レビュー
» 2014年07月18日 11時00分 公開

注目WiMAX 2+ルータ詳細レビュー:「Wi-Fi WALKER WiMAX 2+ NAD11」の高速移動時通信とバッテリー駆動時間をチェックする (2/2)

[坪山博貴,ITmedia]
前のページへ 1|2       

ハンドオーバーと私鉄沿線移動中のWiMAX 2+は?

 ハンドオーバーの検証は、高速移動通信検証と同じ環境でストリーミング対応のツイッタークライアントアプリを利用した。比較対象のUroad-Aeroとともに2台のスマートフォンをそれぞれNAD11とUroad-Aeroに接続して同時にチェックしている。

 NAD11とUroad-Aeroは、ともにストリーミングとツイートの流れが数秒途切れるタイミングのズレを確認したが、発生回数としては同程度だ。先に紹介した清水谷戸トンネルの前後は切り通し(線路が谷間に位置するような環境)区間になっており、この区間でもツイートの流れが乱れることも多かったが、ストリーミング自体を維持した点もNAD11とUroad-Aeroでほぼ同様だった。

 Uroad-Aeroを含むシンセイ製デバイスはハンドオーバーに優れているが、そのUroad-Aeroと同程度のハンドオーバーをNAD11でも実現しているといえるだろう。なお、以上の検証中において、NAD11はずっとWiMAX接続だった。

 検証作業を行った2014年7月上旬における、東海道線の高速移動中におけるWiMAX 2+の接続状況についても紹介しておこう。今回の検証中において一部の駅周辺(戸塚駅、川崎駅、蒲田駅)でWiMAX 2+に接続できている。

 ただし、移動中に1駅以上WiMAX 2+で接続し続けることはなかった。それでも、戸塚駅から隣の東戸塚駅(通過駅)手前まで、川崎駅からは多摩川の手前まで、蒲田駅から多摩川の手前までなど、一部区間でWiMAX +の接続を維持できることもあった。

 いったんWiMAX 2+で繋がっていれば、速度計測アプリで受信30Mbps近くを記録することもあり、また、ftpでのファイル受信で8Mbps近い速度を出すこともあるなど、高速移動時でもWiMAX 2+の通信速度は圧倒的に速い。体感的にも3大キャリアのLTEと同等のレベルになる。

戸塚駅−東戸塚駅間で計測したftpによるファイル受信の最速記録。常にこの転送速度が出るということではないが、それでもWiMAX 2+接続中は多くの場合で400Kbps以上出ていた(写真=左)。こちらはWiMAX接続でftpによるファイル受信時の最速記録。川崎−横浜間で計測した。高速移動中としてはWiMAXも頑張っているが、WiMAX 2+接続なら平均でもこれを超えることを思うと、WiMAX 2+の接続率が高くなってほしいと期待してしまう

 なお、検証担当者の行動圏(東京から横浜にかけての首都圏)にある東急池上線(五反田駅と蒲田駅をつなぐ私鉄)では、地下にある長原駅を出たあたりで電源を入れるとWiMAX 2+で接続し、池上駅の直前まではWiMAX 2+をつかみ続けていたが、(時間にして10分強)、その後WiMAXにハンドダウンした。

 池上線の最高速度は時速80キロだが、駅間の距離は短く表定速度は時速30キロ以下、線路周辺も地下以外は空間が開けており、WiMAX 2+でハンドオーバーしにくい条件はほとんどない。移動中とはいえ、WiMAX 2+の接続率は低い。ただし、これはHWD14でも同じ傾向なので、モバイルルータだけの問題とは考えにくい。

 NAD11で確認できた高速移動中の通信速度やハンドオーバー能力は、これまでのWiMAX専用機と比較しても同等のレベルにある。すでに紹介したWiMAXハイパワーの検証と合わせ、WiMAX専用機からの買い替えを検討しているユーザーにとって、この点だけでも安心できる製品だろう。

五反田と蒲田を結ぶ東急池上線。長原駅と池上駅の区間は、“く”の字を描く路線のほぼ中間に位置する。池上線も全線が2013年6月末時点でWiMAX 2+のエリアになっている

バッテリー動作時間の実力はどうだ

 モバイルルータとして重要な要素となるバッテリー動作時間はどうだろうか。カタログスペックでは、WiMAX 2+通信時で約7時間、WiMAX通信時で約10.5時間となっている。長時間動作を特徴とする最近の製品と比較すると、WiMAX 2+通信時の約7時間はやや短い。終日使いたいという要求に応えるには厳しい印象を受ける。

 バッテリー動作時間の検証は日常利用の範囲で行った。最低限でもスマートフォンが常時2台は接続しているようにして、PCからも意識的に30分ほど利用するようにしている。電力管理関連の設定項目は、基本的に初期設定のままだ。現状では、移動中にWiMAX 2+で常時接続するのは難しいので、単純にHSモード(WiMAX 2+とWiMAXの自動切り替え)とNLモード(WiMAXのみの利用)で2日ずつ検証した。

 検証作業では、バッテリー残量をスマートフォンから監視しつつ、目測で確認している。確認する時間の間隔は10分ごとだ。HSモードモードもNLモードも傾向は同じで、カタログスペックには届いていない。ただ、バッテリー消費が増えるだろう高速移動が含まれていること、そして、静止中においてもWiMAX、WiMAX 2+それぞれの圏外ぎりぎりのエリア(エッジエリア)にあった時間が長かったことも結果に影響している可能性は高い。

 この検証作業でも、HSモードにかかわらず高い比率でWiMAXに繋がっていた。HSモードでは、WiMAXでの接続中でもWiMAX 2+の電波を定期的にチェックするために回路的には電力を消費する。なお、HWD14の測定結果でWiMAX 2+とWiMAXであまり差がない。ただ、HWD14は3000mAhという大容量バッテリーを搭載しているので、WiMAX通信時はHWD14の消費電力自体が大きいということになる。

NAD11で計測したバッテリー駆動時間。WiMAX 2+が有効になるHS(ハイスピード)モードは、WiMAXのみのNS(ノーリミット)モードと比べて、明らかにバッテリー駆動時間が短くなる


 バッテリー動作時間だけみれば、NAD11はHWD14にかなわない。しかし、本体のサイズと重量を考慮すればどちらがいいか一概にはいえない。バッテリー駆動時間を優先するならHWD14だし、軽さを選ぶならNAD11だ。

 一方、NAD11はスマートフォンのアプリから通信モードを簡単に切替えたり、Bluetoothを使ってのリモート起動機能もある。予備バッテリーを持ち歩くこともできるので、実用レベルでの評価はまた異なるだろう。次回は、その「アプリを加えた使い勝手」を検証していきたい。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

この記事が気に入ったら
ITmedia Mobile に「いいね!」しよう