「スマホが変えるスマイ(住まい)」をテーマに戦略的業務提携を発表したフリービットとエイブル。通信×不動産という組み合わせがユーザーに何をもたらすのだろうか。エイブルTGRoom原宿店 MAISON ABLEで開催された共同発表会で、フリービットの石田宏樹社長とエイブルの梁瀬泰孝社長がその狙いを語った。
フリービットはこれまで、Androidスマートフォン「PandA」を「オンライン」、直営店の「ATELIER」、移動式店舗の「STAND freebit」、「テレビショッピング」と販路を広げてきた。これに次ぐ第5の販売方法として提示したのは「freebit mobile パートナープログラム」だ。
パートナープログラムとは、企業や学校などがPandAのソフトウェアをカスタマイズして各エンドユーザー向けにカスタマイズされたオリジナルスマートフォンを提供できるもの。パートナー企業は各ユーザーに応じたサービスを提供できるメリットがあるほか、オリジナルスマホカバーも作成可能。フリービットにとっては、自社ブランドの認知度向上を図るとともに、直営店やテレビCMだけでは得られなかった新たな顧客を取り込めるメリットがある。ユーザーは、フリービットと通信サービス契約を行い、パートナー企業とコンテンツサービス契約を結ぶ形になる。
パートナー企業は流通、サービスなどさまざまあるが、フリービットは不動産・建設関連のエイブルと最初に手を組むことになった。石田氏はその理由を「まずは“衣食住”という人間の生活にとって不可欠なことに関する業者から始めようと思った。ほかの企業からも申し出はいくつか来ているが、フリービットブランドを育てていくことの重要性も理解してくれた」と説明した。
空室対策として物件への通信インフラ整備を実施しているエイブルは、今後は「ライフコストの見直し」と「暮らしに役立つサービス・情報の提供」を通して入居者をサポートしていく。エイブルによると、エイブル向けにカスタマイズされた「エイブル“PandA”」を導入すると、1世帯(3人)当たりの1カ月の通信費は1万5789円ほど節約できるという。
暮らしに役立つサービスとして、エイブル“PandA”には3つの無料アプリがプリインストールされている。それは、「Smafa(スマファ)」「エイブル コンシェルジュ」「お友達紹介」の3つだ。
Smafaは、エイブルの会員制優待サービスで、映画館の割引チケットや飲食店のクーポン、飛行機、宿代を特別価格で提供するなどの特典を受けられる。登録料と年会費は無料。エイブル コンシェルジュは、水回りのトラブルや夜間で急患が出たときの医療機関のあっせんなど、緊急時の相談窓口だ。お友達紹介では、友人がエイブルを介して部屋を契約するとプレゼントを受け取れる。
エイブル“PandA”は、TGRoom原宿店 MAISON ABLEを旗艦店とし、まずはエイブル直営店10店舗(東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、京都、大阪)で販売される。梁瀬氏は「まずは直営店10店舗で1000台を売り切ることを目指す。9月末までには端末を販売する」と抱負を語った。最終的には全国で400を超える直営店での販売を目指す。端末にはメゾンエイブル柄のスマホカバーが付属するほか、チンタイガーのスマホカバーも別途購入できる。エイブルを介して部屋を借りなくてもスマホを購入することは可能なほか、契約期間内に引っ越しをしても引き続き各種コンテンツは期間満了時まで使用できる。
フリービットと協業する理由について、梁瀬氏は「垂直統合経営でこれだけのクオリティの端末を作り、なおかつブランドコンセプトがしっかりしている。提供している端末が1つだけというのも魅力」と語った。
フリービットはエイブルとの協業を皮切りに、ほかの企業とのパートナーシップも強化していく方針だ。
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