ドイツ・ベルリンで開催された「IFA 2014」。LG Electronicsのブースでは、注目の円形腕時計型デバイス「LG G Watch R」のほか、同社のフラッグシップスマートフォン「LG G3」シリーズ、角度調整ができる湾曲4Kテレビや5Kテレビ、スマート家電などが幅広く展示されていた。
会期直前に発表され、これが初お披露目ということもあって、注目を集めていた「LG G Watch R」。ブース内でも大きく展示スペースが割かれ、多くの人が新デバイスを一目見ようと足を運んでいた。
既報の通り、「LG G Watch R」は1.3 型の円形プラスチック有機ELディスプレイ(P-OLED)を採用した、Android Wear搭載の腕時計型デバイス。ディスプレイの周囲にダイバーウォッチのような金属製のベゼルや竜頭がデザインされていて、一見するとごく普通のアナログ式腕時計に見える。プロセッサには1.2GHzのSnapdragon 400を搭載。ストレージは4Gバイト、メインメモリは512Mバイト、バッテリー容量は410mAhだ。バッテリー駆動時間は公表されていないが、省電力モードも備えていて、長時間の使用が可能とのこと。IP67相当の防水/防塵(じん)対応で、背面には心拍センサーも備えている。
手にしてまず思ったのは、「本当に腕時計にしか見えない」ということ。円形のディスプレイに加えて、金属のベゼル、交換可能なバンドなど、かなり腕時計らしく見せることにこだわってデザインされているように思える。
展示されていた端末は、機能が制限されたデモモードとなっていて、詳細な機能はチェックできないようにしてあったが、一部実働可能な実機があったので確認したところ、アナログのパターンを中心に、ウォッチフェイスも豊富に用意されていることが分かった。気分にあわせて好きなフェイスに変えられるのは、本当の腕時計にはない楽しみの1つと言える。
ベゼルのおかげで腕時計っぽさが強調される一方で、タッチ操作ではベゼルの出っ張りに指が引っかかり、スワイプやスクロールがやりにくいと感じた。ベゼルだけではなく、円形のためタッチできるスペースが小さいということも、操作性に影響しているようだ。
スマートフォンでは、フラッグシップモデルの「LG G3」のほか、「G3ファミリー」とも呼べる、G3の派生モデルが展示されていた。
「LG G3 Stylus」は本体に収納可能なスタイラスペンを搭載するモデルで、手書き可能なメモアプリも用意されている。G3とは1.3GHzのクアッドコアプロセッサや、有効約130万画素のインカメラ、メインメモリなどの細かなスペックが異なるが、同じ5.5型のWQHD(2560×1440ピクセル)ディスプレイを搭載する。
「LG G3 S」は欧州以外では「LG G3 Beat」の名前で販売されているモデルで、G3のコンパクトモデルに当たるもの。5型のHDディスプレイを搭載するほか、プロセッサ、カメラ、メインメモリなどのスペックがG3と異なる。
スマートフォン関連ではこのほか、米Verizon向けの「LG G Vista」や10.1型&8型タブレット「LG G Pad」、ミドルレンジモデルのスマートフォン「LG L」シリーズなども展示。一方家電のコーナーでは、「LINE」を使って家電をコントロールする「HomeChat」のデモも見ることができた。LINEを使って、家電に自然な言葉で指示ができるというユニークな機能。日本でも発売中のロボット掃除機「ホームボット」に、掃除の指示を出す様子などが紹介されていた。
LGブースでは「LG G Watch R」のほかに、もう1つウェアラブルデバイスが展示されていた。今年7月に発表され、間もなく欧州でも発売が開始される「KizON」だ。その名の通り子供向けの腕時計型デバイスで、SIMカードやGPSを搭載し、ボタンが1つだけというシンプルなデザイン。ボタンを押すと事前に設定されている親の電話番号に発信し、スピーカーホンで通話もできる。電話は掛けるだけでなく、掛かってきた電話を受けることも可能。親は専用のアプリからGPSを用いて、いつでも子供の居場所を確認できる。ブースには、キャラクターをあしらったスペシャルバージョンの「KizON」も展示されていた。子供達の人気を集めそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.