今回の補足(その1)として、ディスプレイ下のキーについてもチェックした。初期のAndroidスマートフォンは、ディスプレイ下に戻る/ホーム/メニューといった3〜4つの物理キーを搭載したモデルが多かったが、画面下部にオンスクリーンキーの搭載が可能になったAndroid 4.0以降は、物理キーを採用したモデルが減りつつある。今回はXperia、ARROWS、MEDIAS、AQUOS PHONE ss/Xx/esなどがオンスクリーンキーを採用している。
凹凸のある物理キーはどうしてもデザイン上のノイズになってしまい、薄型化・小型化の観点からもオンスクリーンキーの方が都合がいい。一方で、オンスクリーンキーは画面下部を占有するため、表示領域が狭くなるというデメリットがある(写真や動画など、オンスクリーンキーを非表示にできる場合もあるが)。
今回取り上げている23機種の中で、ディスプレイ下に3つの物理キーを搭載しているのはURBANOのみ。今や物理キーを搭載するスマートフォンは珍しい存在になりつつある。ELUGA PやGALAXY S4は、ホームボタンのみ物理キーで、その左右にある戻る/メニューキーはセンサーキーとなっている。ホームボタンが物理キーである最大のメリットは、片手で簡単にスリープ状態から復帰できること。電源キーでも同様の操作はできるが、上端部に電源キーがあると片手では押しにくい。
ちなみに、今回の機種ではGALAXY S4のみ、戻るキーが右側にある。オンスクリーンキーや後述するセンサーキーを含め、最近は戻るキーは左側にある機種がほとんどなので、違和感を覚えるかもしれない。
AQUOS PHONE ss/esは、オンスクリーンキーを採用しているが、ディスプレイ右下にある「クイック起動キー」を短押しか長押をすると、事前に割り当てた機能を呼び出せる。このクイック起動キーはホームボタンとしても活用できて便利だ。MEDIAS Xもオンスクリーンキーを使うが、ディスプレイ下にスリープオン/オフ用のキーを搭載しているのがユニークで、片手操作のしやすさに貢献している。
第三の勢力(?)として注目したいのが、センサーキーを搭載したモデル。センサーキーならフラットに見せることと、オンスクリーンキーで画面の一部を占有しないことを両立できる。今回、センサーキーを採用しているのはAQUOS PHONE ZETA/si/SERIE、「Ascend D2 HW-03E」、Optimus it、「HTC J One HTL22」。ただしスリープ状態の復帰には電源キーを使う必要があるので、本体が大きくて電源キーが上にある「AQUOS PHONE ZETA SH-06E」「AQUOS PHONE SERIE SHL22」、HTC J Oneは少々不便だ。また、HTC J OneはHTCロゴを中央に配した関係で、HTC J butterflyなどにはあった、マルチタスクキーがなくなっている。「最近起動したアプリ」一覧を呼び出すにはホームキーを2回連打する必要があるほか、butterflyで採用されていた、マルチタスクキーをメニューキーとして使える設定も廃止されており、操作性を損なっているように感じる。
らくらくスマートフォン2はホームボタン、シンプルスマホは電話、ホーム、メールを物理キーとして用意している。らくらくスマートフォン2はホームボタンのみだが、「電話」と「メール」はホーム画面の先頭に表示するよう工夫している。2機種とも電源キーは側面にあり押しやすい。またらくらくスマートフォン2のみカメラキーを側面に用意している。ホーム画面は2機種とも縦スクロール型だ。
ディスプレイ下のキー | |
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ARROWS NX F-06E | オンスクリーンキー(戻る、ホーム、メニュー) |
Disney Mobile on docomo F-07E | オンスクリーンキー(戻る、ホーム、メニュー) |
らくらくスマートフォン2(F-08E) | 物理キー(ホーム) |
Ascend D2 HW-03E | センサーキー(戻る、ホーム、メニュー) |
Optimus it L-05E | センサーキー(戻る、ホーム、メニュー) |
MEDIAS W N-05E | オンスクリーンキー(戻る、ホーム、マルチタスク) |
MEDIAS X N-06E | オンスクリーンキー(戻る、ホーム、マルチタスク)+スリープオン/オフキー |
ELUGA P P-03E | 物理+センサーキー(戻る、ホーム、メニュー) |
GALAXY S4 SC-04E | 物理+センサーキー(メニュー、ホーム、戻る) |
AQUOS PHONE ZETA SH-06E | センサーキー(戻る、ホーム、メニュー) |
AQUOS PHONE si SH-07E | センサーキー(戻る、ホーム、メニュー) |
Xperia A SO-04E | オンスクリーンキー(戻る、ホーム、マルチタスク) |
HTC J One HTL22 | オンスクリーンキー(戻る、ホーム) |
AQUOS PHONE SERIE SHL22 | センサーキー(戻る、ホーム、メニュー) |
Xperia UL SOL22 | オンスクリーンキー(戻る、ホーム、マルチタスク) |
URBANO L01 | 物理キー(戻る、ホーム、メニュー) |
ARROWS A 202F | オンスクリーンキー(戻る、ホーム、メニュー) |
DIGNO R 202K | オンスクリーンキー(戻る、ホーム、マルチタスク) |
シンプルスマホ 204SH | 物理キー(電話、ホーム、メール) |
AQUOS PHONE ss 205SH | オンスクリーンキー(戻る、ホーム、メニュー、マルチタスク)+クイック起動キー |
AQUOS PHONE Xx 206SH | オンスクリーンキー(戻る、ホーム、メニュー、マルチタスク) |
DIGNO DUAL 2 WX10K | オンスクリーンキー(戻る、ホーム、マルチタスク) |
AQUOS PHONE es WX04SH | オンスクリーンキー(戻る、ホーム、メニュー、マルチタスク)+クイック起動キー |
補足(その2)は片手操作しやすいUIについて。DIGNO RやAQUOS PHONE ssなどの小型端末なら、そのままでも片手で操作しやすいが、5インチ前後のディスプレイを搭載したモデルは、片手では操作しにくい。そこで注目したいのが、ソフトウェアでの工夫だ。
1ページ目で述べたとおり、片手操作に配慮したUIを採用しているのはELUGA Pだ。片手だと画面上部に指が届きにくくなるが、画面最下部から上方向にスワイプすると、画面上部が下にスライドする「ワンハンドPLUS」のお陰で操作しやすくなる。同様の機能として、ARROWS NX/Aも「スライドディスプレイ」を用意している。ARROWS NX/Aは5.2インチ/5インチとディスプレイが特に大きいので、うれしい機能だ。
ELUGA Pはほかに、「フィット」系のUIが片手に優しい。「フィットホーム」ではアプリトレイが画面下半分にのみ表示され、片手でアイコンをタップしやすい。あまりカタログなどでは大きくうたわれてはいないが、(フィットホームの)ホーム画面上のどの部分から下にスワイプしても通知バーを起動できるのもうれしい(真ん中や下部をスワイプしてもOK)。「フィットロック」では画面に触れた場所にロック解除やアプリ起動のショートカットが表れ、どの場所からでもロックを解除できて便利だ。「フィットキー」ではキーボードのサイズを自由に変更できる。
ELUGA P以外でも、片手で快適に文字を入力できるよう、キーボードを左右に寄せたり、サイズを自由に変更したりできる機種は増えている。ARROWS NX/A/F-07E、MEDIAS W/X、Xperia A/ULは、文字入力画面からそのままキーボードの幅と高さを指で自由に調節できる。GALAXY S4、AQUOS PHONE、Optimus itはキーボードを左右に寄せることはできるが、自由に調節したり、高さを変更したりはできない。また、文字入力画面から直接キーサイズの変更はできず、変更するには「設定」→「言語と入力」にアクセスする必要があるのも少々不便。
今回の23機種の中で、日本語入力システムに唯一「FSKAREN」を採用しているAscend D2は、文字入力画面のサブメニューからキーサイズを指で自由に変更できるが、なぜか高さしか変えられない。横幅も変えられるようアップデートしてほしい。
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