女性に人気の“フリマアプリ”がeコマースを大きく変える?佐野正弘のスマホビジネス文化論(2/2 ページ)

» 2014年01月20日 17時00分 公開
[佐野正弘ITmedia]
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フリマアプリがeコマースに示す“CtoC”の可能性

 フリマアプリの盛況を受けてか、スマートフォンでは最近、CtoCを強く意識したeコマースサービスが広がりを見せている。その動きを端的に表しているのが、2013年12月にAndroid版をプレオープンしたLINEのeコマースアプリ「LINE MALL」が、フリマアプリに近い内容で登場したことだ。

 実際LINE MALLは、LINEのアカウントを用いてログインすれば、法人だけでなく個人でも出店ができるし、商品の出品も写真を撮影した後、簡単な入力をするだけで手軽にできる。さらに出品した商品は事前チェックが実施されるほか、購入者が支払った料金は一度LINE MALL側が預かる形をとることで問題を起きにくくするなど、フリマアプリを強く意識しているのが分かる。

photophoto Android版がプレオープン中の「LINE MALL」。フリマアプリの仕組みを踏襲する一方、成城石井など法人が展開する「公式ストア」も用意

 といってもLINE MALLは必ずしもCtoCがメインという訳ではなく、法人が消費者に販売する、いわゆる「BtoC」の要素も含んでおり、法人が展開するいくつかの「公式ストア」も用意されている。ただそれらが特別な位置に掲載されている訳でなく、個人が出品した商品と同列に掲載される仕組みとなっている点は、CtoCの影響力を意識したものといえるかもしれない。

 実はCtoCがもたらす影響は、スマートフォンだけにとどまらない動きにもなりつつある。「STORES.jp」(ブラケット)や「BASE」(BASE)など個人でも無料で、かつ手軽にオンラインストアを出店できるサービスが人気を集めているほか、2013年10月にはヤフーが「Yahoo!ショッピング」の出店料を無料にし、さらに個人の出店を可能にするなど、eコマースサービス全体で、個人が商品の販売をしやすい環境が整えられつつあるのだ。

 それだけに、若い女性から人気を獲得したフリマアプリの成長が示すCtoCのニーズの可能性は、今後のeコマースのあり方を大きく変える可能性をも示している――といえるかもしれない。特に2014年は、4月から消費税が5%から8%に上昇し、家計の負担が確実に増える。そうなると、消費税の影響を受けにくいCtoC系サービスが一層注目を集めることになりそうだ。

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