LINEは2月26日に、LINEから固定・携帯電話へ低料金で通話できる新サービス「LINE 電話/LINE Call」を3月に提供すると発表した。既存のスマホ向け通話サービスの値下げ競争を加速させるかどうかといった点でも注目が集まっているが、一体どんなサービスなのだろうか。LINE広報によると「現時点で公開している情報以外は提供できません」ということだったので、既に公開されている情報をまとめた。
LINE電話は、スマートフォン向け無料通話・メールアプリ「LINE」から国内外の固定・携帯電話などの電話番号へ低料金で通話ができるサービスだ。日本、米国、メキシコ、スペイン、タイ、フィリピンの6カ国で提供されるため、海外向けには「LINE Call」という名称が使われる。サービス提供は3月中を予定している。
通信キャリアの自社電話回線を使った通話や、電話回線を借りている「楽天でんわ」などと異なり、LINE電話はIP電話と同じくパケット通信で通話をする。
類似のスマホ向け電話サービスと比較した際のLINE電話の特徴は、「低料金」「プリペイド決済」「発信者の電話番号表示」などが挙げられる。詳細はあとの質問に譲るが、キャリア通話やほかのIP電話サービスと比べて通話料が安い、事前に決済を行う方式である、ドコモ以外の端末は発信者の電話番号が表示される、というのが主な特徴となる。
料金プランは、利用する通話時間分を事前にチャージする「コールクレジット」と、購入から30日間利用できる「30日プラン(上限60分)」の2つ。コールクレジットの通話料は、固定電話へは1分3円、携帯電話へは1分14円。30日プランでは、固定電話のみに通話する場合1分2円。固定・携帯電話へそれぞれ通話するプランはいずれも1分6.5円となる。なお、料金には消費税の相当額は加算されない。
日本以外の国・地域に発信した際の料金は、サービス開始時に案内される予定だ。
決済は、LINEアプリ内決済(「コールクレジット」のみ)もしくは、LINEウェブストアから購入方法を選んで行う。Android端末の場合は、LINEアプリ内で使える「LINEコイン」も利用できる。
LINE電話自体には電話番号は付かない。しかし、発信する際に相手側には自分の端末の電話番号が表示されるので、相手側にはLINE電話からかけていることは着信の段階では分からない。ただし、NTTドコモの端末宛に発信した場合は発信者番号が表示されない。
まずは、日本、米国、メキシコ、スペイン、タイ、フィリピンの6カ国で提供される。
電話番号認証で登録したiPhone・Android版LINEユーザーが対象で、Facebook認証のみのアカウントは利用できない。
発信はダイヤル入力のほか、アドレス帳・通話履歴から行える。また、国内の650万件以上の店舗や施設を収録したゼンリンのデータベースから、位置情報・カテゴリー・キーワード検索などを利用して番号を探すこともできる。
LINEは「複数の大手回線事業者のプレミアム回線を採用し、通信量が多いことが見込まれる主要対地間の専用回線使用やOS・端末別最適化にも注力し、クリアで途切れにくい音声品質を実現している」と公表している。遅延やノイズが起こりがちな、従来のIP電話サービスよりも通話品質は高いことが期待されるが、実際の品質はサービス開始後に検証する必要があるだろう。
リリース前ということもあり、実際の使い勝手や購入方法など、明らかになっていない部分も多い。しかし、キャリアやほかのIP電話サービスに対して大きなインパクトを与えたことは間違いないだろう。サービス開始後、改めて使い勝手や通話品質を検証していきたい。
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