最大の目玉はパナソニックの手書き文字認識モジュールを使った検索機能だ。iPhoneでは中国語の手書き文字認識をOSで使うことは可能だが、日本語専用ではないため、国字やひらがな、かたかなは使えない。新バージョンではJIS第二水準まで対応し、読めない文字も調べることが可能となる。
このほかにも、地図機能強化、横レイアウト対応、外部リンクでのSafari対応(戻ったときにはリンクをしたときの状態でレジュームされる)といった機能が搭載されている。
HMDTの木下誠氏は「今回は国語辞典としての使いやすさを目標とした。高速検索の目標は0.1秒だった」とし、次はフォントデータの軽量化や外部アプリの連携などを考えているという。
小学館のiPhoneアプリ専用のTwitterアカウント@iPhoneAppShoも開設されており、関連情報をつぶやくほか、同アカウントをフォローして「大辞泉希望!」とつぶやくと抽選でプロモーションコード(米国アカウントが必要)が送られるなどのユニークなプロモーション活動を展開中だ。
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